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感想
『サスペンス小説の書き方』の第10章「長編小説の実例」として、アイデア～発展させて～プロット～初稿～改稿の過程を説明する題材として使われているので、合わせて読んで参考になった。小説自体は単純なサスペンスというだけでなく、『ヨブ記』に似た文学的な香りもして興味深かったが、テーマとサスペンス感が半々で薄まっている、どっちつかずという印象もわずかにあった。駄作というほどでは決してないが、最高傑作には少し足りないような。主人公の内面の変化を丁寧に描いているのもわかる。建物などの描写も丁寧だが、やや読みづらい。「長編小説の実例」でそのあたりは編集者に削除させられたと書いていた。
緋片イルカ 2023.7.26
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