※あらすじはリンク先でご覧下さい。
※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。
※この分析は「ライターズルーム」メンバーによるものです。
【ログライン】
現状維持のような夫婦関係になっていた綿子は、不倫相手の木村の死をきっかけに自分を見つめ直すが、不倫していたことがバレ、夫に引き止められるも別れを選ぶ。
【フック/テーマ】
不倫相手の死/結婚生活
【ビートシート】
Image1「オープニングイメージ」:「朝のリビング」
木村とのグランピングに出かける前。夫はソファーで寝ており、この後の会話から常に別で寝ていることがわかる。
GenreSet「ジャンルのセットアップ」:「ヒューマンドラマ」
電車の指定席で不倫相手の木村と落ち合う。
want「主人公のセットアップ」:「冷めた夫婦関係」
夫は前妻の子供を預かるし、義母は合鍵で勝手に家に入る。
我慢が当たり前になっており、木村に癒しを求めている。
次の約束もしていて、これからも関係が続くことを確信している。
Catalyst「カタリスト」:「木村が事故に遭う」
別れた直後、木村が車に轢かれるが、綿子は駆けつけられない。
Debate「ディベート」:「安否を心配する」
連絡を待つも来ないので、電話を掛ける。しかし女性の声がして、電話を切ってしまう。
Death「デス」:「木村葬儀の連絡が入る」
木村との縁を繋いでくれたエリから、木村が死んだと伝えられる。
PP1「プロットポイント1(PP1)」:「夫からの提案」
夫から家の購入に伴い、夫婦関係の修復を提案される。
MP「ミッドポイント」:「夫からの叱責」
内見の約束を忘れ、山梨に行った綿子は責められる。
Fall start「フォール」:「歩み寄る」
綿子が熱っぽいことを聞き、子供を預かるのをやめにする夫。
綿子は夫へのプレゼントを選ぶ。
PP2(AisL)「プロットポイント2」:「不倫がバレる」
指輪をきっかけに木村父に不倫関係がバレ、木村妻にも話すと言われる。
DN「ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル」:「旅館に泊まる」
現実逃避し、旅館に一泊。
BB(TP2)「ビッグバトル(スタート)」:「話し合い」
木村妻と話をし帰宅。夫との話し合いが始まる。
Twist「ツイスト」:「不倫という恋愛」
綿子夫婦も元は不倫関係。しかも綿子との生活の中で、夫は前妻と不倫したことがある。
木村は死んでいると主張をするが、夫は信じない。
疑心暗鬼になり、お互いに責めあう。
Big Finish「ビッグフィニッシュ」:「離婚」
時間を置き、綿子が出した答えは離婚。
夫は一旦同意するが、引き留める。
綿子も現状を変えたくない。しかし、口から出たのは「木村君に会いたい」という言葉。
Image2「ファイナルイメージ」:「朝のリビング」
荷造りした荷物が数箱おいてある。綿子は家を出て一人で車を走らせる。
【作品コンセプトや魅力】
冷えきった結婚生活での妥協や我慢。
不倫相手の死を通じて、現状維持でいいのかと自分を見つめ直す。
繊細な心情描写。
【感想】
「好き」4「作品」4「脚本」4
Huluの「脚本が素晴らしい」という特集があり、そこから本作を選びました。
驚くような展開も胸が熱くなるような出来事もありません。でもそれが胸に染み入るようでよかったです。
妥協、我慢、不安。それらが繊細に描写されていました。
主人公の綿子だけでなく、夫、エリについても心情が理解しやすくて、考えることが多い作品でした。
(雨森れに、2025/2/18)