ドラマ『ブラック・ミラー』シーズン2(三幕構成分析#84)

分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。

上級編の内容を含みますが解説はしません。

1 “ずっと側にいて” “Be Right Back”

監督:Owen Harris
脚本:Charlie Brooker
放送:2013年2月11日
キャスト: ヘイリー・アトウェル、ドーナル・グリーソン

●スリーポインツ
「カタリスト」:「サービスの話を聞く」(10分21%)
PP1:「チャットで利用開始」(15分32%)
MP:「赤ん坊の心音を聞かせる」(23分48%)
フォール:「体が届く」(25分53%)
PP2:「出ていってと言う」(41分86%)

●ヴォルテクス(RP1-U型)
デス:恋人の死
PP1:サービス開始
バトル:次の段階のサービス~幸せの絶頂、セックス。
ツイスト:不気味の谷を感じる
MPあるいはバトルの途中:屋根裏に住ませている。
演出上は三幕があるが物語上は、捨て切れていない=変化していない。

2 “シロクマ” “White Bear”

監督:Carl Tibbetts
脚本:Charlie Brooker
放送:2013年2月18日
キャスト: レノーラ・クリッチロウ(英語版)、マイケル・スマイリー(英語版)

●スリーポインツ
「カタリスト」:「命を狙われる」(6分16%)
PP1:「女と一緒にホワイトベアを目指す」(13分35%)
MP:「森で殺されそうになる」(21分57%)
PP2:「壁が開いて舞台へ」(27分73%)
カタリストから逃亡アクションが始まるので、演出としてはPP1的に機能している。

●ヴォルテクス(RP1-D型)
PP1:逃亡開始+謎
MP:掴まる+謎解明
フォール=ループ。
ターンオーバープロットなので演出的には変化が見えるが、観客に明かされただけで物語上は何も変化していない。

3 “時の”クマ”、ウォルドー” “The Waldo Moment”

監督:Bryn Higgins
脚本:Charlie Brooker
放送:2013年2月25日
キャスト: ダニエル・リグビー(英語版)、クロエ・ピリー(英語版)、ジェイソン・フレミング

●スリーポインツ
PP1:「ウォルドー立候補」(10分22%)
ピンチ1):「ハリスと出会い」(15分35%))
MP:「ハリスに避けられる」(20分47%)
フォール:「討論番組」(21分49%))
ピンチ2):「ハリスを裏切る」(26分61%))
PP2:「ウォルドーを降りる」(31分73%)

●ヴォルテクス(RP3-U+UD型)
ウォルドーのアーク
(ウォルドーを始めている=既にアクト2に入っている)
バトル:ウォルドーの活動
MP:CIAと会う
フォール:「ウォルドーに投票するな」
PP2:ホームレス。瓶を投げ付けてスタンガンを喰らう(ラストシーン)

ハリスとのアーク
PP1:ハリスと出会い
MP:ベッドイン後、ハリスと電話番号交換
フォール:避けられる
ディフィート:ハリスを裏切る(討論番組)
PP2:ハリスに罵倒される
サブプロット=アークが2本ある。合計でRP3つ。

スペシャル “ホワイト・クリスマス” “White Christmas”

監督:Carl Tibbetts
脚本:Charlie Brooker
放送:2014年12月16日
キャスト: ジョン・ハム、レイフ・スポール、ウーナ・チャップリン、ナタリア・テナ

●スリーポインツ
※分析表参照

●ヴォルテクス(RP6)
1話内でのオムニバス形式。
各ショートストーリー内でRPが合計5つあり、全体構造としてのオチで1つある。
ショートストーリーを繋いでいる要素として設定としての「ターンオーバー」(ここが自白させるための脳内でしたというオチ)。
各ストーリー内で「ブロックする」「時間調整の罰」という要素がキーになっている。それらを抽象化するとテーマになる。「他者をぞんざいに(機械のように)扱うこと」など。

総評

シーズン1に比べて、1話目、3話目などドラマ要素を入れてきているが、キャラクターアークは粗雑な印象(感情がクリシェになっている)。3話など「1500万メリット」のようなもっと刺さるセリフなどを言わせられたと思うが、中途半端で弱い。この辺りはライターのクセ(欠点)だと思う。それゆえか、安直なオチではあるが、構成優位の2話の方が見応えがあるように感じた。スペシャルは構成がオムニバス形式なので、飽きずに見られるが、全体を通してみるとテーマ性が掘り下げきれていない印象。スリラー、サスペンスのストーリーエンジンが働いているだけ。

緋片イルカ 2022.10.29

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