脚本添削『もう一度、触れて』(★4.70)

※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。

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初稿(★4.75)

脚本_太郎28v1『もう一度、触れて』_260918

脚本太郎
●自己採点
「好き」2.5「脚本」1.6
●ログライン100
社畜で出勤に急いでいた須藤は、様々な駅のパーツが合わさった空間をさ迷い歩き、電車に追い詰められて絶体絶命になるも、出社への熱意を絶やさず、抗い続ける。
●フック/テーマ
異常な空間/出社への異常な執念
●感想
・社畜への解像度が薄いと思いますが、異常な現象をも凌駕する異常な出社への執念が書きたかったです。
よろしくお願いします。

フィードバック

雨森れに
●採点
「好き」3.2「面白さ」2.5「没入感」2.5「題材」2.8「視点」2.3「構成」2.3「描写」2
●修正依頼
・須藤の執着心を描く
ご自身で仰っていたように、テーマが「出社への異常な執着」なのでその部分が見えるとより伝わりやすくなるかと思います。
現実の世界を見せるのも手ですし、異常な空間に社会貢献度メーターみたいなものを設置して貢献できないと死ぬ(もしくは投獄)みたいなのを匂わせるのもありかと思います。ただ、台詞で言わせるとこの世界観が崩れちゃう気がするので、映像としてどう見せるかになるかなと。
須藤が社畜である自分にどういうアイデンティティを持っているのか、それをどう見せるべきかを掘り下げると方向性が決まる気がします。
忙しい自分、自分が会社を動かしてる感覚、愛社精神、上司に認められている……どういうところに執着しているかが見たいです。
●感想
・『四畳半神話大系』を思い出しました。こういう映像の技術が求められそうなタイプだと、演出面を考えながら読めるので面白かったです。
・タイトルから想像したものとまったく違って、しっかり裏切られました。なんとなく希望を感じる雰囲気のタイトルなので、希望を残すラストのほうが嬉しかった気がしました。個人的にタイトルに裏切られたくない気持ちがあります。
・誤字、不要なスペースがありました。改行が必要そうな部分、一文が長いト書きも気になりました。小説だったら気にしない部分なんですが、脚本だと読みにくさを感じます。

米俵
●採点
「好き」2「面白さ」2.2「没入感」2「題材」2.8「視点」2.5「構成」2.2「描写」2
●修正依頼
・須藤の出社への異常な執念を前半から見せてほしい。
ログラインを読んで、異常な現象をも凌駕する異常な出社への執念を描きたい作品なのだと理解しました。ただ、脚本だけを読んだ際には、序盤では須藤が何のために急いでいるのかが分からず、「死んでも出社致しますので」という台詞で初めて、出社しようとしている話なのだと理解しました。
また、異常現象自体は次々とエスカレートしていく一方で、須藤の出社への執念が見える場面はそこまで多くないように感じました。例えば、普通なら命の危険を優先するような場面でも、須藤だけは遅刻や仕事の進捗を気にしているなど、それぞれの危機への反応として執念を積み重ねていくと、異常な空間以上に須藤の方が異常という狙いがより伝わると思いました。
●感想
無限に広がる駅や、風船に吊るされた太陽と月、アサルトライフルを持った駅員など、独特なビジュアルが多く、「6億番線」「勝手にしてください」「発射いたします」といった言葉も、この世界ならではの不条理さがあって印象に残りました。
一方で、個人的には物語を追うのが難しかったです。不条理な世界観なので、すべてに現実的な説明が必要だとは思いませんが、異常な出来事が次々に起こることと、物語上の因果や振りと受けがなくてもいいことは別だと思うので、須藤の目的に沿って出来事同士が繋がると、映像になった際にも見やすくなるように思いました。
ト書きについても整理して欲しい印象でした。

さいの
●採点
「好き」2.5「面白さ」2「没入感」2.2「題材」3「視点」2.7「構成」2.3「描写」2
●修正依頼
・ト書きを読みやすくして欲しいです。読みにくいというほどではないですが、独特の世界観を理解するためにこちらから読みにいかなければいけない感じでした。アクションの魅力を感じられるほどではないかなと。
●感想
・ルミナルスペースものを見たことがありませんが、きっとこういう趣向なんだろうなというイメージ通りの感じでした。
・現状はアクションとしてどう見せるかに重きを置いているのだと思いますが、ドラマとしての趣向をもっと深められるように思います。このような極限下にあっても男の中では出社という現実の要請が非日常を上回らないというのが面白い点だと思いました。その点、太郎さんのデスゲームコメディの作風とも相性が良いように思います。例えばパワハラ上司となぜか電話がつながっていて状況を説明するも一蹴されるみたいな具合です。現状もそういった雰囲気はあるのですが、こういった流行り物にご自身の作家性を上手く載せられると唯一無二の発明になるように思います。

しののめ
●採点
「好き」3.2「面白さ」3「没入感」2.8「題材」3「視点」2.6「構成」2.5「描写」2.6
●修正依頼
・須藤の目的観をもう少し分かりやすくする
初読時は勝手に、出社(勤労)へのストレスや、仕事しなきゃいけないけどしたくないといった葛藤を抽象的に表現してるのかな?と思い込んでしまいました。私の先入観による部分も大きいと思います。しかしログラインには「出社への異常な執着」とあり、思ったより須藤の目的が明確だったんだなと驚きました。その辺りがうまく汲み取りきれず、感情の複雑さや曖昧さを描いていると思い込んでいたので、あくまで出社への執着を描くなら目的意識をもっと分かりやすくしても良いかもです。ただ、出社への執着ということであれば、それを阻んでいる(ように見える)果てしない階段や銃声、電車などは何のメタファーになるんだろうという疑問があります。一方、この世界観と作風なので、分かりやすさが正義という訳でもない気もしてます。
●感想
・まさに今話題のリミナルスペース、ドリームコア感もあり、とても楽しく拝読しました。空間が結構イメージしやすく、ワクワクしました。「6億番線」「勝手にしてください」「発射します」などのセンスも面白くて好きでした。タイトルからイメージするものとの乖離も、意外性があって良かったです。まさかそこから取ったタイトルだったとは…という笑
・何か1本、もう少し明確にテーマや筋を通せれば、SFや不思議系の賞に出しても良いのではと思います。

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.4「面白さ」2.3「没入感」2.0「題材」2.5「視点」2.3「構成」2.0「描写」2.2
●修正依頼
・須藤のwantを前半に示す。
→リミナルスペースに迷い込んだという状況はわかりこそすれ、出社したいというwantとはスムーズに結びつかなかった印象です。ここから出たいという気持ちが先行するかと。柱1のラスト、駆け出すというト書きでは、逃げたいという捉え方しかできず、出社の気持ちを理解したのは、柱6のラストといった地点でした。wantを早める構成を取ることで、出社したい男の、リミナルスペース脱出劇を描けるかなと感じました。
●感想
・冒頭、カッチリの前に漢数字の1が入っていました。
・発射いたしますのセリフは面白かったです。
・リミナルスペースの状況や世界観をイメージするのが難しかったように感じました。完全オリジナルの世界観をト書きで表現する難しさを感じました。
・外界の世界と普通に電話できているという違和感もありました。その辺りの調整は必要かもしれません。

修正稿(★4.70)

脚本_太郎28v2『もう一度、触れて』_260930
修正期間:2026.9.24→9.30(3日)

脚本太郎
●自己採点
「好き」2.6「脚本」1.8
●ログライン100
社畜で出勤に急いでいた須藤は、出社への熱意を胸に、様々な駅のパーツが合わさった空間をさ迷い歩き、電車に追い詰められて絶体絶命になるも、同じく社畜の長峰に助けられる。かと思いきや、凶弾に倒れ、出社したくない気持ちに負けてしまう。
●フック/テーマ
異常な空間/出社への異常な執念
●修正意図
・ト書きの文末や改行を調整しました。
・須藤の本心が分かるようにしました。
・須藤のwant提示を前倒しました。
・後半の展開を、単純に死ぬようなものではなくし、須藤の内面に迫るようにしました。
●感想
・FBありがとうございました。
・展開の調整はひとまずしましたが、ト書きの調整をそこまでする余裕がありませんでした。余裕があっても舞台的に難しそうです。
・よろしくお願いします。

修正稿へのフィードバック

雨森れに
●採点
「好き」1.5「面白さ」1.5「没入感」1.5「題材」2.8「視点」2.5「構成」2.3「描写」1
●感想
・誤字脱字等:柱6ト書きが台詞のレイアウト、PASMOの表記フォントが混在、
・初稿よりわかりにくさが増しました。電車弾頭がどのようなものなのか何度読んでも理解できません。アニメ脚本ということなら発砲された弾頭が大きくなって一両編成の電車が追いかけてくるのかなと想像していました。ですが、中にいるのが「小さな」乗客で須藤と目が合う……この後の展開にも絡んでくる部分が想像できないままだったので、内容が頭に入ってきませんでした。雰囲気のよかった序盤も飛んでしまいました。
・一方、須藤の本心を掘り下げようとしていたのは理解できましたし、救いを作る部分で緩急が生まれたと思います。

米俵
●採点
「好き」2.1「面白さ」2.3「没入感」1.8「題材」2.8「視点」2.5「構成」2.5「描写」2
●感想
・冒頭で須藤の目的が明確になり、最後に「行きたくない」という本音が出てくることで、初稿よりも主人公が何と葛藤している話なのかは分かりやすくなったと思いました。ただ、私は具体的な画を掴みきれず、かなり入り込みづらかったです。
小説であれば、イメージが曖昧なままでも、自分の中で自由に想像しながら読むことができたかもしれません。しかし、今回は実写作品を想定した脚本なので、実際にどんな画になるのだろうと考えてしまい、そこで具体的な映像を想像できない部分が気になりました。脚本太郎さんが監督もされるのであれば、頭の中に具体的な完成形があって成立するのかもしれません。
・また、二稿で加わった長峰とのやり取りによって須藤の内面は分かりやすくなった一方、最後の「行きたくない」という本音が予想しやすくなっていたように感じました。

さいの
●採点
「好き」2.5「面白さ」2.3「没入感」2.2「題材」3「視点」3「構成」2.3「描写」2.2
●感想
・最後、PASMOのチャージを長峰と協力する場面は、良いコメディだなと思いました。今はスマホでチャージするので券売機は使わなくなりましたが、日常の動作が生死を決する行為になるというアイロニーが面白かったです。こういった日常でも「急ぐ場所」である駅をデスゲームの会場にするという趣向は太郎さんの持ち味を生かしつつ、広い層に訴えられるものと思います。
・電車の形をした弾丸は引きのある良い絵だと思います。もし本作のポスターを作るならこれですね。社畜は弾丸のように発射され絵は使い捨てられる特攻兵のようなものというブラックな暗示も感じました。
・長峰は何者だったんでしょうか。夢オチならそこもオチをつけて欲しいです。単に駅員だったとかでも。
・ト書きは改善されたような気配はありつつ、引き続き読みにくさは気になりました。例えば、「券売機があるのは、距離を隔てたところにある、円柱状の柱の上である。」とか、円柱であることが大事なのだとは思いますが単に「遠くに券売機」とかでも、スピード感を生かすなら良いかなと思いました。

しののめ
●採点
「好き」3.2「面白さ」3.2「没入感」2.8「題材」3「視点」2.7「構成」2.7「描写」2.7
●感想
・オチでめちゃくちゃ笑いました。個人的には冒頭で目的も示されたし、締めで本当のwantがオチとして提示されたので、作品や主人公の意図が明確になり読みやすかったです。ただ単に「本当は疲弊しきっているけど自分を騙し、何としても出社しようとしている」というだけのシンプルな内容・葛藤・自己矛盾を、ここまで戯画的な心象風景に落とし込めてすごいなと思いました。面白かったです。電車弾頭もイメージしやすかったです。出社しようとしてるなら敵ではないはずの電車や駅員が障害として立ちはだかってくることにも、「本当は行きたくないから全て敵に見えるんだな」と感じました。細かく見始めると「これはどういう意味なんだろう」「これは何故こんな描写になっているんだろう」と気になる点が色々ありますが、作者の中ではそれぞれちゃんと理屈があるのかなとも思えますし、細かいことはあまり気にせず自分のイマジネーションを勝手に駆動させて勢いで読むことができました。

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.7「面白さ」2.5「没入感」2.3「題材」2.5「視点」2.3「構成」2.4「描写」2.2
●感想
・柱6.「駅員1が発砲。銃声。」のト書きがセリフの位置にありました。
・須藤の出社したいというwantが冒頭から提示されたことで、その後出社のためにこの空間から出ようとしているんだということを認識しながら読み進めることができました。
・柱7.から柱8.へ、どうして須藤が現実世界に戻ってこれたのか、よくわかりませんでした。が、どうして戻ってこれたのかは重要ではなく、なんかわかんないけど戻ってきたということがこういった作品でよく見る気がします。潜在的に、出社したくないというwantが、須藤をリミナルスペースに迷い込ませたのかなと想像したりしました。
・銃弾が電車になっているのはおもしろかったです。「発射します」等とあわせて、電車と銃・異常な空間をうまく掛け合わせているという印象を受けました。

ChatGPT
●一番大きな問題点:
須藤が「気高い消耗品であること」を自ら選んだと語る場面は印象的だが、なぜそこまで仕事に執着しているのか、その考えがどこから来たのかが見えにくい。そのため、長峰の「それは本当にアンタの意思か?」という問いは作品の核心を突いているはずなのに、須藤自身の葛藤として十分に響ききらない。冒頭から繰り返される出社への執着と、ラストの「行きたくない」をつなぐ、須藤の内面の変化がもう少し見えると、結末がより強くなる。
●良い点:
駅という日常的な空間を、終わりのない階段、無限に増殖する駅施設、電車を銃弾として撃つ駅員など、悪夢のような世界に変換した発想が面白い。特に、どれだけ必死に進んでも「もう一度、触れて」「チャージしてください」と足止めされる改札は、会社に向かって消耗し続けるサラリーマンの姿と重なる。小さな乗客を巻き込む電車弾頭も、ブラックユーモアと不気味さが同居していて映像的な魅力がある。
●応援メッセージ:
「自分の意思で働いているつもりだった人間が、実は行きたくなかったと気づく」というテーマを、説明ではなく悪夢の体験として描こうとしているのが魅力。最後に目覚めるのではなく、現実の電車の中で泣きながら「行きたくない」と口にする終わり方もいい。須藤が自分の意思を疑うきっかけをもう一段掘り下げられれば、奇抜な映像表現と社会風刺が結びついた、後味の残る作品になると思う。

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森 2.7 2.4 1.5 2.2
米俵 2.1 2.4 2.1 2.5
太郎 2.5 1.6 2.6 1.8
さいの 2.2 2.5 2.3 2.6
しののめ 3.0 2.7 3.1 2.8
山極 2.2 2.3 2.5 2.4
平均 2.46 2.29 2.34 2.36
合計 4.75 4.70

 

初稿「好き」詳細
好き 面白さ 没入感
雨森 3.2 2.5 2.5
米俵 2.0 2.2 2.0
太郎
さいの 2.5 2.0 2.2
しののめ 3.2 3.0 2.8
山極 2.4 2.3 2.0
平均 2.66 2.40 2.30
初稿「脚本」詳細
題材 視点 構成 描写
雨森 2.8 2.3 2.3 2.0
米俵 2.8 2.5 2.2 2.0
太郎
さいの 3.0 2.7 2.3 2.0
しののめ 3.0 2.6 2.5 2.6
山極 2.5 2.3 2.0 2.2
平均 2.82 2.48 2.26 2.16

 

修正稿「好き」詳細
好き 面白さ 没入感
雨森 1.5 1.5 1.5
米俵 2.1 2.3 1.8
太郎
さいの 2.5 2.3 2.2
しののめ 3.2 3.2 2.8
山極 2.7 2.5 2.3
平均 2.40 2.36 2.12
修正稿「脚本」詳細
題材 視点 構成 描写
雨森 2.8 2.5 2.3 1.0
米俵 2.8 2.5 2.5 2.0
太郎
さいの 3.0 3.0 2.3 2.2
しののめ 3.0 2.7 2.7 2.7
山極 2.5 2.3 2.4 2.2
平均 2.82 2.60 2.44 2.02

2026.10.10 アップ

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