次回の読書会より、分析だけでなくて創作の要素をとりいれていくことにしました。
「作品合評会」と称して参加者から作品の応募を募り、講評したりしてしていきます。それに伴い、書いてみたいけど、どう書いたらわからないという方へ向けたヒントを書いていきます。(第一回はこちら)
前回は、非日常な事件を起こすことで、物語を動かすことをヒントにしました。
今回は物語の終わらせ方を考えてみます。
オチをつけなくてはいけないか?
物語をどこで終わらすかというのは、とてもむずかしい問題です。一概にも言えません。
今回は「作品合評会」の10枚以下という頁数にかぎった終わらせた方を考えます。
10枚というのはショートショートとの長さになるので、ラストあっと驚くようなオチをつけなければいけないと考えがちです。
もちろん、すごいオチがつけられるのならつけて「おおっ!」と思わせれば素晴らしいことです。
しかし「作品合評会」での作品は長編の一部と考えてもよいと思っています。
いずれ、コンクールに応募すると考えれば100枚、200枚と書かなければいけません。
その場合、10枚できれいなオチをつけることよりも、10枚読んで、つづきを読みたいと思わせる力が必要になってきます。
だから、10枚でオチがついたり、きれいにまとまっている必要はないと思います。
WANTが変わるタイミング
物語の終わるタイミングは難しいものですが、シーンが変わるタイミングというのはハッキリしています。
シーンでのWANT(目的)が達成されるか、失敗するかなどして、変化するタイミングです。
「コンビニでランチを買う」という目的であれば「弁当を買うこと」で、コンビニでの目的は達成されます。
つぎは、会社に戻って弁当を食べるシーンになるかもしれません。脚本でいえば場所が変わればシーンは変わります。
ただし「ランチを食べる」という中くらいの目的からみれば、「コンビニで買ってくる」→「会社で食べる」という二つのシーンは一連です。
これがシークエンスです。場所としてのシーンは変わっていても、物語の進行上では変化が起きていません。
このシークエンスが終わるのは、「ランチが終わり」→「よし、午後の仕事もがんばるぞ!」となるときです。この時、WANTは「仕事を終わらす」に変化しています。
このように、外的であれ内的であれ、WANTが変化したとき、シーンやシークエンスが切り替わるといえます。それは物語は終わらせる一つの目安になります。
ただし、一つのシーンなりシークエンスを10枚でまとめなくてはいけないというルールなどありませんから、10枚でシーンが終わってなくてもいいのです。
初心者はアクセルを踏む
前二回でヒントにした「主人公のWANTを考えること」と「非日常な事件を起こすこと」は、アクセルを踏んで物語を進めるようなものです。
それに対して、今回の終わらせ方はブレーキを踏んで、物語を止める作業です。
書き慣れていない初心者にとっては、アクセルを踏むことが大事です。
書けるなら、どんどん踏み込んで、100枚でも200枚でも書いてしまえばいいのです。
「作品合評会」での10枚以下というのは、読む側の負担を考えての基準なので、10枚のショートショートを創るという狙いではありません。
閃いたら、勢いで書く
何かひらめいくものがあったら、考えすぎずに書いてみることをオススメします。
どこかで見たことあるようなアイデアでも恐れる必要はありません。
作品には必ず、作者の視点が入るので、同じアイデアでも全く同じになることはありません。恐れずに書きましょう。
一番、大切なことは書き上げることです。
書き上げなければ、誰かに見せることもできません。
すてきな作品ができましたら、ぜひ「作品合評会」にご参加ください。お待ちしております。
緋片イルカ 2020/07/21
次回は、ログラインという観点から、これまでのまとめをします。→ はじめての小説④「ログラインにまとめる」
その他の参考記事:三幕構成の短編への応用:ミニマムビートシート(WISビート)(三幕構成10)