次回の読書会より、分析だけでなくて創作の要素をとりいれていくことにしました。
「作品合評会」と称して参加者から作品の応募を募り、講評したりしてしていきます。それに伴い、書いてみたいけど、どう書いたらわからないという方へ向けたヒントを書いていきます。(第一回はこちら)
タイトルは重要か?
言うまでもなく重要です。
タイトルは商品化する上では最も重要な要素の一つです。
キャッチーなタイトルと、オシャレな表紙イラストで、陳腐な小説も売れるというのは事実でしょう。
某コンクールの一次選考も通らなかった作品が、タイトルを変えて別の出版社でから出したらベストセラーになったなんて話もあります。
ただし、ここでは商品としてのタイトルではなく、作品に与える影響について考えていきたいと思います。
タイトルの種類
タイトルは物語の内容を一言で表したようなものなので、とうぜん物語のウリになるものがタイトルになることが多いようです。
いくつかのパターンをあげてみます。
・主人公の名前
・舞台となる街やアイテム
・テーマ
・引用やもじり
・文章系
具体例を挙げていくと大変なのでやめましたが、まあ、だいたい想像はつくかと思います。
ジブリの映画なんかでは「○○の□□」というように「の」がつくのがほとんどで、これが売れる法則だという人がいたりしますが、単純に世の中のタイトルに「の」が付くことが多いというだけだと思います。
「孤独」とか「愛」といった単語だけではタイトルになりづらいので格助詞の「の」が付くためです。
タイトルが内容やジャンルと合っていないなと感じたり、タイトルだけはすごくいい作品、逆にタイトルでは惹かれなかったけど読んでみたらすごくいい作品だったなんてことも経験されたことがあると思います。
書く前に決めるか? 書いた後に決めるか?
これは作者によってもいろいろだし、同じ作者でも作品ごとにいろいろです。
どちらにせよ、タイトルと物語の内容は影響しあうということが重要だと思います。
書き上げてみて、ピッタリのタイトルが浮かばないときは、作者自身がその作品のテーマや描きたいものが掴み切れていない可能性があります。
反対に、タイトルをつけた後から、そのテーマを軸とした方向性がはっきりと見えてくることもあります。
この作用を創作に活用してしまうということが考えられます。
他人のタイトルで遊んでみる
『吾輩は猫である』の猫を入れ換えてみます。
『吾輩はシマウマである』
『吾輩は自動販売機である』
『吾輩は積乱雲である』
適当に入れてみましたが、どんな物語を想像しますかか?
それを書いてしまい、タイトルだけ後で変えればオリジナル作品になるでしょう。
こんどは動詞を変えてみます。
『号泣する準備はできていた』から「号泣する」を変えてみます。
『告白する準備はできていた』
『殺害する準備はできていた』
『就職する準備はできていた』
ジャンルがまるで変わります。
さいごは素敵なタイトルから、そのまま物語を連想してしまうというのを。
すべて谷川俊太郎さんの詩集のタイトルです。
このタイトルから、どんな物語を想像しますか?
発想の元が他人のタイトルでも、書いた物語はあなたのオリジナルになっているはずです。
書き上がった後には、別のタイトルが付くことでしょう。
こんな風に言葉あそびをしてみるだけで、物語のヒントは生まれてくると思います。
閃いたら、勢いで書こう!
何かひらめいくものがあったら、考えすぎずに書いてみることをオススメします。
どこかで見たことあるようなアイデアでも恐れる必要はありません。
作品には必ず、作者の視点が入るので、同じアイデアでも全く同じになることはありません。恐れずに書きましょう。
一番、大切なことは書き上げることです。
書き上げなければ、誰かに見せることもできません。
すてきな作品ができましたら、ぜひ「作品合評会」にご参加ください。お待ちしております。
緋片イルカ 2020/08/01