映画『シュガー・ラッシュ』(三幕構成分析#126)

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【ビートシート】

感想・構成解説

ゲームネタ満載という面白さだけでなく、とてもよくできた脚本。各キャラクターの描写がしっかりしている。ラルフとヴァネロペのバディプロットのように見えるが、構成はミックスプロット。中心になっている3つのゲーム「フィックス・イット・フェリックス」「ヒーローズ・デューティ」「シュガー・ラッシュ」のそれぞれのキャラクターが中心に動いている。単純に目立った部分だけで、しっかり時間分析をしていないと、こういう構成を読みとれないし、書けるようにもならない。メインの舞台は「シュガーラッシュ」で邦題もそうなっているが、原題はWreck-It Ralph(壊せ、ラルフ)なのも注目しておきたいところ。キャラクラー描写がしっかりブレないところが良い。ラルフはヴァネロペと出会ってからも破壊的なキャラクターのままで、それをうまく使ったままストーリーを展開させている。他キャラも同様。ヴァネロペが苛められているシーン一つとっても、理不尽ではなくヴァネロペにも勘違いされそうな性格の悪さのようなものが見えるのでリアルで、とてもラルフの気持ちに共感できる。「ビッグバトル」をすべてのプロットを混ぜて、クライマックスとする展開も基本だが、しっかりできている(できていない作品が多すぎる)。分析してみると、少し段取りくさい展開に気づくが、見ているときはテンポの良さでまるで気にならない。

緋片イルカ 2023.3.6

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