※この分析は「ライターズルーム」メンバーによるものです。
※あらすじはリンク先でご覧下さい。
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【ログライン】
メイビスは、バディと復縁するため故郷へ行くが拒否され、帰ってくる。
【ビートシート】
Image1「オープニングイメージ」:「TVが点いたまま」
高層マンション。寝落ちしているメイビス。テレビが点いたまま。美人、君が一番綺麗、周りを気にするな、といった内容。
Catalyst「カタリスト」:「誕生パーティーの誘い」
3分たったところで、バディからメール。赤ちゃんが生まれたようだ。メイビスは行く気がない。
CC「主人公のセットアップ」:「友達に愚痴」
「ずっとマーキュリーに住んでたいと思う?奥さんも子供も。つまらない生活。そんな生活、人質みたい」と友達に愚痴をこぼす。
(「ジャンルのセットアップ」)
Debate「ディベート」:「バディに会いたい」
どうしてもパーティーが気になるメイビス。行くことにする。お気に入りの曲「ザ・コンセプト」を何度も繰り返し聞く。故郷マーキュリーに着くと、バディに留守電する。ホテルの鍵もバディのために2つ用意する。町に繰り出すと、バディから電話がくる。待ち合わせの時間を20時にしたかったメイビスだが、バディが18時と決める。マットと偶然再会。バディとの復縁作戦について話すと反対される。
PP1「プロットポイント1(PP1)」:「バディと待ち合わせ」
25分たったところで、ついにバディと再会の日。復縁作戦開始だ。
Battle「バトル」:「バディと再会」
バーでバディと再会。バディは昔の知り合いのつもりで会っているが、メイビスは復縁する気マンマンだ。バディは落ち着いた話ぶりだが、メイビスはときたま若者しか使わない言葉を使う。
Pinch1「ピンチ1」:「マットに会いに行く」
夜遅いが暇つぶしにマットのところへ。マットは密造酒作りとフィギュアが趣味のようだ。
MP「ミッドポイント」:「バディとキス」
バディと再会した翌日、バディの家を訪ねる。妻のベスに感じの悪い態度をとるメイビス。夜になりみんなでベスのバンドを見に行く。ベスがバディに捧げる曲は皮肉にもメイビスのお気に入り「ザ・コンセプト」であった。演奏のあとメイビスがバディを家まで送ることに。良い雰囲気になりバディとキスするメイビス。
Fall start「フォール」:「バディからの誘い」
キスした翌日、バディから電話。週末に娘の名前をつけるお祝いをするからよかったら来ないかと。二つ返事のメイビス。
Pinch2「ピンチ2」:「メイビスが母と出くわす」
母親と再会し、嫌々ながら実家に戻る。昔のバディの服を見つけて着る。
PP2(AisL)「プロットポイント2」:「マットから正論」
マットを怒らせ、正論を言われる。過去に生きている。大人になることを知らないただの子供だと。
DN「ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル」:「落ち込むメイビス」
喧嘩したことで落ち込むメイビス。しかしメイビスはブレない。自分の幸せは自分で掴む。他人を不幸にすることがあっても、と意志を固める。
BBビッグバトル:「赤ちゃんの名前をつけるお祝い」
バディ家を訪ねるメイビス。パーティーが開かれており、地域の人たちが大勢。二人きりになりキスを迫るが振り払われる。復縁を迫るが、どうかしてると言われてしまう。ベスとぶつかり、メイビスの服がジュースで派手に汚れてしまう。ここぞとばかりにベスに怒りをぶつけるメイビス。過去にバディの子を妊娠しており、本来なら自分がパーティーを開く未来だったと。バディがメイビスをなだめる。メイビスに同情したベスが招待したのだと真実を告げる。ベスに完全に敗北したメイビスは、文句を吐き捨て場を後にする。
【感想】
「好き」5点 「作品」5点 「脚本」5点
とにかく面白かった。アラフォー美人を「私イケてるでしょ」みたいな正当化された視点や説教臭い感じではなく、むしろ高校にいた女王様気取りの最悪な女がそのまま大人になった(作中でも言われているが)、という客観的な視点で描かれていたので、見ていて笑えたしメイビスを好きになれた。セリフも一つ一つ面白く、細かいところまで意識しているといった印象。このセリフ、あそこでフってあったなと勉強になる部分がいくつもあった。メイビスがブレないのがいい。最後、メイビスの性格は改善されておらず、人は簡単には変われないというビターな結末だと思うが、これはこれで説得力があった。
●スリーポインツ
プロットアークのみ
PP1:バディと待ち合わせ 25分28%
MP:バディとキス 52分58%
PP2(AisL):マットから正論 65分73%
(石川、2023/05/06)
この映画は未見なのですが、その前提でビートのコメントを拝読して以下の点が気になりました。
●デス
ディベート~PP1で決意をうながすようなエピソードはなかったか?(分析表から推測するにマットのEDあたりが関連ありそう) ないのであればPP1は別の地点になるかもしれません。ログラインから察するに「故郷へ行く」がPP1になる可能性もあります(それなら行く決意をした地点がデス)。創作上はPP1よりもデスの方が重要なこともありますので、デスはしっかり拾うことを目指してみてください。
●バトル
バトルは「PP1~MPに向かって」勝ち上がっていくイメージです。MPが「キス」であるなら、そこへ向かう闘いがすべて「バトル」となります。大きい視点からバトルを掴む場合はシークエンス単位で拾えばかまいませんが、描写が繊細な映画ではワンシーン内に「小さなバトル」がたくさんあります。いちいち分析表に書き切れない場合もありますが分析の目として、注意して見るようにしていると、創作の際に役に立ちます。
●フォール
MPからの折返しになっていないような印象を受けます。
●PP2
マットよりバディとのシーンで、他に何かあるような気がします。
※ピンチ
ピンチの機能について勘違いされている印象を受けますが、今は他のビートをしっかり掴むようになさってください。