SSFF & ASIA 2023 各賞の受賞結果
https://shortshorts.org/2023/awards/
The Bridge 希望のかけ橋
https://shortshorts.org/2023/program/wp/the-bridge-2/
ジョージ・ルーカス アワード(グランプリ)
アニメーション部門 優秀賞
「好き」5 「作品」5 「脚本」3
脚本はとくに凝ったところのないストレートな描写。クリシェだったり、折り鶴なども無意味に使っているあざとさはあるが、ドキュメンタリー的なドラマのが重みがある。物語好きはフィクション好きが多いが、日本人があまり知らない歴史を作品にすることの意義は正当に評価されてよいと思う。パペット・アニメーションで表情を大きく動かさずに感情を伝えるショットやライティングの工夫が良い。オリジナリティ溢れる作品ではないが、グランプリとして恥ずかしくない作品ではあると思う。
Beyond Teruel テルエルの彼方へ
https://shortshorts.org/2023/program/int/int-7/beyond-teruel/
インターナショナル 優秀賞
「好き」4 「作品」4 「脚本」3
雰囲気、一定のリズムの心地良い作品。写真家のキャラクターや写真の使い方も味わいがあって良いが、素晴らしい画とまではいかないか。漂う情緒だけで、ドラマも少し物足りない。あざといよりは良いが、もうちょっとだけ掘って欲しい。あるいは掘るような画づくりが欲しい。ミニプロット系が苦手な人には退屈でしかないだろう。悪くない作品だが、ぜんぶ見れば、もっと良い作品がありそう。審査員がパッと見、捉えづらいところを高尚にとらえた可能性も感じる。
Giddh (The Scavenger)スカベンジャー
https://shortshorts.org/2023/program/aj/aj-5/giddh-the-scavenger/
アジアインターナショナル 優秀賞/東京都知事賞
ベストアクターアワード(アジア インターナショナル部門)受賞者:サンジャイ・ミシュラー
「好き」3 「作品」3 「脚本」3
ショットは悪くないがリズムはあまりよくない。音楽のタイミングもアンバランス。題材にテーマがあるが、脚本は段取り、説明的なシーン。号泣シーンをもってベストアクターとなるのであれば安直。堪えきれるまでのそこまでの緊張感が演出的にも脚本的にも高められていない。全体的に冗漫。
Seen 半透明なふたり
https://shortshorts.org/2023/program/aj/aj-10/seen/
ジャパン 優秀賞/東京都知事賞
「好き」2 「作品」2 「脚本」1
説明的なセリフ、ネット反応、あざとい悪者などで感情を煽ろうとしているが一ミリも共感できない。素人的な技術のオンパレードの脚本。そもそも芥川の『鼻』を使うことに深い意味もテーマもない。オリジナリティの放棄だし、芥川のネタなどもはやクリシェ。そもそも第1回のブックショートで映像化したのも『鼻』が元ネタだった。モノクロにすれば映画になると思っているのか。お金をかければ受賞ができるのか。これがジャパン優秀賞ということに、いろいろと問題があるのではないか?
OFF SIDE カミーユとコンティさん
https://shortshorts.org/2023/program/int/int-2/off-side/
ベストアクターアワード(インターナショナル部門)受賞者:コラリー・ルシエ
「好き」5 「作品」4 「脚本」4
一部、演出にミスディレクションがあるが、全体的に脚本ともに良い。見応えのあるショートショートというかんじ。ベストアクターアワードも妥当。上記の『スカベンジャー』の泣きに比べてこちらのが共感できる.溜めがあるからである。とは言え、こちらまでジーンとするほどではない。良くも悪くも4点というかんじ。
マルゴの妹 / Margot’s Sister
https://shortshorts.org/2023/program/diversity/margots-sister/
Shibuya Diversity Award
「好き」5 「作品」3 「脚本」3
教育テレビのようなストレートな展開、撮り方だが、ストレートに撮るべき題材というのもあると思う。
緋片イルカ 2023.7.9