映画『クローバーフィールド/HAKAISHA』(三幕構成分析#162)

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※あらすじはリンク先でご覧下さい。

※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。

※この分析は「ライターズルーム」メンバーによるものです。

【ログライン】

ロバート・ホーキンス(ロブ)(マイケル・スタール=デヴィット)が怪獣の襲撃に遭い、エリザベス・マッキンタイア(ベス)(オデット・ユーストマン)を救出するが爆撃に巻き込まれてしまう。

【ビートシート】

Image1「オープニングイメージ」:「記録映像のテロップ、4/27朝の映像」米国防総省が保管する記録映像であるというテロップが流れる。この映画はセントラルパークで米軍が回収したロブのホームビデオであるという設定の擬似ドキュメンタリーなのだ。4/27朝、ロブはベスのアパートでカメラを回す。

CC「主人公のセットアップ」:「ロブはベスと失恋の危機に瀕して」ロブは日本への栄転が決まり、5/22夜、送別会が開かれる。ロブはベスと離れる事を気に病み、ベスとの関係を解消することにする。「人生に飽きた、無感動」と語るロブはこのままでは「静止=死」で、兄のジェイソン・ホーキンス(マイク・ヴォーゲル)や友達のハドソン・プラット(ハッド)(T・J・ミラー)から彼女を追いかけるよう説得される。
「何を捨てても大事な人間を守らなきゃ」とジェイソンが言う。これが、この作品のテーマだ。

Catalyst「カタリスト」:「突然の地震」ロブは2人から説得されていると、18分たったところで、突然の地震が街を襲う。遠くから巨大な唸り声のようなものが聞こえ 、サイレンが鳴り響き、会場から悲鳴が上がって騒然となる。何が起きたのかとテレビを見ると、すぐ近くの自由の女神側の海でタンカーが転覆したという。ロブ達は屋上に上がって確認しようとする。

「ジャンルのセットアップ」「怪獣映画」)

Debate「ディベート」:「いったい何が起きたのか?」9.11を彷彿とさせるテロなのか? 人々は屋上から街を見渡し、事態をつかもうとする。と、突然遠くの街中で大爆発が起き、火球が襲い掛かって来る。ロブたちは非常階段を駆け下り、ビルの外へと飛び出す。街は大勢の人々が逃げまどっていて、大混乱になっている。ロブとリリー・フォード(ジェシカ・ルーカス)たちはジェイソンを見失って探す。すると、空から巨大な塊が転がり落ちてくる。傷だらけの自由の女神の頭部だ。ジェイソンが戻ると、ビルの隙間から巨大な怪獣が動いているのを発見する。

Death「デス」:「怪獣に破壊され燃える街」ビルが倒壊して、激しい砂埃が人々を襲い、ロブ達はコンビニに避難する。怪獣が動く地響きで店のガラスが割れ、店内は無茶苦茶になるが、ジェイソンがロブを外へ連れ出す。怪獣が去った後には街や車が破壊され、マリーナ・ダイアモンド(リジ―・キャプラン)を発見する。人々は怪獣を見たと騒いでいる。

PP1「プロットポイント1(PP1)」:「怪獣から避難する」24分たったところで、パニックになっている人々を前にジェイソンがマンハッタンから脱出するためブルックリン橋へ移動することを提案する。ロブ達は破壊された街を後にしてブルックリン橋を目指す。
27分たったところではブルックリン橋の上で、ベスからの電話が通じる。サブプロットだ。

Battle「バトル」:「怪獣の襲撃」避難する人々の混乱でロブ達は離ればなれになってしまうと、突然ヘリが来て、何か起きている様子になる。すると、悲鳴が上がり、怪獣の尻尾が橋を崩壊させ、ジェイソンが巻き込まれてしまう。
怪獣の襲撃によるパニックやホラーがこの映画の「お楽しみ」でもある。
橋を崩壊させた巨大な怪獣は夜のマンハッタン街を蹂躙し、に軍隊が出動する。

Pinch1「ピンチ1」:「橋の崩落」ブルックリン橋の崩落によって、ロブ達はマンハッタンに戻り、MPに向かう。またジェイソンの死によってロブはサブプロットを進める。

MP「ミッドポイント」:「電器店、ベスからのメッセージ」テレビでは巨大な怪獣から小さな生き物が生まれて、人を襲う様子が映し出される。32分たったところで、メインとサブのプロットが交差し、ロブはベスからのメッセージを聴く。ベスはアパートで下敷きになり身動きが取れずロブに救助を求めている。ロブはマリーナやハッドの制止を振り切って、ベスのアパートのあるミッドタウンへ向かう。そこは怪獣が暴れている場所で「危険度が高まる」。

Fall start「フォール」:「蜘蛛のような生き物に襲われる」怪獣と軍隊の戦闘から身を隠すために、地下鉄に逃げ込んだ一行は地下を歩いていくことにする。母親やリリーが「台風の目」となり、ロブはジェイソンの死から愛を伝えることの大切さを考える。44分たったところで、一行は蜘蛛のような生き物に襲われる。ハッドを助けるために、マリーナは深手を負う。

Pinch2「ピンチ2」:「地下の部屋に逃げ込む」蜘蛛のような生き物から逃れるため一行は地下の部屋に逃げ込む。ここからロブは地上に上がる提案をして、PP2に向かう。怪獣の襲撃による進路変更でピンチ1の対。

PP2(AisL)「プロットポイント2」:「街ごと吹き飛ばす作戦」一行は上に上がっていくと、軍の緊急治療室にたどり着く。ロブは軍にベスを助けるよう訴えるが、撤退準備が開始される。深手を負っていたマリーナは急に容態が悪化し、膨れ上がって死んでしまい、「死の香り」が立ち込める。

DN「ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル」:「地上への通路」ある兵士がロブたちを外へ送り出す。軍は最後の攻撃が失敗したらマンハッタン島ごと吹き飛ばす作戦だ。最後の脱出のヘリを教えられる。

BBビッグバトル:「アパートからベスを救出する」ロブ達はベスのアパートに到着するが、隣のビルに傾いていて倒壊寸前だ。隣のビルから乗り移り、棒が刺さったベスを発見する。ベスを救出して、一行は最後のヘリに乗り込む。怪獣に爆弾が投下されるが、怪獣の反撃によってヘリは墜落してしまう。セントラルパークの橋の下に逃げ込んだロブとベスはカメラに向かって出来事を説明する。メインとサブのプロットが交差して、ロブはベスに愛を伝える。そして、2人は爆撃に巻き込まれてしまう。

image2「ファイナルイメージ」:「4/27遊園地の映像」爆撃のあと、映像は4/27ロブとベスが観覧車に乗っている姿が映る。窓越しの海には謎の落下物が水しぶきを上げている。ベスは「今日はいい日だった」と告げる。皮肉だが、2人の愛は取り戻せた。

【感想】

「好き」3点「作品」4点「脚本」3点
疑似ドキュメンタリーの演出を怪獣映画で貫徹させた作品。ただ、その演出以外はあまり独自性が感じられない。
臨場感はあるが、さすがにずっと悪夢を見させられているようで、疲れてしまう。
パラノーマルアクティビティの成功のためか製作費をはるかに凌ぐ興行成績を挙げられた。

(川尻佳司、2023/7/6)

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