「こんな夢をみた……」から始まる十話の幻想物語。
第一夜、「百年、私の墓の傍に坐って待っていて下さい。きっと逢いに来ますから」死の床で男と約束する女。
第二夜、和庄に「人間の屑」とののしられ、意地をかけて悟りをひらこうとする侍。
第三夜、男のおぶった目の見えぬ子どもの正体は……。
第四夜、「手拭が蛇へびになる」という爺さんをおいかける自分。
第五夜、敵の大将に引き出された自分は「死ぬ前に一目思う女に逢いたい」という。
第六夜、山門に仁王を彫る鎌倉時代の仏師・運慶。
第七夜、どこへ向かうかわからぬ船。
第八夜、窓から見つめる往来の人々。
第九夜、父の帰りを待つ母と子は帰りを願って、御百度を踏む。
第十夜、女といっしょに消えた庄太郎はどこへ向かったのか?
一夜ごとに夢と現実の境界があいまいになっていく……
出典:青空文庫
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朗読:月城くう
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