3分ミステリー「自称探偵シュガーの事件簿」file1 消えた老人

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『自称探偵シュガーの事件簿』

俺の名前はシュガー。職業は私立探偵。
依頼はまだない。
依頼がないのに探偵なのかって?
ふっ、心配することはない。俺ぐらいになると事件の方からやってくるのさ。

file#1 消えた老人

「佐藤さん、佐藤さん、お待たせしました」
受付の女が俺を呼ぶ。ここは病院の待合室。俺は持病の薬をもらいにきている。
「こっちは肛門の炎症を抑えるお薬とお通じをよくするお薬です。一日一錠、三回、毎食後です。こちらは座薬なので朝晩二回お尻にぶすっと入れてくださいね」
会計を済ませて帰ろうとしたとき。事件が起きた。どうやら事件が俺を呼んでるらしい。
「あれ。山本さん、どこ行ったんだろ?」
山本というのは俺の次に診察を受けていた高齢の男性だ。痔の痛みがひどいのか、待ってる間も、ベンチに座らずにうろうろしていた。気持ちはよくわかる。
俺と入れ違いに診察室に入ったから、まだ中にいるのかと思ったが、どうやらちがうらしい。診察の後、いなくなったのだという。
俺は仕方なく探偵であることを名乗って、協力することにした。
小さな個人病院で、関係者は医師と看護師、受付をしていた計三人の女性。この時間の患者は山本という老人と俺だけだった。
「診察室も、お手洗いも、念のためスタッフの事務室まで、すべての部屋を確認したんですけど、どこにもいないんです」
受付の女が答えた。
「玄関から出ていったということは?」
「ありえません」
「それなら私の目の前を通るはずですから。それに、山本さんの荷物がまだ置いてあります」
ベンチには黒のセカンドバッグが残されていた。
「あ、そういえば……診察の前になにか揉めているようでした。電話口で『待て、ちゃんと払う。今はまだ話せないんだ』って……」
俺はセカンドバックを漁った。財布やハンカチの他に、銀行の預金通帳、それと印鑑が入っていた。携帯電話はなかった。
「わかりましたよ。シュガーな事件です。俺が探せば一瞬で見つかりますよ」

★クエスチョン

山本という老人はどこへ行ったのでしょうか?

解決編はCM(広告)のあと!










■解決編

俺はこう推理した。ポイントは2つだ。
山本という老人は男性だったが、この病院の関係者は医師、看護師、受付スタッフの三人ともが女性であった。
それから、山本は何らかの金銭的トラブルに巻き込まれていて、すぐにでも電話をしたい状況だった。
そこから導き出される答えは「老人は男性トイレで電話をしていた」。病院関係者が女性だけだったので男性トイレを見落としていたのだ。だから「俺が探せば一瞬で見つかる」わけだ。
しばらくして、俺の推理通りに、老人は男性トイレから出てきた。話を聞くと架空請求に巻き込まれる寸前だったが、警察へ行くように勧めた。
俺にかかればモンブランなみに甘ったるい事件だったぜ。

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●ラジオ版で紹介していた本はこちらです。

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