「ライターズルーム」における提出脚本のためのヒントです。
033「珍味」
食事は、人間の生活の一部で物語のシーンでは何度も登場します。
ただ食べているだけではもったいない。
向田邦子脚本の料理シーンは有名ですが、それに負けじとオリジナリティを創作してみましょう。
食事シーンの妙は料理が与えるシチュエーション効果(たとえば鍋料理がキャラクターに与える影響)です。
というと、難しいので、まずは安直に「一般の人が知らないような料理を登場させる」ことで特徴を出してみましょう。
蘊蓄効果も出せます。
珍しい料理が登場していれば、料理シーン、食事シーンどちらでも良いこととします。もちろん両方でも可。
034「春」
季節シリーズ3回目。
春といえば?
多くの人は「桜」が浮かぶでしょう。
夏や冬ではクリシェを避けるように注意してきましたが、春のシーンで「桜」は見せ場にもなります。
クリシェを避けてオリジナリティを出す戦略もありますが、ベタなものを魅力的に書くのも脚本の腕です。
ということで、今回はあえて「いかにも春」なものを使うようにしてみてください。
桜には限りませんが、桜もOK。
ベタなものほどハードルが上がる。あえて、そこに挑んで魅力的なシーンを作ってみてください。
035「兄弟」
母親、父親につづく人間関係シリーズです。
姉妹は別に出すので今回は兄か弟の「男兄弟」とします。
「主人公に兄か弟が1人だけ」いる設定で書いてください。
何人も出すと描写が薄くなりがちなので「1人だけ」とします。
子供時代に限らず、大人になってからや老齢になってからでも構いません。
兄弟との距離感、兄弟ならではの感情(友だちや親子とは違う)を描いてみてください。
作者自身が「ひとりっ子」だと難しく感じるかもしれませんが、フィードバックを受けながら、兄弟の意義などに無頓着になっている可能性に目を向けるきっかけにしてください。
036「冒頭セリフ指定」
最初のセリフを「だから、嫌だったんだ」で始めてください。
どんな状況で、誰が言ったかは自由です。
「だから、嫌だったんだよね」とか「だから……嫌だった」とか語尾などはキャラクターに合わせてください。
「嫌だ」ではなく「嫌だった」、つまり「なにか嫌なことが起きてしまった」状況です。
物語が動き出していることから、始める練習です。
2023.6.18 公表
テーマ触媒のリスト
1:「犯罪者」「コメディ」「ホラー」「ラブストーリー」
2:「脚色」「二面性」「キーアイテム」「サイレント」
3:「回想」「ミステリー」「はじまり」「おわり」「いちばん書きたいもの」
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8:「山」「父親」「アクション」「ビジュアライズ」
9:「珍味」「春」「兄弟」「冒頭セリフ指定」
10:「想い出」「東京」「植物」「身体障害者」
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12:「死んだ友人」「秋」「超能力」「逃亡者」
13:「昆虫」「プロット指定」「姉妹」「匂い」
14:「結婚」「AI」「不可能」「警察官」
15:「電話」「トラウマ」「雨」「当て書き」
16:「大きな決断」「登頂」「どん底」「夢オチ」
17:「ワンシチュエーション」「2人だけ」「視線」「手指」
18:「別れた恋人との再会」「キスシーン」「復讐」「ニュース記事から」
19:「殺人シーン」「病院」「飢餓感」「血」
20:「子供」「鏡」「恥」「自分をモデルに」
※書き方のルールなどについては「脚本作法」の記事も参照してください。