「ライターズルーム」における提出脚本のためのヒントです。
065「ワンシチュエーション」
初期の「ライターズルーム」では出したことあるがテーマですが、リストになかったので、ここで入れておきます。
条件は「柱」となる「場所を1つだけ」「時間経過もなし」という「ワンシーン」で描ききるというものです。
そのシーンで中心となっている出来事が何で、どういう方向に進んでいるかを意識できれば、「ワンシーン」でもビートを入れられます。この感覚は、作品全体の構成と重なります。
分析の数をこなしてきていない作者には、このテーマの効果は弱いかもしれません。
1つの空間でストーリーを進めていくことが出来れば、演劇的なドラマも書けるようになります。
脚本添削:『運命の女』(★2.00)
脚本添削『サプライズ』(★2.0)
066「2人だけ」
これも初期の「ライターズルーム」で出したテーマです。
条件は「登場人物を2人だけにすること」です。
コンビニの店員とか、駅員さんなどは登場してかまいませんが、それらのキャラには個性をつけないように。
「いらっしゃいませ」とか駅のアナウンスとか、そういうセリフを喋らせても構いませんが、名前があり個性をがある人物を2人だけに限定すること。
2人のキャラクターの内面にアプローチして、何を考えているか、どういう気持ちかを掴まないと、2人でシーンを進めることが持ちません。
無意味な日常会話だけさせていればページは埋まるかもしれませんが、そんなことをしていれば練習としても無意味です。
「2人だけ」で、そうやって面白くするかを考えるのが作者の仕事です。
067「視線」
人間は、非言語コミュニケーションとして目や眉といった顔の表情がとても発達してしまう。
だから「怒ってないよ」と言いながら、目が笑っていないという描写が理解されます。
男がすれ違った美人を見て、隣にいた女性の恋人が怒るといったクリシェもあります。
「目は口ほどにモノを言う」という慣用句がありますが、セリフ以上に無意識の本心が出てしまうことがあります。
「セリフ」だけ描いていても人間は描けないのです。
心理表現の一つとして「視線」を意識した物語を作ってみてください。
068「手指」
一般的に「手」「指」というのは人間の体で一番器用な部分で、すなわち人間の意志通りにコントロールできる部分です。
「視線」が無意識の表出であれば、「手」「指」は表層意識の表出です。
本当は「したくはなかった」と言っても、暴力や痴漢行為をすれば社会的に咎められます(そういえば暴力的に睨んでも、性的な目で誰かを見るだけでは犯罪にはなりませんね)。
「手」「指」を使った映像描写は、そのキャラクターの意志を表現するのに有効な描写の一つです。
「手」や「指」が印象に残るような描写を考えて物語を考えてみてください。
イルカ 2024.4.10
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※書き方のルールなどについては「脚本作法」の記事も参照してください。