脚本添削『始まりの夕焼け』(★4.50)

※この作品はライターズルームのメンバーによるもので、作者の了承を得た上で掲載しています。無断転載は禁止。本ページへのリンクは可能です。

初稿(★3.85)

『始まりの夕焼け』月三(ラブストーリー)d1_240430

月三
「好き」2「脚本」1
●自由感想
短編としてまとめることと始まりと終わりのつながりを意識して書いてみました。

テーマ触媒1:「犯罪者」「コメディ」「ホラー」「ラブストーリー」

フィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2.6「脚本」2.2
●良かったところ・好きなところ
・最後の影・夕陽・誰もいない道の使い方。切なくて好き。
・ふたりの細かい仕草でお互いにまだ好きなんだとわかるところ。
・沙久良に陽斗の返事の仕方がうつってるところ。口調がうつるほど一緒にいたんだなと感じた。
・アイスを他の子と食べるという陽斗の強がり。
●よく分からなかったところ・不自然だと思ったところ
・柱2~3 沙久良の「夏まで待つ」の意味。
「夏休みなら一緒に帰れるしラーメン食べれる」と言った陽斗には「夏まで待たなきゃいけないの?」と返したのに、結局ラーメンは夏まで取っておくと言い出したので付き合いを続ける意味にも取れるなと思った。
・上に関連して柱2 陽斗の「今度いつこっち戻ってくるかわかんないじゃん」、ここで陽斗は確実な別れを確信したのかとも思うが、大事な部分にしてはさらっと流れたので確信を得られなかった。
●ツイストアイデア
会話を少し削って、何度も別れについて話し合ってきた描写を入れる。
そうすると、沙久良の別れの決意が変わらないことや、陽斗が今までの感謝を受け入れたこと、本当は別れたくないことなどの葛藤を差し込めるようになるかも。
●脚本がプラス1点されるには何が必要か?
陽斗の未練度合いが10分の間にけっこうブレているように思うので、変化しているならその部分を描く。
●以下のビートだと感じた一行
「主人公のwant」(あるいは「主人公のセットアップ」)
陽斗「別に、このままでいいんじゃない」
「カタリスト」
沙久良「なんだかんだで楽しかったね」
●自由感想
こういう別れの話が好きなので、ふたりの些細な仕草で切なさを感じました。
思い出や本心があちらこちらに散らばっているのが感じられてよかったです。

米俵
●採点
「好き」1.5「脚本」2
●良かったところ・好きなところ
・読みやすさ
・夕陽などの風景の使い方
・そその口調がうつっているところ
・ねらいが脚本から伝わってきた
●よく分からなかったところ・不自然だと思ったところ
・柱4 陽斗が告白した場所を忘れている
陽斗の照れ隠しなのかな?とも思ったのですが…💦
●ツイストアイデア・脚本プラス1点
・陽斗が抗ってるのが分かる描写をもう少し増やす。
・別れると言った後、佐久良が口癖を言いかけてやめる。
●自由感想
個人的にはもっと人間らしさが見える別れの方が好きなので、好き度は減ってしまいましたが、凄く綺麗な別れで素敵だなと思いました。グッとこらえてるのが大人な2人に感じられました。

石川
●採点
「好き」3「脚本」1
●よかったところ
沙久良も陽斗のことが好きだったんだろうな、というのがわかりました。
●わからなかったところ
なし。
●ツイストアイデア+脚本がプラス1点されるには
陽斗の、別れ話を切り出されたくないという心情を利用して、沙久良との会話に緊張感を出す。もしくは陽斗の時間稼ぎ感を出す。引きずっている陽斗とは対照的に、沙久良はもう前向きで、大学でこういうことがやりたいとしてみる。
●ビート
want:1ページ目、その横顔を見つめて、さらに強く手を握り締める陽斗
カタリスト:1ページ目、沙久良「うん、明日の東京行の切符も買ってある」
●感想
進学という人生の要素が入っていたので、恋愛ものに興味が薄い自分でも、気になって読むことができました。

脚本太郎
●採点
「好き」2.3「脚本」1.8
●良かったところ・好きなところ
・ト書きから映像が思い起こしやすいところ。
・柱1で沙久良が手を握り返さなかったり、口癖がうつっていたりと、動作や台詞で感情の機微が表せていたところ。
●よく分からなかったところ・不自然だと思ったところ
・柱3、陽斗が直前のシーンでやや強引にラーメンに誘っていたのに、「時間平気?」と尋ねるのは少し不自然かと思いました。
・柱3、「アイス食べたね」からラーメンに誘うという繋がりが少し不自然に感じました。
●ツイストアイデア・脚本プラス1点
・ラーメンに誘う下りなど、少しシーンの繋ぎが弱いところがあるように思うので、例えば二人で幼い頃からの思い出に沿って場面を移動している(最後に思い出を振り返るため)ということにするなど、どうでしょうか。
●自由感想
10分の中で生きた感情を表せていて良いと思いました。二人のバックグラウンドが見え隠れしていて、30分ものなどもう少し長い脚本にも膨らませやすいのではないかと思いました。

修正稿(★4.50)

『始まりの夕焼け』月三(ラブストーリー)d2_240511
修正期間:2024.5.8.→2024.5.12(4日)
月三
「好き」2「脚本」2

少しセリフを削って、主役2人の感情部分をわかりやすくしました。物語として初稿より分かりやすくできたかなと思います。ただ、自分の書きたいテーマとしては、前の方が表せていた部分もあるような気がして、好き度は変化なしとしました。

修正稿へのフィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2.6「脚本」2.3
●良くなった点
セリフが少し変わったことで2人の思い合ってる、理解し合ってる部分が深まっているように思えた。
特に沙久良が陽斗に配慮してるというか、優しい雰囲気になっている。陽斗の感情も初稿よりブレていないように感じる。
アイスを削ってラーメンだけにフォーカス、帰りを「公園帰り」にしたことでわかりやすくなった。
●自由感想
沙久良の気持ちも陽斗の気持ちも共感する部分があって、しみじみとしました。

米俵
●採点
「好き」2「脚本」2.3
陽斗の感情が初稿よりも伝わってきました。ドラマ「silent」のような雰囲気を感じました。

脚本太郎
「好き」2.5 「脚本」2.3
●良くなった点
アイスのくだりを削ってラーメンにのみフォーカスしたことで流れスムーズになったと思います。
また最後に陽斗が何を言おうとしたのかなど想像すると、寂しい・切ないだけの話ではない気がして、味わい深くなっていると思います。

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森 2.6 2.2 2.6 2.3
米俵 1.5 2 2 2.3
月三 2 1 2 2
石川 *3 *1 * *
太郎 2.3 1.8 2.5 2.3
平均 2.10 1.75 2.28 2.23
合計 3.85 4.50

2024.06.02アップ

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