コンクール10本応募計画 3ヶ月経過

ほっこりトーク70を録音したのは、今年の1月2日でした。

その中で、2020年の目標として「コンクールに10本応募する」と宣言して、はや三ヵ月が経ちました。

4月1日の記事ですが「エイプリルフール」には関係ありません。そういうのが聴きたい方はほっこりトーク42「しまうま、エイプリルフールで大不評」をどうぞ。

さて、現在の応募数は3本です。

12ヶ月で10本応募するので、3ヶ月で3本は妥当なペースに見えるかもしれませんが、3月末には応募したいと思っていたコンクールが3つあって1本しか出せなかったのが、心残りではあります。

ここまでの自己検証をして、今後の目標を改めて考えてみようと思います。あくまで個人的な雑記なので、おもしろくないと思います。僕が3月〆切に向けて書いていたのを身近でご存知だった方や、その経過に興味ある方だけ、お読みください。

そもそも、10本応募するという目標は、僕の中にある「量の戦略」という発想からきています。この発想自体、とてもお世話になった方の影響を受けているのですが、もう一つ覚えているのは、シナリオのスクールで同期だった友達が話してくれたことです。彼は経済や経営に強い人でしたが、質を上げるには量をこなすのが一番効率がよくて、大企業はエラーが出てもいいから、とにかく大量生産して、出てきたエラーを踏まえて質を上げていき、コストも下がって、いいものを安く提供できるようになるんだ、ということを話してくれ、「お前の戦略は間違っていない」と言ってくれました。「量の戦略」は根性論・努力論と重なる部分もありますが、何か目標を達成しようとするなら、とにかく量をこなすということは、有効な戦略なのは間違いないと思っているのです。そもそも書かなきゃ上手くもならないし、応募しなくちゃ受賞する可能性はないのです。

まだ脚本のコンクールに応募していた頃、100本応募してダメなら諦めようと考えていました。それだけ出してダメなら才能がないといえるし、心の片隅では100も出せば1本ぐらいは受賞するだろうという目論見もありました。応募したコンクールはページ数の少ないものも合わせてですが、22本目の応募作品で受賞していました。僕は、自分の様々な記録をエクセルにつけておくクセがあるので、調べてみたら正確に22本目だとわかりました。期間は最初の応募から3年半かかっていました。いまは同じ戦略を小説でやっていこうという発想から、2020年で10本という目標を立てたのです。年齢も考えると悠長にもしてられないので、とにかく今年で10本書いてみようと思ったのが今年の初めでした。

すでに1月に応募した2本は結果がでていて落選していました。そのうちの1本は脚本だったのですが、実はそこそこ、よく書けたという自信があって一次選考も通ってなかったことが意外でした。ショックいうより、自分が通じると思っていたものが、いっさい通じていなかったズレのようなものを感じて「あれ?」と意外だったのです。同時に、脚本を書いているときにずっと感じていたズレも思い出しました。自分の書きたいものが「テレビ」向けではないという自覚があって、何となく、テレビ関係の人が面白いと思うものと自分が書きたいもののズレを感じることがよくありました。仕事もなくなってたし、脚本はやめて小説を書こう、これからは自分の書きたいものをちゃんと書いていこうと思っていたのに、つい脚本に応募してしまったのは、1月の〆切で、10本応募の目標を立てたすぐだったので、脚本でもいいやという気持ちと、脚本なら、そこそこで書いてもいけるんじゃないかという奢りもあったのだと思います。もし受賞していたとしても、作品の直しや次の作品やなんやらで、結局、またあまり興味のない脚本の方へ時間を奪われて、やりたくない仕事に囚われることになっていたのだと思うと、一次も通過していないことは落ちていてよかった、もう脚本は応募するのはやめようという、いい踏ん切りにもなりました。そんな過程もあって、前に書いた、いただいた、ありがたい仕事を断ったりもしました。

三月末の〆切に向けていた3本は、書きたいと思うものを書いていました。1本は完成して応募しました。
残りの2本はそれぞれ6割ほどで間に合いませんでした。時間の使い方を工夫して、どっちか一本に集中したりしてれば、1本は完成できたと思うし、徹夜で三日ぐらい書きつづけるような根性を出せば3本とも応募できたとも思います。

「やれなかった、やらなかった、どっちかな?」
というのは相田みつをの言葉ですが、この判断はむずかしいと思います。

筋トレのような単純そうに見えることでも、ただ根性で回数を多くこなせばいいというものではなく、筋繊維の回復を踏まえた適度の刺激が筋力アップに最適です。
小説は科学的根拠がないので複雑です。ただページ数を埋めればいいというものでもありません。構成を考え直したり、資料集めをして、質をあげられるような気がします。一方で構想ばかり練っていて書き上げない人もたくさんいます。

「出そうと思っていた2本を出せなかった」という表面上の失敗は気になりますが、やれるだけはやったなという思いはあります。エクセルのデータでとっている一ヵ月の「執筆時間」「執筆枚数」は過去最高の数字でした。それを見て頑張ってはいたのだと思えました。むしろ3本応募するという計画にムリがあったのかもしれないと思えました。

10本応募するためには、それだけの時間と執筆体力が必要です。
1本200枚として換算するなら10本で2000枚。月に166枚書く能力が、そもそも必要です。1本100枚としても半分の88枚は書けないといけません。
去年の僕の平均値は月に65.9枚。過去3年の平均でも99.4枚だったので166枚には足りていなかったのです。しかし、今年の3ヶ月分だけの数値は217.4枚です。この数値のアップは、応募できたかどうかよりも大事な気がします。徹夜で間に合わせて、応募だけしても、質は悪くなるだろうし、その後、体調を崩したり、気が抜けたようにサボってしまうよりはいい気がします。

小説は長距離走に似ているのだと気付きました。自分のペースをしっかり淡々と守って走り抜けばベストタイムは出るのです。周りの順位や、〆切に振り回されて、オーバーペースになってはいけないのです。ただし、守るべきペースを落としてもいけません。過去の数値よりも低いのにいいペースだと言うのはサボりでしかありません。今回は、過去の倍以上のペースでやっていたのだから頑張っていたと言っていいような気がするのです。

10本応募するという目標は、とにかくたくさん書いて、たくさん応募しようというだけの意図でした。この三ヵ月、それを目指してやってみたことで、生活の中で書いていくことが具体的に見えてきました。たくさん書いていると、キーボードを打つ指が痛くなる、座っている腰が痛くなるといったこととも向き合わなくてはいけないと気付きました。何を書きたいか書くべきかも、シャープになってきました。自分のペースと合わないなら、表面上の「10本応募する」という数字だけに拘ってはいけないと思いますが、いまのところ、今の自分にちょうどよい目標に思えるので継続していきます。

思いつくまま、とりとめのない文章でした。また数ヶ月後に、経過を報告すると思います。

緋片イルカ 2020/03/31

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