まったり散歩「六義園を散歩」(2019/2/10)

2月9日の土曜日は最大級の寒波とやらで、東京にも雪が降った。
5センチ積もるなんて予報もあって、雪好きの人間としてはわくわくしながら、特に用も無いのにコンビニへ行ったりしていた。

「明日は庭園にでも行って雪景色の写真を撮ろう!」

なんて楽しみにしていたが、一向に気配もなく、翌10日は青空の広がる晴れ。気温は低いが、やわらかい陽射しが心地いい。

六義園は「りくぎえん」と読む。
しだれ桜の巨木とツツジが有名で、花の時期はとても混む。それから春と秋のライトアップも人気で、年々混むようになって行かなくてなってしまった。しまうまさんを連れていったこともあるが、人混み嫌いなのですぐに出たがった。

そのしだれ桜もこの有り様で、周りには誰もいない。みんな、綺麗な姿だけを見たいのだ。

もちろんツツジはまだまだ。

小径を入ったところに一面が紫陽花のエリアがあるの。よく剪定されていて梅雨がたのしみになる。
この時期の植物は、しっかりと冬を乗り越えたからこそ花を咲かせられるのだと、当たり前のことを教えてくれる。

期待していなかったが梅の花はもう咲いていた。予想外の歓迎はとても嬉しい。
誕生日とか旅行のおみやげとか理由もないのにプレゼントをくれる人がいた。ただ「こういうの好きかなと思って」という心使いはとても嬉しくなるが、それに似ている。
そばを通ると、ほんのり梅のあまい香りがした。

園内で一番高い、藤白峠からの景色は見慣れているが、なんとなく登ってしまう。

ヤツデの根元に前日の雪がわずかに残っていた。期待していたのとはちがうけどこれも雪景色だと思う。見ようによっては雪解けして春が訪れた姿のようにも感じられる。

中の島という池の真ん中に浮いている島は、仙人が住む不老長寿の島などを模して創られている。たいてい立入禁止になっているけど、木船であそこへいく想像をするのが楽しい。いろいろと思索させられるのが植物園とちがって庭園のおもしろいところだと思う。

むかし、ツバキという名の踊子がいた。彼女はダンス劇場一のスタアであったが、つまらぬ恋をして赤ん坊を身籠もり、男と駆け落ちしてしまった。時は経ち、ある男が出張の折に美人のママがいるというクラブへ行くと、そこにツバキそっくりの女がいた。「ママ、むかし東京でダンスしてたでしょ?」。ママは「東京なんて行ったこともありませんよ」と笑ったという。

墜ちてなお 大地に咲きし 椿花
(落ちてしまった椿の花も、地面から咲いているようで美しい)

オマケ

ベンチに並んで座る可愛らしいおじいちゃん達。

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