ざっくり読書6③『スキーマ療法入門』伊藤絵美(18の早期不適応的スキーマ)

全6回に渡ってスキーマ療法の理論部分を引用してまとめていきます。

ざっくり読書6①『スキーマ療法入門』伊藤絵美(生得的気質について)

ざっくり読書6②『スキーマ療法入門』伊藤絵美(中核的感情欲求と5つのスキーマ領域について)

ざっくり読書6③『スキーマ療法入門』伊藤絵美(18の早期不適応的スキーマ)

ざっくり読書6④『スキーマ療法入門』伊藤絵美(スキーマの作用「持続」と「修復」)

ざっくり読書6⑤『スキーマ療法入門』伊藤絵美(コーピングスタイルとコーピング反応)

ざっくり読書6⑥『スキーマ療法入門』伊藤絵美(スキーマモード)

第1の領域:断絶と拒絶
1. 見捨てられ/不安定スキーマ(Abandonment/Instability schema)
このスキーマを持つ人は、他人との関わりは非常に不安定であり、たとえ今自分と関わっている人であっても、その人は今にでも自分を見捨てて立ち去ってしまうだろうと感じている。

2. 不信/虐待スキーマ(Mistrust/Abuse schema)
このスキーマを持つ人は、他人は全て自分につけ込み、自分をいじめ、食い物にするような「虐待者」であり、全くもって信用することができないと感じている。

3. 情緒的剥奪スキーマ(Emotional Deprivation schema)
このスキーマを持つ人は、自分は誰からも愛されず、理解もされず、守ってもらえない存在であると感じている。

4. 欠陥/恥スキーマ(Defectivness/Shame schema)
このスキーマを持つ人は、自分は人間として欠陥がある「ダメ人間」で、そのような自分の存在自体を恥ずかしいと感じている。

5. 社会的孤立/疎外スキーマ(Social Isolation/Alienation schema)
このスキーマを持つ人は、自分は人と違っており、どのようなコミュニティにも所属することができない孤立した存在であると感じている。

第2の領域:自律性と行動の損傷
6. 依存/無能スキーマ(Dependence/Incompetence schema)
このスキーマを持つ人は、日常生活を送るにあたって自分は無能であり、他者からの助けがなくてはまともに生きていけないと感じている。

7. 損害や疾病に対する脆弱性スキーマ(Vulnerability to Harm or Illness schema)
このスキーマを持つ人は、今にも破局的な出来事が起こり、自分はそれを防ぐこともできないし、対処することもできないと感じている。

8.巻き込まれ/未発達の自己スキーマ(Enmeshment/undeveloped Self schema)
このスキーマを持つ人は、自分が他者(多くは親)に感情的に巻き込まれており、あたかも他者と一体化しているように感じている。「自分がない」と感じ、自らのアイデンティティを感じることができない。

9. 失敗のスキーマ(Failure schema)
このスキーマを持つ人は、「自分のしてきたことは失敗ばかりだ」「何をやっても失敗するだろう」と感じ、自分を「失敗者」だと思っている。

第3の領域:他者への追従
10. 服従のスキーマ(Subjugation schema)
このスキーマを持つ人は、他者に見捨てられたり報復されたりしないためには、自分の欲求や感情を犠牲にして、他者に服従するしかないと感じている。

11. 自己犠牲スキーマ(Self-Sacrifice schema)
このスキーマを持つ人は、自分より他者を優先し、他者の欲求や感情を、自分自身が満たしたり癒したりすることに過度にとらわれている。

12. 評価と承認の希求スキーマ(Approval-Seeking/Recognition-Seeking schema)
このスキーマを持つ人は、他者から評価されたり承認されたりすることに過度にとらわれており、他者の評価によって自尊心が左右され、他者の評価を得るために自らの行動を選ぶ。

第4の領域:過剰警戒と抑制
13. 否定/悲観スキーマ(Negativity/Pessimism schema)
このスキーマを持つ人は、人生のネガティブな面ばかりを過大に注目し、ポジティブな面を無視する。いわゆる「マイナス思考」にとらわれており、いつも心配ばかりしている。

14. 感情抑制スキーマ(Emotional Inhibition schema)
このスキーマを持つ人は、感情を感じたり表出したりすることを恐れており、自らの感情を抑え込んだり、あたかも感情などないかのように振る舞ったりする。

15. 厳密な基準/過度の批判スキーマ(Unrelenting Standard/Hypercriticalness schema)
このスキーマを持つ人は、非常に高い基準を自分や他人に対して設定し、その基準を満たすよう、人はできるだけ努力し、行動すべきであると感がえている。

16. 罰スキーマ(Punitiveness schema)
このスキーマを持つ人は、人は失敗したら厳しく罰せられるべきだという信念を抱いている。自分や他人の過失を簡単に許すことができない。

第5の領域:制約の欠如
17. 権利要求/尊大スキーマ(Entitlement/Grandiosity schema)
このスキーマを持つ人は、自分は他者と違って特別な存在であり、特権と名誉が与えられて然るべきだと信じている。他者より優位に立つこと、ルールにとらわれず自分のやりたいようにすることに過大な価値を置いている。

18. 自制と自律の欠如スキーマ(Insufficient Self-control/Self-Discipline schema)
このスキーマを持つ人は、欲求不満耐性が非常に低く、自らの欲求や衝動を制御したり、目標に向けて計画的に自分を律したりすることができない。

(※文字強調は筆者)

これらのスキーマは物語創作において、キャラクターコアを考える上でとても参考になります。

緋片イルカ 2019/08/21

次回は……ざっくり読書6④『スキーマ療法入門』伊藤絵美(スキーマの作用「持続」と「修復」)

●書籍紹介
スキーマ療法入門 理論と事例で学ぶスキーマ療法の基礎と応用
伊藤絵美が書き下ろす渾身の入門書。本書を通して、伊藤絵美と共に学び、実践する仲間になる。スキーマ療法とは,米国の臨床心理学者ジェフリー・ヤングが提唱した認知行動療法(CBT)の発展型である。認知の中でもより深いレベルにあるスキーマ(認知構造)に焦点を当て,CBTを中心に力動的アプローチほか非常に統合的な心理療法を組み合わせてスキーマ療法を成した。本書は入門テキストと事例集の二部構成となっており、特に日本でスキーマ療法を習得し,治療や援助に使いたいという方に向けて書かれた待望の書である。(Amazon商品紹介より)

専門書ですがスキーマ療法の提唱者ヤング自身の本はこちらです。
スキーマ療法―パーソナリティの問題に対する統合的認知行動療法アプローチ
スキーマは,その人の認知や長年培われてきた対処行動などを方向づける意識的・無意識的な「核」であり,〈中核信念〉とも訳される。本書は,幼少期に形成されたネガティブなスキーマに焦点を当て,その成長が健康的ではなかった境界性パーソナリティ障害や自己愛性パーソナリティ障害をはじめとするパーソナリティの問題をケアしていくスキーマ療法の全貌を述べたものである。
人には5つのスキーマ領域からなる18のスキーマがあるとされ,それぞれに際立ったコーピングやモードがあり,幼少期から周囲の環境に応じてパーソナリティを形づくる。こうして固まったパーソナリティの問題は,認知行動療法だけでなく,多くの心理療法や薬物療法でさえ,万全なケアができるとは言いがたい状況にある。スキーマ療法は,こうしたニードから生まれた統合的な認知行動療法アプローチであり,体験療法やエンプティ・チェアなどのゲシュタルト療法,精神力動的な方法といったさまざまな心理療法を加え,基礎的な心理学の知見をも加味して生まれてきたものである。
本書は,リネハンの弁証法的行動療法とともに,パーソナリティ障害をはじめとする人格の問題にアプローチする最良の方法の一つであり,理論的な入口の広さから多くの心理臨床家,精神科医,心理学者などに読んでもらいたい1冊である。(Amazon商品紹介より)

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