SSFF2022「インターナショナルプログラム 1」(視聴メモ)

https://shortshorts.org/2022/program/program_cat/int/int-1/
(一部作品は2022/6/30までオンライン視聴できます。★はオススメ)

『スヌーズ Snooze』★
コント的ではあるが、普遍的で共感できるネタを映画にしようとした企画は◎。5分以下に収めたところでぎりぎり評価。もっと短くてもよい。オチが欲しいような気もしないでもないが、とってつけたようなオチなら、ない方がまし。ドラマ性の低さから大きな受賞などはしないだろうが、ショートムービーのひとつの形。

『傍観者 Bystander』
「題材」は好み。赤ん坊が産まれたばかりの父親と殺人事件の現場への遭遇というシチュエーションもいい。出産祝いのチョコの小道具もよい。だがシチューエーションに頼りすぎていて、父親のキャラクターの掘り下げ、内面描写がステレオタイプ。苛立って生徒に八つ当たりするあたりもシーン描写もクリシェ。テレビや周りの人間のセリフでテーマを説明しようとしていたり、周りのキャラのリアクションも一辺倒なのもスマートでない。トップシーン、画質の荒いスマホ録画から入るのは良いが、次のショットとの繋ぎがちぐはぐ。後の動画との画角が、主人公が撮ったようにも混乱する。撮影した男を見せるべきだったか。ロッカールームで一人座っているシーン、こういうシーンでの長回しは効果的だが、ショットやシーンに意味を持たせる工夫があれば尚よかった。その場所、そのショットで良かったのか? スマホで事件映像を確認するのも説明的でチープ。好きな題材だけに、いろいろもったいなく感じた。

『水曜日 Wednesday』★
「きれいだな~」と思わせるトップシーン。そこから、屋内からの窓枠で男を切りとったショットへの切り返し。ギャップが強く、最初は違和感を覚えるが、その意図がだんだんと見えてくる。長回しの最中で回想を入れる手法自体はアンチプロット寄りの手法で過去に例がない訳ではないが、作品のトーン、テーマと見事にマッチしている。静かに、それでいてしっかりと盛りあがっていく演出が見事。ダンスとラストシーンのギャップ。7分あたり(冒頭のCM含む)の男の乱れは狙いなのか編集ミスなのか不明。良い映画。

『エッグノッグ GOGOL-MOGOL』
ショットは綺麗。演技も良い。忙しい息子にレストランでメニューを読ませるというシチュエーションも悪くないが、それだけ。アクト2に進展がなく単調な妨害のくり返し、ストーリーが散らばっていて、あざとくて説教くさい。

『グッドモーニング・ミッドナイト Good Morning Midnight』
良くも悪くもフランス映画らしさ。ストーリー自体はありがちで単調だが、感情には惹かれるものがある。感情の複雑さと呼ぶにはやや雑な変化。あざとさにも見えてしまう。このキャラクターならではのシーンが欲しかった。

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