ヒーロー性とアイドル性について(キャラ#57)

思索の覚え書き。

参考:
名著141「千の顔をもつ英雄」ジョーゼフ・キャンベル
https://www.nhk.jp/p/meicho/ts/XZGWLG117Y/blog/bl/p8kQkA4Pow/bp/pr5Q69BEWr/

シーズン4 21世紀の地政学 アイドル編
https://www.nhk.jp/p/ts/GLP33Y7513/episode/te/Z1K3LL4NV2/

ヒーローは宝を持ち帰り変革をもたらすもの。もちろんキャンベル的な意味でのヒーローでスーパーヒーローのようなヒーローキャラクターのことではないし、性別も関係ない。

アイドルは多くの人の羨望や期待を背負う偶像。ヒーローズジャーニーの旅の過程でいえば「旅立つ前、旅立ちを宣言した者」や「帰還した者」への期待感ではないか。

政治家でいえば、ヒーロー的な政治家はきちんとした改革を行う、共感を得られないこともあれど、成果をもたらす。アイドル的な政治家は「社会を良くしてくれそう」という期待感や「過去の成果」だけで期待されている者で、実際の成果は関係ない偶像。もちろん、アイドル性を持ったヒーローもいるかもしれないが、ヒーロー的行為=変革を嫌う人が多いので、なかなか賛同は得られないのではないか。

いわゆる、アーティスト的な意味でのアイドルでいえば、様々な羨望や期待を担わされた偶像者は、ファンからすると癒やしや生きる力を与えるなどと言われるが、それはファン側が一方的に得ているもので、実質的な何かを提供しているわけではなく、ただ羨望や期待を背負う役割(そこに多くは商業的な消費と引き換えに)を担う、あるいは演じているだけである。期待が崩れるとファンは離れる。アイドルが変革をしようとヒーロー性をもちだすと、期待が崩れて離れていく人もいる。アイドルは偶像性を維持しなくては、地位を維持できない。

ヒーローとアイドルは似て非なるものだが、実際はどちらかだけということもなく、ヒーロー性をもったアイドルもいるし、アイドル性をもったヒーローもいる。

カリスマ性という言葉は、アイドル性の羨望や期待を担う部分とすれば定義しやすいか。

世の中が疲弊すると、世界を良くしてくれる改革者を求めるが、多くは「その期待を背負うだけのアイドル」ばかり。アイドルに依存することで、安心や現実逃避をする。苦しみから抜け出すのは自分がヒーローになって旅立たなくてはならない。自分の人生を、他人が変えることはできない。

イルカ 2024.8.4

追記2024.8.4
ヒーロー性は行動による、アイドル性・カリスマ性は性質。物語はヒーローでなくては成立しないか?あるいは?

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