まったり散歩「大宮盆栽美術館」(2019/4/30)

2019年4月30日。いわゆる平成最後の日とメディア(と流されやすい人達が)が騒いでいる頃、赤門拉麺を食べにいったNくん、Yくんと大宮に集まった。

「大宮盆栽美術館」へ行こうという日だった。

3人で文京シビックセンターに行った日に「今度行こう」と話していたのが、半年近く経っていた。
Nくんの就活が決まって動きやすくなったので、連休中の良さそうな日で調整したらこの日だった。前日、雨の予報を見て欠席した人もいたが、庭園好きとしては、雨の日には雨の良さがあるだろうと変更はしなかった。

庭園にも盆栽にも「まったく興味ないっす」というYくんが心配だったが、ちゃんと時間通りに来てくれた。むしろアメコミ好きNくんがゲームをしていて遅刻していた。大宮までは一番近いのに。

待っている間に改札外の観光案内所で美術館への行き方を尋ねると「土呂駅」か「大宮公園駅」から行くという。5月3、4、5日は盆栽まつりというイベントが開かれてバスも出る予定らしいが「大宮駅」では距離があるという。
3人とも調べもせずに「大宮美術館」だから「大宮駅」に集合すればいいという安易な考えだけで集まって、改札を出てしまっていた。出ていなければ乗り換え料金で行けたと思うと悔しいので、東武アーバンパークライン「大宮公園駅」へ向かう。初めて乗る電車だった。

観光案内所でもらった「盆栽村お散歩マップ」を便りに美術館へ向かう。

さいたま市立漫画会館では明治から昭和にかけて活動した北沢楽天先生の仕事道具が展示されていたが、残念ながら3人とも存じ上げず中には入らず、マップにあった「金のコイがいるよ!」という案内に従って池だけ覗く。シャッターチャンスを待つほどでもなかったのでサクっと撮影。

「盆栽村」の「開拓の中心になった人をまつった碑」があったが名前が読めなかった。
どうやらこの辺りは、もともと盆栽の根付いた歴史ある町で、それゆえに美術館ができたのだと、今さらになって気づく。

途中の公園は、子どもの頃に近くにあったら楽しそうだな~と思った。

美術館に入るとさっそくお出迎えの一鉢。
鉢からはみ出しているのは崖に懸かっているようで、懸崖(けんがい)と呼ぶ、というのは何となく知っていた。

入園料は300円。けして広い施設ではないが、一鉢一鉢を角度を変えたり、想像しながらみているとけっこう楽しめる。
ここがいい、これは好きだと、直感的な感想を言いながら進んでいく。
はなから専門家ではないのだから、自分たちなりの楽しみ方でいいのである。

建物を出ると撮影OKのエリアがあるが、また雨が降り始めた。

日本庭園は借景の考え方があるので、雨が降れば雨も景色の一部としてとりこんでしまう度量があるが、悪天候もけっこうだと思ったが、盆栽は鉢自体が一つの世界のようで、また違うのかもしれないという印象。
庭園はテーマパークのように別世界に入り込んで散策楽しさがあるが、盆栽は眺めるミニチュアの楽しさなのかもしれない。



角度を変えて見ると、違った表情をする。
カメラが好きな人と盆栽は相性がいいだろう。

そんなことを考えながら、入口へ戻ってくると最初に出迎えてくれた鉢もまた違った姿に見える。

こうやって後ろから眺めてみると、着物をきた女性のうなじのような艶っぽさが感じられる。

懸崖の 見返りうなじに 雨滴(うてき)うつ

美術館をでてからは、「土呂駅」から乗って、ご飯でも食べようと「さいたま新都心」へ向かう。
車内で、「まったく興味ないっす」と言っていたYくんに、「どの盆栽が一番良かった?」と聞くと、どれとはないが意外に楽しかったっと言ってくれてよかった。

緋片イルカ2019/05/04

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