「ふわふわふわ」
「ねえ、付いてるよ、ソース」 ワタシはスガコに言われて胸元の汚れに気付いた。 「あああああ。」 「すぐに拭きなよ？ ミートソー...
「さくらの予感」
彼を一目（ひとめ）見た瞬間、彼と付き合うことはわかった。 入学式の時だった。 私は教室の場所が分からなくて、キョロキョロしていた。 ...
「サルサレッドのカブトムシ」
男の人と付き合うのは彼で７人目だ。 多いねとか、モテるねという人もいる。 わたしよりも経験の多い人はそうは言わない。 付き合っ...
「ブサイクシンデレラ」
昼休み。私とカナはいつものように、机を合わせてお弁当を食べていると、隣のクラスのシロサキさんがやってきた。 「みんな、聞いて？ これ、...
「よれたＴシャツ」
放課後、日直の仕事をした後だったので、教室には私とアキコしかいなかった。 アキコの話を聞いて驚いた。 アキコの両親は、高校生でお...
「彼と私の間に流れる黒い川の先」
埼玉県～神奈川県。 片道１時間半。 近いとは言えない。 けど、遠距離というほどでもない。 これが私と彼の距離。 平...
「金色の髪」
犬は色が見えないらしいけど、わたしも犬になってしまったのだろうか？ 色が見えないのだ。 色盲かと思って病院に行ったけど、 ...
「ヒマワリのピアス」
クミが失恋した。 「元気だしなよ？」 「ありがとう。」 「今日カラオケでも行く？」 「そういう気分じゃないんだ。」 ...
「肥えよアオムシ」
制服はミドリのブレザー。 バッグもブラウスも、靴下までも学校指定。 色は、基本ミドリで。 スカート丈は膝下１０センチ以下。 髪は肩に...
「夕焼け、もみじ、君の顔」
タカノリとは付き合って半年になる。 2年生の1学期の終わり、 ―忘れもしない４月２９日―に、 ケータイに知らない番号からの着信があ...