短編映画『隔たる世界の2人』(三幕構成分析#223)

https://www.netflix.com/jp/title/81447229

※あらすじはリンク先でご覧下さい。

※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。

※この分析は「ライターズルーム」メンバーによるものです。

【ログライン】

カーターは、帰宅途中、警官に殺されたことをきっかけに、タイムループすることになり、殺されないよう様々なことを試すも必ず同じ結果につながってしまう。しかし、カーターは諦めないと決意を固める。

【フック/テーマ】必ず殺されるタイムループ/人種差別(黒人差別)・BLM運動

【ビートシート】

Image1「オープニングイメージ」:「カーターの自宅」飼い犬の待つ自宅。置いてある本。犬。犬との肖像画。

Premise/CQ「プレミス」/「セントラル・クエスチョン」:「カーターは自宅に帰れるか」

want「主人公のセットアップ」:「犬を飼っている」自宅にいる犬にカメラ付き給餌機で、おやつをあげる。犬のために自宅に帰ろうとする。

Catalyst「カタリスト」:「白人の警官に声をかけられる」タバコを吸っているカーターに警官が声をかける。本当にタバコなのか、何故大金を持っているのか聞かれる。

Death「デス」:「殺される」何もしていないにも関わらず、取り押さえられる。強くおさえられたことで息が出来なくなり、死亡する。※実話を元にしている。

PP1「プロットポイント1(PP1)」:「タイムループ開始」同じ朝を迎える。

MP「ミッドポイント」:「警官に話しかける」彼女からの助言で、対話することにしたカーターは、警官へタイムループしている事情を話す。

Reward「リワード」:「見逃される」カーターから話を聞いた警官は、カーターを行かせる。

Fall start「フォール」:「99回目開始」結局、殺されたカーターは99回目を開始する。警官と話をするため、パトカーで自宅まで送ってもらえないかと頼む。

PP2(AisL)「プロットポイント2」:「自宅前に到着」パトカーで自宅前に到着する。

BB(TP2)「ビッグバトル(スタート)」:「警官に声をかけられる」自宅へ向かうカーターに警官が声をかける。

Big Finish「ビッグフィニッシュ」:「撃たれ死亡」結局、対話も上手くいかず、死亡する。

Image2「ファイナルイメージ」:「名前」ファイナルイメージではないが、今まで実際に殺された人たちの名前と死因が流れる。

【作品コンセプトや魅力】

ループしても必ず殺されてしまうという点に強いメッセージを感じる。
最後のセリフは、人種差別(黒人差別)がなくなるまで諦めないという力強さを感じる。

【感想】

「好き」3「作品」4「脚本」3
約30分という中で、まとまっており、強いメッセージを感じるものの、直接的な表現(セリフ)に少し違和感を感じてしまった。最後の名前が流れるエンドロールが一番辛く悲しいので、そこありきの作品になってしまっている点ももったいなさを感じた。
個人的には、主人公の犬への愛があまり感じられず、どうしても帰りたいという気持ちにのりきれなかったため、好き度が下がってしまった。人種差別というテーマではSKIN(短編)の方が印象に残った。
(米俵、20250424)

ライターズルームへの仕事依頼

SNSシェア

フォローする