「ライターズルーム」における提出脚本のためのヒントです。
053「結婚」
結婚をどういう「視点」で捉えるかは自由とします。
結婚したい人、結婚したくない人。したいけどできない人。
結婚して幸せな人、そうでない人。
いろいろな価値観があり、何が正しいとは絶対に言えません。
結婚というテーマに対して、作者なりの「視点」を入れて描いてみてください。
場合によっては「離婚」を含んでも構いません。
こういうテーマは、同じテーマで他の方が書いたものを読むことでも、いろいろ発見があると思います。
チームである「ライターズルーム」であることも活かしてもらえると良いと思います。
054「AI」
日進月歩で変化している技術ですので、これもどう捉えるかは自由とします。
AIという技術で何が変わるのか?
現代の技術がどうなっているかという表面的なことだけを描いていると、数年後には古臭くなってしまいます。
本質的な人間を描くということが大切です。
例えば「携帯電話」という技術を、過去と現代で比べて考えてみてください。
何が古くなり、何は今でも変わらないのか。
また「携帯電話」があった頃と、なかった頃の違いも考えるヒントになるでしょう。
そのうち「AI」をテーマにしていることや、「AI」という言葉自体も古くなってしまうかもしれません。
055「不可能」
主人公にとって「不可能」を設定してください。
同時に、それに挑戦するwantを設定してください。
歴史的な進歩は、そういう精神によって乗りこえられてきたものかもしれませんが、そこまで大きなストーリーにする必要はありません(しても構いませんが)。
あくまで、主人公が個人的に「不可能」なことで構いません。
主人公が「不可能」だと思い込んでいるだけなのか、主人公は出来ると信じているが周りが「不可能」だと決めつけているのか。
物語論でいう英雄は「不可能」に挑戦するからこそ英雄であり、主人公の一要素とも言えます。
「不可能」を乗りこえた先には何が待っているのかも想像して描いてみてください。
056「警察」
少し抽象的なテーマが続いたので、現実的なものを入れておきます。
主人公を「警察官」にしてください。
言うまでもなく「刑事もの」はジャンルとして成立していますが、刑事に限らず「警察官」であれば、どんな部署でも構いません(面白い部署を見つけるだけでオリジナリティが出る可能性は大いにあります)。
警察官は事件に関わるので、主人公にするだけで自然と事件が起きやすくなります。
警察に関係ないようなドラマを描いていても、警察組織の描写が必要になることはいくらでもあります。
ネット検索範囲で構いませんので、少し調べて書くと良いでしょう。
作家にとっては、実は「うまく調べる」技術も重要だったりします。
「知らないから書けない」という言い訳は通用しません。知らなければ調べなくてはいけませんし、一度、調べて知識になれば、次の作品では書けるようになったりします。
専門家並の知識で描くのは無理かもしれませんが、ちょっと調べれば素人でもわかるようなことを反映できていない作品を書いていると足元を掬われます。
イルカ 2024.4.6
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※書き方のルールなどについては「脚本作法」の記事も参照してください。