脚本添削『そこに、山が』(★4.88)

※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。

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初稿(★4.74)

脚本_さいの27v1『そこに、山が』(山)_260610

さいの
●自己採点
「好き」2.3「脚本」2.3
●ログライン100
 亡くなった夫が毎年登っていた山に息子・嵩と二人で登ることにした由紀は、ロープウェイを使わず登ろうと息子に無茶を言うも途中で足を挫いてしまい、嵩が代わりに荷物を持ってくれたことで、昔三人で登った時のことを思い出す。(106)
●感想
・テーマ触媒:山
・結果的に何も起こらない話っぽくなったのですが、しっかりアークのある話にしたいです。自分の引き出しが無く、書くのが苦しかったです。回想、文字情報使用しています。
・今年まだ登山をしていないので、一度は登ろうと思っています。

テーマ触媒8:「山」「父親」「アクション」「ビジュアライズ」

フィードバック

雨森れに
パス

米俵
●採点
「好き」2.2「面白さ」2.3「没入感」2.3「題材」2.8「視点」2.3「構成」2.2「描写」2.5
●修整依頼
・回想の役割を見直して欲しい
嵩が由紀の荷物を持ち、熊鈴のロックを外す場面で、由紀はすでに嵩の中に毅の面影を見つけているように感じました。そのため、その後に30年前の回想が入ると、同じ気づきをもう一度確認しているようにも見えました。
回想を省く、あるいは別の役割を持たせるなど、回想が答え合わせにならない形にして欲しいと思いました。
●感想
・冒頭の遺影と熊鈴が、ラストの新しい写真と熊鈴につながる流れがキレイでした。
・夫、母、息子、さらに嵩の息子まで含めた三世代のつながりがあり、核となる関係性や心情が分かりやすかったです。

脚本太郎
●採点
「好き」2.7「面白さ」2.6「没入感」2.5「題材」2.6「視点」2.7「構成」2.6「描写」2.6
●修正依頼
・嵩の設定を統一する。
→普段山を登らない二人が、亡き父(夫)のために山を登るという話だったと文脈から読み取り、またそのことにフックがあるとも思いますが、「息子が疲れてぐずったときどうしよう?」(普段息子と山に登っている、または登ろうとしている? 山とは関係ない話ならそれで良いのですが、流れ的に山の話なのかと思ってしまいました。ぼくの読み違いならすみません)や、熊鈴の扱いを知っている(その後の由紀の笑みも含めて何を意味していたのかよく分かりませんでした)と、ぶれを感じてしまいました。熊鈴は山云々関係ないならそれでも良いのですが、何を示すシーンなのかはよく分かりませんでした。
●感想
・何も起こらない話のようになったとのことですが、個人的には10分ならこれくらいが標準的なアークのようにも思います。
・故人があまり登場しない中できちんとその人との関係が描かれている点に好感が持てました。

しののめ
パス

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.0「面白さ」2.2「没入感」2.3「題材」2.4「視点」2.2「構成」2.0「描写」2.4
●修正依頼
・回想のない構成に変える。
→現状、柱12の回想には過去の出来事を示す以上の効果があるように感じ取れませんでした。由紀に感情移入できるかと問われたら、そうではないという具合です。その為、回想をバッサリとカットして、その分の尺を遺された人たちの感情を描く時間に使ってもいいかもしれないと感じました。現在時制における由紀と嵩のバトルが見たいという印象です。そもそも疎遠になっていたというところから父の死をきっかけに再会して、山に登るといった設定にして、山に登って言えなかった本音が爆発してしまうというような構成もよいかもしれません。
●感想
・何も起こらない話in山といった感じで、さいのさんらしさある作品だったように思います。
・一方で、山という場所を存分に活かしたプロットアークを期待していました。絶景とか、雨降っちゃうとか、季節感の設定を考えるとかすると、映像として映えるかなと感じます。
・嵩の名前が山っぽい名前で、父が山好きであると、それだけで理解できました。

修正稿(★4.88)

脚本_さいの27v2『そこに、山が』(山)_260818
修正期間:2026.6.16→8.18(63日)

さいの
●自己採点
「好き」2.3「脚本」2.3
●ログライン100
 亡くなった夫が毎年登っていた山に息子・嵩と二人で登ることにした由紀は、ロープウェイを使わず登ろうと息子に無茶を言うも途中で足を挫いてしまい、嵩が代わりに荷物を持ってくれたことで、昔三人で登った時のことを思い出す。(106)
●修正意図
・階層の描写が冗長にならないように調整しました。前半のフリをなくして、回想中の声を無くしました。
●感想
・特にアイデアがなく、消極的な修正です。
・今年まだ登山していません。

修正稿へのフィードバック

雨森れに
パス

米俵
●採点
「好き」2.5「面白さ」2.5「没入感」2.7「題材」2.8「視点」2.7「構成」2.5「描写」2.6
●感想
初稿より、後半の回想が印象に残りました。説明を削ったことで、熊鈴をきっかけに過去につながる流れも自然になったと思います。
嵩自身の子育ての話がなくなったことで、父から息子へ受け継がれるもの、という要素は少し薄くなったと思いますが、その分、由紀が今の嵩を見て30年前の毅を思い出す話として、より入り込んで読むことが出来ました。

脚本太郎
●採点
「好き」2.6「面白さ」2.5「没入感」2.5「題材」2.6「視点」2.7「構成」2.4「描写」2.7
●感想
・回想の声が削れ、熊避けの鈴のフリを回収したことで、初稿より説明的にならずにストーリーを進められていると思います。しかし、熊避けの鈴が小道具としてそこまで効果的に作用しているとは思えませんでした。(ただ記憶を思い出すキーという程度)
・毅が厳しい人だったというセットアップがなくなったため、柱13の「厳しいんだか優しいんだか」という台詞が唐突になっているのと、柱12で由紀と嵩が驚いている意味がよく分からなくなりました。

しののめ
パス

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.0「面白さ」2.3「没入感」2.3「題材」2.4「視点」2.3「構成」2.3「描写」2.4
●感想
・回想の声が省略されたことで、説明感が薄まり、読みやすくなったように感じました。
・また、熊鈴の描写が回想に追加されたことで、嵩と毅の関係性がわかりやすくなったように思います。
・一方で、毅が厳しい人だったという描写が前半から消えたことで、ラストの「後から聞いたら……」のセリフの意味がいまひとつ理解できないようになっていたようになっていたと感じました。

ChatGPT
●一番大きな問題点:由紀が「なぜ今、夫の代わりに山へ登りたいのか」という感情が、やや見えにくい点です。 夫を亡くしたばかりの由紀が、三十年ぶりに夫と登った山へ向かうという設定自体は非常に良いのですが、現状では由紀が登山にこだわる理由が「お父さんなら乗らないかなって」という台詞で説明される程度なので、夫への思いがもう一歩深く見えると、物語全体の感情的な軸がより強くなると思いました。由紀は夫の代わりに山へ登ろうとしているのか、夫が好きだったものを理解したいのか、それとも夫を失った現実から何かを取り戻そうとしているのか。そのあたりがもう少し具体的になると、足を痛めてロープウェイに乗る決断にも大きな意味が生まれると思います。
特にこの作品では、「自分の足で頂上まで登ること」と「途中でロープウェイに乗ること」が一つのテーマになっています。だからこそ、由紀が最初は「夫なら登る」と考えて無理をし、最後には「登り切ることだけが夫を偲ぶ方法ではない」と少しずつ気づく流れを、もう少し明確にしてもいいと思います。そうするとラストの「父さんの代わりは、また来年か」という言葉も、単なる次回への約束ではなく、夫を失った悲しみと少しずつ共存していく由紀の変化として、より印象的になるはずです。
●良い点:登山という行為を通して、三十年前の家族の記憶と現在の母子の関係を重ねている構成が非常に綺麗です。 特に9から13にかけての展開が良かったです。由紀が足を痛め、嵩がリュックを預かり、熊鈴のロックを外す。その瞬間に由紀が何かを思い出し、三十年前の場面へ入っていく流れが自然です。かつては夫・毅が幼い嵩の荷物を持ち、励ましながら歩かせていた。そして現在は、その嵩が母・由紀の荷物を持っている。この立場の入れ替わりが、説明しすぎず映像だけで伝わってくるのが良いと思いました。
また、熊鈴が単なる登山道具ではなく、過去と現在を繋ぐアイテムになっているのも印象的です。冒頭では由紀が夫の仏壇から熊鈴を持ち出しながら、実はロックが掛かっていて鳴らない。そして嵩がそれを外したことで、三十年前の記憶が呼び起こされる。最後に由紀自身が熊鈴を「カランカラン」と鳴らして夫に手を合わせるところまで、一つのモチーフとして綺麗に繋がっています。線香が冒頭では二本、ラストでは一本になっている描写も、夫がいなくなった現実をさりげなく感じさせていて良いです。
●応援メッセージ:静かな作品ですが、家族の時間の流れをとても丁寧に描いた、温かい脚本だと思いました。 大きな事件が起きるわけではなく、母と息子が山に登るだけの一日なのに、その中に「亡くなった夫」「三十年前の家族」「成長した息子」「これからも続いていく母の人生」が入っています。
特に良いのは、夫・毅を必要以上に美化していないところです。「そこに山があるから」的な人だったり、「歩けなくなった奴が出たら助ける」という妙なルールを持っていたりする人物として描かれているので、写真の中の故人ではなく、ちゃんと家族の記憶の中にいる一人の人間として感じられます。
そして最後、由紀と嵩は結局、夫のように頂上まで登ることができません。しかし、それが敗北として終わらないのがこの作品の魅力だと思います。夫と同じことを完璧に再現する必要はなく、途中まででも、一緒に山へ来て、思い出して、笑って帰ることができた。それだけで十分、夫のいた時間をもう一度家族の中に取り戻せたのだと思えます。
あとは、由紀自身がこの山に何を求めていたのかをほんの少しだけ強くできれば、現在の登山と三十年前の回想がさらに深く結びつき、ラストの熊鈴の音がもっと大きな余韻を残す作品になると思いました。

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森
米俵 2.3 2.5 2.6 2.7
太郎 2.6 2.6 2.5 2.6
さいの 2.3 2.3 2.3 2.3
しののめ
山極 2.2 2.3 2.2 2.4
平均 2.33 2.41 2.40 2.48
合計 4.74 4.88

初稿「好き」詳細
好き 面白さ 没入感
雨森
米俵 2.2 2.3 2.3
太郎 2.7 2.6 2.5
さいの
しののめ
山極 2.0 2.2 2.3
平均 2.30 2.37 2.37
初稿「脚本」詳細
題材 視点 構成 描写
雨森
米俵 2.8 2.3 2.2 2.5
太郎 2.6 2.7 2.6 2.6
さいの
しののめ
山極 2.4 2.2 2.0 2.4
平均 2.60 2.40 2.27 2.50

修正稿「好き」詳細
好き 面白さ 没入感
雨森
米俵 2.5 2.5 2.7
太郎 2.6 2.5 2.5
さいの
しののめ
山極 2.0 2.3 2.3
平均 2.37 2.43 2.50
修正稿「脚本」詳細
題材 視点 構成 描写
雨森
米俵 2.8 2.7 2.5 2.6
太郎 2.6 2.7 2.4 2.7
さいの
しののめ
山極 2.4 2.3 2.3 2.4
平均 2.60 2.57 2.40 2.57

2026.8.30 アップ

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