この回の当日の様子はこちら →【報告】読書会#12『戦争は女の顔をしていない』スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
過去の読書会の様子はこちらの【報告】ページに音声がありますのでお聴き下さい。
課題作品
内容紹介
ソ連では第二次世界大戦で100万人をこえる女性が従軍し,看護婦や軍医としてのみならず兵士として武器を手にして戦った.しかし戦後は世間から白い目で見られ,みずからの戦争体験をひた隠しにしなければならなかった――.500人以上の従軍女性から聞き取りをおこない戦争の真実を明らかにした,ノーベル文学賞作家の主著.(解説=澤地久枝)(Amazon作品解説より)
読書会について
日時:2021/11/13(土) 15:30~17:30(15:15開場)
場所:上野のレンタルスペース
定員:6名ぐらい
費用:無料
新しい進行形式:
これまでの読書会では「三幕構成分析」を軸に、イルカが一方的に語るで進行してきましたが、今後は、参加者の皆さんで意見を交わせるような会にしていくことを検討しています。課題作品も「構成」よりも「テーマ」に重きを置いた選び方をしていきます。参加者の方には、可能なかぎり、課題作品を読んでから来ていただき、感じたことやテーマなどを挙げていただきたいと考えています。とはいえ、話すのが苦手とか、忙しくて作品を読めなかった方の参加を拒むつもりは全くありませんので、聴講のような気持ちでいらして頂くのも歓迎いたします。具体的な進め方は、イルカがいくつか議題を用意して、順番に答えていただくような流れを考えています。議題自体の提案も大歓迎です。
なお「三幕構成分析」に興味が強い方は「映画の分析会」にご参加ください。
イルカのテーマ
2015年、作者はジャーナリストとして初めてノーベル文学賞を受賞しました。理由として、以下のように書かれています。
Prize motivation: “for her polyphonic writings, a monument to suffering and courage in our time.”
(google翻訳)
賞の動機:「彼女のポリフォニックな執筆、私たちの時代の苦しみと勇気の記念碑」。
polyphonyとは「多声音楽」という意味です。
これまでの読書会でも扱ってきた「三幕構成」は、主人公という、ひとりの人間の軌跡(アーク)を描くのに特化した技術です。それゆえ、テーマも一面的になりがちです。
戦争で喩えるなら「一人の英雄の活躍により、国家を勝利に導く」といったストーリーを物語るのに「三幕構成」の形式は適しています。
あるいは「一市民」を主人公として、悲劇的な物語としてアークを描いたとしても、一面的であることには変わりません。
僕は、以前から、この物語のもつ一面性、すなわちモノフォニーmonophonyなストーリーに限界を感じていました。この手の物語は時代遅れになりつつあるとすら感じています。
今回の課題作品から、ポリフォニーな物語として読み、物語の限界を打破するヒントを探っていきたいと考えています。
参考作品
課題作品のマンガ版
戦争は女の顔をしていない 1 (単行本コミックス)
同作者の「ユートピアの声」五部作と言われる作品群
①『戦争は女の顔をしていない』
②『ボタン穴から見た戦争――白ロシアの子供たちの証言』
③『アフガン帰還兵の証言―封印された真実』
④『チェルノブイリの祈り 未来の物語』(※岩波現代文庫版もありますが、完全版では「約一・七倍の増補改訂が施され」ているそうです。
⑤『セカンドハンドの時代――「赤い国」を生きた人びと』
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準備中
お申し込み方法
以下の注意事項をご了承の上、当サイトメール(irukauma@gmail.com)からお申し込みください。
注意事項:
・初参加の方にはアンケートをお願いしております。ご記入の上、申込のメールに添付してください。
アンケートファイル → dokusyo_enquete
・メールの件名には「読書会の申し込み」とご記入下さい。こちらからの返信をもちまして「受付完了」となります。もしも、一週間以内に返信がない場合は改めてご連絡いただくか、ページ下部のコメント欄、またはTwitterのDMなどから、ご連絡ください。
・当日の様子は、音声録音あるいは音声配信などを行い、後日サイトにも掲載します。ご了承の上、ご参加ください。
・個人主催の無料イベントです。サークルの集まりのようなものだとお考え下さい。新型コロナの感染対策に関して限度があることををご了承ください。また社会状況や体調をみて、けして無理などなさらないでください。当日キャンセルしていただいても一向に構いません。
・開催場所のレンタルスペースは、開催日の3日前を目安に、申込人数に合わせて予約しています。人数把握のため、ご検討中の方も連絡いただけると助かります。
・「来る者拒まず、去る者追わず」のスタンスで開いております。参加いただいた方へ、次回の勧誘などはしないようにしています。一回きりでも構いませんし、久しぶりのご参加なども歓迎いたします。もちろん継続参加は大歓迎です。
・他の参加者に迷惑をかけたり、最低限のルールに従っていただけないなど、会にそぐわないと判断した場合は参加をお断りします。責任をもって開いておりますので、もしもトラブル等がありましたら、主催者として対処いたしますので、遠慮なくご相談ください。幸い、これまでにお断りした人はいませんので、安心してご参加いただければと思います。
2021/10/10告知