「ピンッポーン」
人の幸せを願うことは自分が傷つくことに似ている。そのことを初めて知ったのは、わたしが中学2年生の時だった。
人の幸せを願うことは自分が傷つくことに似ている。そのことを初めて知ったのは、わたしが中学2年生の時だった。
変な話かもしれないが、僕は「オトコのコ」が好きだ。「男」ではなく「オトコのコ」っていう響きが好きなのだ。アニメの主人公みたいなオトコのコ。 ...
私には、学校での避難場所が一つだけあった。そこに居れば誰にも気付かれず身を潜めていられる安心感がある。そういう場所。 「前髪切り過ぎち...
タカハシさんは地味な子、と誰もが思っていた。 長い黒髪に、黒縁の眼鏡をかけて、俯き加減に歩く彼女。休み時間になると教室のすみっこで、仲...
わたしは生まれて初めて、新築の家というものに入った。 「すごい、広い!」 「まだ家具が入ってないからだよ」 不動産屋は、 ...
帰り道、気まぐれに神社に寄ってみようかと、思った。 あと数分に迫り、白い息を吐いて凍えた手をこすりながら、除夜の鐘を待つ笑顔に満ちた人...
「じゃあ、また来年。」 終了式の日、友達とはそう言って別れた。 それは新学期まではもう会わないだろうということだ。 わたしもそう思...
準備室ではピリピリした空気が漂っていた。コンサートへの緊張感に混じり、レイコとクルス君を結ぶ線がピンと張り詰めているように、わたしには感じら...
ワタシは3人の少女をよく知っている。 一人は片思いに悩んでいる。 一人は夢に不安を抱いている。 一人は自分自身が大嫌い。 誰か一...
2学期に入って急に学校に行かなくなったのは、私自身の問題だ。合唱部の人にも迷惑をかけた。 通学の地下鉄で、レイコとクルス君が手をつない...