『ストーリーが世界を滅ぼす――物語があなたの脳を操作する』(p.80)に紹介されている面白い話を引用しておきます。
「語らず、示せ」の科学
昔々、アーネスト・ヘミングウェイが友人たちとレストランにいた。彼は酔った勢いで、自分の筆力をもってすれば小説1冊分の力をたった6語に込められる、と豪語した。友人たちは鼻で笑い、できないほうに一人10ドルずつ賭けるよと言った。すると文豪はナプキンに6つの単語を無雑作に書いて、テーブルを囲む面々に回覧させた。各人はナプキンを一目見るや、渋い顔をして隣に回していった。そして全員が財布を出し、ヘミングウェイに10ドルを渡した。ナプキンに書かれていたのは次の6語だ。
For sale: baby shoes, never worn.(売ります:ベビー靴、未使用。)
「ヘミングウェイが書いた」というのは作り話だそうですが、この6語のストーリーが、素晴らしいことは全くの同感です。
分かる人には言わずもがなです。
「なぜ、これが?」「どういう意味?」など、分からない方は「物語のセンス」には少し欠けるかもしれません(作家を目指す人は注意)。
解説を知りたい方は、どうぞ書籍をご覧ください。
緋片イルカ 2022.10.25