前回までで三幕構成の「プロットポイント」と「ミッドポイント」という重要なビートは説明しました。これだけでも三幕構成のポイントは押さえられています。
ところで三幕構成は映画用の構成テクニックだブー。小説には使えないのか?
もちろん使えます。そもそも三幕構成は映画だけでなく過去の古典や演劇を研究したところからできあがってきています。いわば、すべての物語の構造なのです。そのことはジョーゼフ・キャンベルなどを読んでもらえるとわかってきますが、難しい本だし、テクニックを身につけるだけであれば「ビートシート」だけでも使えます。
「ビートシート」では三幕の各アクトの分量が1:2:1という目安あったけど、小説だとどうなるんだブー?
一般的には比率は同じだと言われます。プロットポイント1は全体の1/4、プロットポイント2が3/4にきますね。小説でも同じように100枚の小説であれば25ページ目にプロットポイント1がくるということです。
じゃあ400ページの長編だったら100ページ目にプロットポイント1が来るのか?
理論上はそうですね。しかし100ページもキャラクターの紹介をしてるようでは、読者が苛々してしまいます。だから、全体のアクト1にあたる100ページの中で、さらに小さい三幕構成をつけるようにします。つまり25ページ目にも小さいプロットポイント1が来ることになります。
マトリョーシカみたいだブー。
はい。そうやって細かくしていくと、結局は読者が飽きないように「数ページに一回は変化や事件を起こす」ということになります。脚本は映像でごまかしも効きますが、小説は構成だけでは書けません。文章表現や語り口などが構成と同じぐらいに関わってくるのです。表現については「文章添削」シリーズで考えていきますので、よかったらご覧ください。
じゃあ三幕構成なんて知らなくても小説は書けるブー。
そうかもしれません。ただ「ビートシート」は全体のあらすじを立てるのにはとても役に立ちますし、ビートの意義を深く考えていくと物語の本質的なテーマにつきあたります。構成からテーマが浮き上がらせることもできます。書いていて行き詰まったときにはビートがヒントになることはよくあります。そういったことからも、小説を書く人でも知っていて損はないはずです。
わかったブー。じゃあ三幕構成の本を何冊か読んでみることにするブー。オススメしろブー。
では、次からは何冊か参考になる本を紹介していきましょう。質問があれば下記コメント欄かお問い合わせへもどうぞ。掲示板にもお好きにコメントください。
緋片イルカ2019/06/07
三幕構成の作り方へ→ Step1「物語は旅である」(全8回)