次回の読書会より、分析だけでなくて創作の要素をとりいれていくことにしました。
「作品合評会」と称して参加者から作品の応募を募り、講評したりしてしていきます。それに伴い、書いてみたいけど、どう書いたらわからないという方へ向けたヒントを書いていきます。
主人公はだれ?
小説では一人称、三人称といった視点のことが言われますが、あまり深く考えず「誰のお話なのか?」と考えてみましょう。
「むかし、あるところに、シンデレラという女の子がいました」と書けば三人称。
「わたしはシンデレラ。」と書けば一人称になるだけです。
初心者は一人称の方が書きやすいと言われますが、作者自身とかけはなれた設定の場合は、大変になるので、身近な設定で始めるのがいいと思います。
主人公はどんな人?
つぎに考えるのは「主人公の設定」です。
名前、性別、年齢、どこに住んでいて、職業は?
これぐらいはパっと考えてみるとよいでしょう。
読者は主人公のことを知らないのですから、紹介するための履歴書のようなものだと考えるといいでしょう。
(参考記事:「キャラクターを掘り下げる質問リスト」(キャラクター論43))
ただし、設定は物語を書く前の準備として考えるだけです。すべての設定を小説の中で説明する必要はありません。むしろ、そんなことをしてはいけません。
マンガやアニメでも設定資料というのがありますが、設定はいろいろと考えておくけど、すべてを使う必要はないのです。
主人公の目的は?
目的には大きいものと小さいものがあります。
大きいものは「将来の夢」のように、すぐには達成できないような目的です。
たとえば「宇宙飛行士になる」といっても、主人公が小学生だとしたら、すぐにはなれません。
これは設定の部分です。設定では物語は動きません。
小さい目的はシーンごとの目的です。
今回の作品合評会でのテーマは「コンビニ」となっていますが、小さい目的は「コンビニへ行く」ぐらいでも構わないのです。
シーン毎に、主人公が「何をしようとしているのか?」「どこへ向かっているのか?」がはっきりしていると、シーンが明確になります。
こういうシーンにおける主人公の目的をWANTと呼びます。
(参考記事:キャラクター概論11「主人公のWANTとNEEDについて」)
なぜ、それを求めている?
上の「コンビニへ行く」が外的なWANTだとすると「なぜ、コンビニへ行くか?」が内的なWANTです。
これはキャラクターによって変わります。
・ランチの弁当を買いに行くのか?
・立ち読みに行くのか?
・トイレを借りたいのか?
・宅配便を出すのか?
・誰かと待ち合わせしているのか?
・強盗をしにいくのか?
これを考えるだけでも、シーンができてきます。
このWANTは設定よりも重要です。物語を動かすエンジンとなるからです。
設定をいくら細かく練っても、エンジンがない物語は動きません。
閃いたら、勢いで書く
何かひらめいくものがあったら、考えすぎずに書いてみることをオススメします。
どこかで見たことあるようなアイデアでも恐れる必要はありません。
作品には必ず、作者の視点が入るので、同じアイデアでも全く同じになることはありません。恐れずに書きましょう。
一番、大切なことは書き上げることです。
書き上げなければ、誰かに見せることもできません。
すてきな作品ができましたら、ぜひ「作品合評会」にご参加ください。お待ちしております。
緋片イルカ 2020/07/21
今回は「主人公」という視点からの、書くヒントを考えました。
次回は別の視点からヒントを考えます。→ はじめての小説②「事件を起こす」
その他の参考記事:三幕構成の短編への応用:ミニマムビートシート(WISビート)(三幕構成10)