映画『ガタカ』(三幕構成分析#88)

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スリーポインツ

PP1:「(回想終わり後)上司が殺されている」(34分33%)

MP:「逃げようと言う」(54分52%)

PP2:「弟の刑事がジェロームを疑う」(78分76%)

感想・構成解説

オシャレなSFと言われている作品だと聞いて見てみた。時代を差し引けば、世界観のカッコよさというのはわかった。脚本としては、拍子抜けするぐらいのゆるさが、全体として丁度良いあんばいになっているような不思議な感覚。懐かしいような。90年代らしさ。嫌いではない。

構成いついて軽く。

主人公が血の海に近づいたところで回想に入り、幼少時代から今に至るまでを25分間もかけて見せられる。これによってアクト1のセットアップは、サスペンスではなく、あくまで「不適合者である主人公のドラマ」であると伝わる。もちろんPP1は遅い。

アクト2で始まるサスペンスは、サブプロットのような緩さ、緊張感のなさがあるがイクスターナルなメインプロットではあるので、スリーポインツはそこでとることになる。

キャラクターアークが甘いため緩いが、ミッドポイントはジェローム(ジュードロウ)に逃げようと、追い詰められた点とした。

ここが最も落ちた点だとすると、その後のアイリーンとのデートを「フォール」として上昇していく感じととれなくもない。(直前まで慌てて逃げようとしてたのに、忘れたかのようにめかし込んでデートにいく辺りなど、良くも悪くも緩い)

MP付近から、サブプロットが始動するので、当然、ズレて、ラブプロットでのMPにあたるベッドインが、全体にPP2に来ている。

これは、身分を隠すという立場からするとPP2にもあたるので、うまく重なっているともいえるか。

アクト3は、刑事が家にくるビッグバトルさがあるが、緊張感はない(ヒッチコックとか、モノクロ映画でももっと緊張感がある)。

さらに、弟でしたからの水泳勝負。ここちらは、サスペンスではなく、ドラマとしてのビッグバトルだが、過去にも主人公が勝っているので、ビッグバトル感もない。昔、勝てなかったのを、今度は勝って自信を付けるとかではない。

夢だった宇宙へ行くが、ジュードロウは旅に出るといいつつ、なぜか自殺する。動機も不明。

そんなかんじで、全体的にゆるすぎ、つっこみどころ満載だが、不適合者でも夢を叶えることができるという、どストレートなメッセージだけは、残って、何だか見心地はいい。やっぱり嫌いではない。

緋片イルカ 2022.11.4

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