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【ビートシート】
一個人の感想
前作の分析:映画『ドント・ブリーズ』(三幕構成分析#135)
前作が「Budget:$9,900,000/Gross worldwide:$157,761,002」と17倍も稼ぎだしているのだから続編が作られない訳がない。2のバジェットが書いてなかったが増えているだろう。だがGross worldwide:$53,785,551と、前作の三分の一と、お金儲けとしては少し残念だったのだろう。続編は脚本的にも企画的にも失敗しがちだが、前作のエッセンスをどこまで掬い上げて、新しい魅力を付加できるかにかかっているだろう。前作のフックは「盲目なのに、めちゃくちゃ強いおじいちゃん」というキャラと、それに伴い「音を立てない」というアクション。他には凶暴な犬と、娘に執着して監禁していたサイコパスな設定あたりか。前作では、おじいちゃんを敵キャラに置いているので、主人公は強盗側だった。「妹のため」や「殺しまではしない」というあたりで犯罪者とのバランスをとっていた。続編の本作は「あのおじいちゃんが、娘を助ける」というストーリーラインになっていて、かなり危険な香りのする路線変更。『ランボー』や『ロッキー』、『ターミネーター』にせよキャラを変えて、長期シリーズ化していくパターンはありえるが、前作のサイコパス設定はかなり重く、倫理的な主人公に化けさせるにはかなり無理がある。そんな前作の続編として、フェニックスという娘がいる設定で始まる。娘の視点で描かれていくので、今回は強盗側はなく、感情移入はしやすい。もしかして過去の話なのか?と思わせながら、アクト2に入る前にはしっかりと「過去にも娘を失った」と語りフリが入る。「ん?」となりながら、すぐに男達が侵入してきてアクションに突入。前作では「侵入する視点」だったのでカタリストとPP1を取り違えていたが、今回は「侵入される側」なので問題ない。前回同様の「お楽しみ」のあと、侵入してきた男の告白により、やはり「おじいちゃんは、おじいちゃんだった」とわかる。これをしっかりミッドポイントでやっているのは、しっかりできている。アクト2後半は舞台が移り「もう一つの真相」がわかり、アクト3のビッグバトルのアクションに突入していく。盲目としては怪しい動きはさておき、盲目なりの戦い方はしっかりできている。敵との決着もツイストがいくつか効いていてエンタメ性が保たれている。「おじいちゃん」の懺悔のような告白も魅力的(おそらく前作のファンの好みとはズレてしまっているが)。最後は、死んでいないようなフリもあるがビッグフィニッシュでしっかりと死んだと見せるところが重要。ちなみに未熟なな人はこの段階を取り違えている。「危機に陥るが生き残る」と「一度死んでから、あとで生きていたとわかる」はまるでストーリー上の効果が違う。3を意識して、殺し方が温くなったりするが、しっかり殺していて、物語としては好感がもてる。総じて、続編としてかなりよくできた脚本だった。珍しいぐらいに良くできている。「意外に面白い」という感想を聞いて、見てみた作品だったが「意外に」どころか、とてもよくできている脚本だと思う。ただし、続編であったり、この手のジャンルということを踏まえると、作品としての評価は5はつけづらい。一作目としてこのクオリティだったら5をつけていたと思う。
イルカ 2023.5.14
私もドントブリーズは2の方が断然好きで、良い出来だと思っていたのですが、レビューなどを見ると評価が低く「あれ?」と思っていたので、イルカさんのを読んで勝手に安心しました。ビートポイントも同じでした。
ありがとうございます。笑