映画『モネ・ゲーム』(三幕構成分析#151)

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※あらすじはリンク先でご覧下さい。

分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。

【ビートシート】

「好き」4 「作品」3 「脚本」3

感想

原作は1966年の映画『泥棒貴族』(脚本にアルヴィン・サージェントがいるのか)。109分だった映画がリメイクでは89分になっている。20分分も無駄なシーンをカットしたと思われる。おそらく撮影後だろう。キャラクターアークはほとんど機能していないが、演出ではプロットアークっぽくなっている。一見すると「キャメロン・ディアスとのラブコメ」と「絵画泥棒のミッションプロット」が2本あるように見える。ラブコメのアークは描けていないので、「嫉妬」うんぬんの会話が出てきたりしても共感できない。ラブコメシーンはかなりカットされたのではないか。ラストから考えても、メインに据えているのはミッションの方だが「結局、ぜんぶ作戦でした」オチは、形としては定石パターンだが、丁寧なフリをしていないととってつけたような夢オチと変わらない(これまでに見た『マッチスティック・メン』『GREAT PRETENDER』でも同様。ターンオーバーはただひっくり返せばいいのではなく、ひっくり返したときの感動やストーリーに深みがないと、ただの驚かし。ホラーのジャンプスケアと効果は変わらない。クレジットの脚本家はコーエン兄弟だが、Wikipediaによると制作過程でごたごたしていたよう。小ネタの笑いは、どこまでが原作で、どこまで追加された笑いなのかわからないが満載ではあった。コリン・ファースにかなり救われている作品。

緋片イルカ 2023.6.21

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