※あらすじはリンク先でご覧下さい。
※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。
※この分析は「ライターズルーム」メンバーによるものです。
【ログライン】
出生に際して惨劇を招いたことから忌み名を与えられ、残忍な殺し屋として生きてきた殺無生は、 用心棒としての雇い主凛雪鴉からの提案により、鳴鳳決殺という別の名でかつての師匠が運営する剣技会に優勝し、本名の汚名を晴らそうとするも、凛雪鴉に陥れられたことで反則負けとなり、師匠殺しの剣鬼としてさらなる残忍さを得、凛雪鴉への復讐を誓う。
【フック/テーマ】台湾の伝統芸能布袋劇と日本のアニメのコラボ。人形を使った派手なアクション/人は生き方を変えられるか?
【ビートシート】
Image1「オープニングイメージ」:「用心棒殺無生」凛雪鴉に恨みを抱く剣士と、凛雪鴉の用心棒殺無生の対峙。
GenreSet「ジャンルのセットアップ」:「武峡アクション」冒頭の対峙の雰囲気で武峡もの、アクションものであることがセットアップされる。
Premise/CQ「プレミス」/「セントラル・クエスチョン」:「殺無生は別の生き方を選べるか?」剣士を逃したことを悔やむ殺無生と「今は用心棒なのだから殺しは控えるべき」と窘める凛雪鴉。「悪名ばかりが広まるのはどうかと思う」とも。
want「主人公のセットアップ」:「殺無生の生い立ち」殺無生は出生に弑して惨劇を引き起こしたことで父親に「悪鬼羅刹の類」として捨てられ、剣聖鐵笛仙に育てられ、殺し屋として生きてきた
Catalyst「カタリスト」:「別の名」「殺無生などという名の人間がまっとうな剣士になどなれない」と開き直る殺無生に、「ならば別の名で名誉ある行いをすれば良い」と凛雪鴉。
Debate「ディベート」:「剣聖会参加」「剣聖」の名をかけた剣技会「剣聖会」に参加する殺無生。「剣聖」の名を手にすれば殺無生の汚名も霞んで消える、と凛雪鴉。「師を超えてこそ」と意気込む殺無生。
Death「デス」:「鳴鳳決殺の名で出場」狩雲霄が放った矢で大勢の参加者が死傷したが、大会は続行されると凛雪鴉から聞かされる。そして殺無生にも対戦の出番が回ってきた。
PP1「プロットポイント1(PP1)」:「試合開始」殺無生と殘凶との試合開始。殺無生は「今日で殺無生の名を捨てる」と宣言し、相手の降参を認め、殺さなかった。
F&G「ファン&ゲーム」:「純粋な剣技」純粋な剣技の競い合いを楽しむ殺無生。
MP「ミッドポイント」:「決勝戦」凛雪鴉のおかげで人生を変えられるかもしれないという思いにふけっていたところで、鐵笛仙に戦いを挑まれる。「自分から戦いを挑んだ場合のみ決勝戦が行われるのではないか」といぶかるも、戦いを受ける殺無生。
Fall start「フォール」:「拒絶」鐵笛仙から「剣聖の名は貴様名のような鬼に譲って良いものではい」と拒絶される。
PP2(AisL)「プロットポイント2」:「反則負け」殺無生の剣が鐵笛仙を貫くも、それは鐵笛仙の足を何者かが矢で射った故であった。殺無生は反則となり、大会の運営たちに囲まれる。凛雪鴉曰く狩雲霄に矢を射らせたのは殺無生の仕業だと思われているようであり、鳴鳳決殺の名も既に悪名として知れ渡っているという。
DN「ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル」:「凛雪鴉に騙されたと気付く」
BB(TP2)「ビッグバトル(スタート)」:「運営惨殺開始」凛雪鴉に斬りかかろうとしたところで運営たちに阻まれ、彼らへの惨殺が始まった。凛雪鴉と関わった者も全員殺すと決意する殺無生。
Twist「ツイスト」:「足を射られる」「剣鬼に甘んじることで君はより強くなった」と凛雪鴉。殺無生は足を射られて倒れる。
Big Finish「ビッグフィニッシュ」:「殺意に沈む」去っていく凛雪鴉。殺意の中気絶する殺無生。
Image2「ファイナルイメージ」:「剣鬼殺無生」冒頭の剣士に凛雪鴉の居場所を問いただし、斬り殺す殺無生。
【作品コンセプトや魅力】
台湾の伝統芸能と日本のアニメがコラボするという異文化交流的面白さ。ひとが人形を動かしているとは思えないほど派手なアクションが魅力。ストーリー面では残忍に生きてきた人斬りが友と出会って一度はまっとうな道を見出すも、裏切られより残忍になるという複雑な心情を表現している。
【感想】
テレビシリーズではそこまで極悪人には見えなかった凛雪鴉がスピンオフの本作では徹底的に外道を行っている。善人と悪人のバディというコンセプトは魅力的だが、そのバランス感覚について少し考えさせられた。
「好き」5「作品」5「脚本」5
(脚本太郎、2025.4.29)