ファイル名のルール

「ライターズルーム」におけるファイル名の付け方のルールの再確認です(※「脚本講習」で説明したときから変更はしていません。再確認と補足です)

現場での仕事を想定したルールとして統一していくので「ライターズルーム」で提出の際には従ってください。

「使いづらい」「紛らわしい」などがあれば全体でルール変更しますので、ご提案ください。

「基本ルール」から説明していくのでわかりづらかったら、最後の「10分脚本提出時」だけ読んでいただいて構いません。仕事などで必要になったときに「基本ルール」を確認すれば大丈夫です。

基本ルール

タイトル_話数_稿数_修正回数_日付

ファイル名に情報を入れるときの順番です。変更される頻度の少ないものから階層的に並べます。

不要なものは入れなくて構いません。

一番、情報が多い場合の例を示してみます。

トイストリートe1_d1_v1_230611

『トイストリート』1話1稿v1_230611

パソコン上で綺麗に並べるために、必ず順番を守るようにします。一度決めたら途中から変えないことがファイル管理上は重要です。

ファイル名が見やすいように、文字数が長くならないように工夫します。

数字は必ず「半角数字」を使用。(全角数字→1、2、3 半角数字→1、2、3)

e:episode=話数
d:draft=稿数
v:version=修正回数
日付の「230611」=「2023.6.11」

具体例の「トイストリートe1_d1_v1_230611」を言語化するなら『トイストリート』というドラマシリーズの第1話、初稿、修正をしていない状態で、完成日が2023年6月11日ということになります。

とはいえ、文字列から読み解かなくてはいけないことはありませんのでご安心ください(ファイルを開けば内容はわかります!)。

現場では複数の人がバージョンアップしていき、どれが最新かわからなくなったり、誤って上書き保存しないためのルールだと捉えてください。

わからなくなったときに確認できるように「基本ルール」として示しておきました。

各項目の定義や補足

タイトル

もちろん作品名です。たとえばタイトルが長くて『トイストリート~アンディとゆかいなオモチャたちの楽しい夏の思い出~』が正式名称であってもファイル上はトイストリートで充分でしょう。

『トイストリート』のように『』を付けても構いません。好みの問題です。

後述しますが10分脚本であれば、『トイストリート』緋片イルカ(コメディ)のように作者名やテーマを添えてもかまいません。仕事であれば、誰が書いているかなど明白なのでファイル名に明記する必要はないでしょう。

話数/エピソード

ドラマシリーズでは「話数」を入れますが、映画や単発ドラマであれば項目自体不要です。シリーズが長くて10話以上が想定されているなら「v01」と2桁表記する必要があります。

稿数/ドラフト

初稿、二稿、三稿……直す度に内容が変わっていきます。ここまでは誰でもわかると思いますが「ちょっと誤字脱字を修正しただけ」で稿を上げるのか? それぐらいなら同じファイル名で上書きしてしまえばよさそうなものですが、ファイル名が変わっていないため、相手方が「同じファイル」と勘違いして、修正前のものを正式だと思ってしまう危険もあります。

自主映画のような関わるスタッフの少ないものや、コンクール応募用脚本などでは、脚本家の判断で好きに稿を重ねていけばいいのですが、大きなプロジェクトでは「スタッフに周知されるか」で稿が変わります。

大きなプロジェクトでは、脚本家がちまちまと修正するたびに全スタッフが読むわけではなく、プロデューサーやスポンサーなど中心となる範囲で脚本を固めた上で「第2稿」ができたとスタッフに周知されます。

言うなれば、大きいプロジェクトでは、脚本家が「稿」の数字を上げることはないとも言えます。

ライターズルームにおける「10分脚本」については後述します。

修正回数/バージョン

これが「稿」の下層にある修正の「バージョン」を現す数字です。具体的な事例でみてみましょう。

『トイストリート』e1_d1_v1_230611
脚本家が初稿を書き上げてプロデューサーにメールで送りました。誤字脱字を見つけたり、シーンとして修正したいところが出てきたとしても、送った後なら別バージョンを作るのは止めましょう。プロデューサーの方が確認してコメントを追加する作業などをしていると「バージョン2」のファイルが二つになってしまいます。バトンのように一度、誰かに渡したら、自分のメモ書きだけにしておいて原稿はいじらないのが基本ルールです。もちろんミスに気づいたのが数分後のことで、相手方もまだ読んでいないので、すぐに直して送り直すといった場合はケースバイケースです。

『トイストリート』e1_d1_v2_230615
後日、プロデューサーの意見を聞いてシーンなどを直しました。このやりとりを繰り返すぐとに、バージョンが上がっていきます。日付も当然、変わります。

『トイストリート』e1_d1
第1話の初稿は完成として、各所に周知されるときには「バージョン」の情報などは削除されます。

『トイストリート』e1_d2_v1_230820
各所からの意見を経て「第2稿」に入る段階で「ドラフト」の数字が上がります。第2稿の中で最初の状態であれば「バージョン」は1から始まり、あとは繰り返しです。

『トイストリート』e2_d1_v1_230705
第2話はエピソードの数字が2になります。

日付

大きなプロジェクトではなく、修正に関わるのが少人数であれば「バージョン」なしで「日付」だけでも充分な場合も多くあります。「バージョン」があるのに「日付」をいれるのは補足的な意味合いだけです。
2023.6.11を、2023から入れると数字が長くなるので「230611」とするのは僕の趣味です。0611と月日だけだと年をまたいだときに並びが崩れます。いずれにせよ、日付は最後につくので、統一されていれば問題はないでしょう。

『トイストリート』e1_d1_230611
不要なものは入れない方がわかりやすくなります。

『トイストリート』e1_d1_230611_1
『トイストリート』e1_d1_230611_iruka
日付だけで管理していたら、同じ日に新しいバージョンができてしまうときがあります。そんなときは便宜上の数字や作業者の名前を付けたりします。

「10分脚本」提出時

ライターズルームの「10分脚本」提出では「初稿」→「フィードバック」→「修正稿」という段階があります。

フィードバックを受けての直しなので「稿」を上げると考えましょう。つまり、誤字脱字とかセリフをちょこっと直すのではなく、しっかり面白くなるような修正を目指してください。

ファイル名の項目として「タイトル」「稿数/ドラフト」「日付」を使えばいいと思います。

わかりやすく具体例を示しておきますので、あとは好みでチョイスしてください。

具体例:
『トイストリート』緋片イルカ(コメディ)d1_230611
『トイストリート』緋片イルカ(コメディ)d2_230614

『トイストリート』緋片イルカ(コメディ)d1_2023.6.11
『トイストリート』緋片イルカ(コメディ)d2_2023.6.14

『トイストリート』緋片イルカ(コメディ)1稿_230611
『トイストリート』緋片イルカ(コメディ)2稿_230614

『トイストリート』緋片イルカd1_230611
『トイストリート』緋片イルカd2_230614

トイストリートd1_230611
トイストリートd2_230614

その他、基本ルールに準じていれば好みで変えてもらってOKです。

なお、オリジナル脚本なのでタイトル自体を変えていただいても構いません。

その場合は、

『トイストリート』緋片イルカ(コメディ)d1_230611
『トイザラ・ストリート』緋片イルカ(コメディ)d2_230614

などとなってしまって構いません。

あるいは、タイトルが変わる可能性を前提としておいて、最初から、

(コメディ)d1『トイストリート』緋片イルカ_230611
(コメディ)d2『トイザラ・ストリート』緋片イルカ_230614

コメディd1『トイストリート』緋片イルカ_230611
コメディd2『トイザラ・ストリート』緋片イルカ_230614

のようにしておくのも手です(※僕はスクール時代こうしてました)。

「変更される頻度の少ないものから階層的に並べる」ことが基本ルールなので「10分脚本」においては作品名より(コメディ)の方が先にあってもよいと言えます。

なお、修正稿でタイトルが変わるのは、内容が一新された可能性が高いということで、決して悪いことではありません。

以上、わからないところあれば、ご質問ください。

緋片イルカ2023.6.11

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