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一個人の感想
「好き」4 「作品」3 「脚本」3
前半と後半がまるで別の映画のようだった。前半はモデルの事件（ポートアーサー事件）のこととは別にひとつの魅力的なドラマになっているが、ヘレンとの出会いで状況が変化するだけでアークが描かないまま、都合よいトーリーのごとく、お金や家だけを残してフェードアウト。後半は事件ありきの段取り的な展開。前半で描かれたキャラクターと、後半での男を結び付けるように観客に強いる。この男の心理は「わからない」で片付けてしまっているようで、代わりに銃購入への問題提起的なシーンが多い。ショットはキレイだし、主演の演技も魅力的。あざとさや奇を衒ったこともしていないところなども好感のもてる映画だが、テーマに対して視点が浅すぎる印象。嫌な感じはしないが、力不足というかんじがしてしまった。
緋片イルカ 2023.3.14