※あらすじはリンク先でご覧下さい。
※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。
【ログライン】
嘘と裏切りが渦巻くライアーゲームに参加したバカ正直のカンザキナオは元天才詐欺師のアキヤマシンイチとともに、最終ステージの「エデンの園ゲーム」に挑む中、最凶のプレイヤーXに追い詰められながらも人を信じることを諦めず、全員で赤いリンゴをそろえ、ライアーゲームの呪縛を解く。
【フック/テーマ】
ライアーゲーム/嘘と裏切り・人を信じること
【ビートシート】
Image1「オープニングイメージ」:「老人にお金を貸す」
バカ正直のカンザキナオは見知らぬ老人にお金を貸すほど優しく、騙されやすい人物であることが示される。
GenreSet「ジャンルのセットアップ」:「ライアーゲームの説明」
過去作の回想と共に、この作品がライアーゲームという噓と裏切り渦巻くゲームを勝ち抜いていく物語であることが示される。そしてナオはセミファイナルでアキヤマにすべてを託し、ゲームを抜けたはずだった……
Premise/CQ「プレミス」/「セントラル・クエスチョン」:「赤リンゴをそろえることはできるのか?」「ライアーゲームに終止符を打つことができるのか?」
want「主人公のセットアップ」:「アキヤマは負ける」
谷村からそう告げられたナオは、アキヤマを放っておくことができないと、ファイナルに参加することを決める。
Catalyst「カタリスト」:「参加者と対面」
ナオはゲームを勝ち抜いてきた猛者たちと対面する。そしてアキヤマとの再会。
Debate「ディベート」:「ルール説明&デモンストレーション」
真実の赤リンゴが重要なアイテムとなることが示される。バカ正直のナオは赤リンゴを全員でそろえ続ければいいと考える。
Death「デス」:「ゴールド3/シルバー4/赤4」
赤がそろうことはなかった。裏切り者は7人もいる。
PP1「プロットポイント1(PP1)」:「赤がそろうことはない」
ナオはもう一度赤をそろえようとするが、アキヤマはそろことはないと断言。騙し合いのゲームが始まった。
F&G「ファン&ゲーム」:「チームを組む」
フクナガの提案により、チームを組んで、多数決で勝利する。フクナガの巧みな話術で、ナオはそれがあたかも必勝法であると錯覚する。
Battle「バトル」:「マイたちもチームを組んでいる」「ニシダの裏切り」「全員がXの存在に気付く」
第2回投票から第4回投票までは、マイ・フクナガチームVSアキヤマチームの多数決戦。第5・6回投票はニシダの裏切りと投票が読めていたアキヤマの種明かし。そして、第7回投票では、何者かが独り勝ちし、全員が最凶のプレイヤーXの存在に気付く。
Pinch1/Sub1「ピンチ1」/「サブ1」:「なし」
MP「ミッドポイント」:「アキヤマが失楽園」
Xがアキヤマを刺し、アキヤマをゲームから追放(失楽園に)する。
Reward「リワード」:「ナオとエトウでユキナを騙す」
失楽園となったアキヤマの力を借りず、ナオはひとりで戦う。そしてユキナを騙すために一芝居打って、出し抜く。
Fall start「フォール」:「アキヤマはゴールドのリンゴを燃やす」
投票に使えるリンゴをシルバーと赤のみにし、暴走。Xと取引すると宣言し、裏切ったら強引にゲームを終わらせると脅す。さらに焼印を渡すように全員に告げる。そしてアキヤマは孤立していく。
Pinch2/Sub2「ピンチ2」/「サブ2」:「なし」
PP2(AisL)「プロットポイント2」:「本当のXの正体はセンドウ」
第10回投票におけるアキヤマの裏切りにより、決別するナオとアキヤマだったが、それはXを嵌めるための芝居であり、第11回投票において、Xを騙す。そしてXの正体がセンドウであると暴く。
DN「ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル」:「センドウがXであることの証明」
これまでの投票順などを整理しながら、アキヤマがセンドウをXだと突き止めるまでを説明していく。そしてセンドウはナオに負けたという事実を知る。
BB(TP2)「ビッグバトル(スタート)」:「センドウはシルバーを投票」
他のプレイヤーはシルバーを入れて自爆するしか道はない。しかし、アキヤマは必勝法があると、シルバーを投票するように告げる。
Twist「ツイスト」:「センドウが1位陥落」
アキヤマの必勝法はハッタリではなかった。赤リンゴをシルバーと錯覚させ、センドウは自ら赤リンゴを投票した。
Big Finish「ビッグフィニッシュ」:「第13回結果/R11」
センドウはナオを救う提案には乗らず、赤リンゴを投票。真実の赤リンゴがそろった。そしてゲームは終了する。
Epilog「エピローグ」:「ライアーゲームの真実」
ゲーム終了後、ナオとアキヤマはライアーゲームの真実を知る。主催者はおらず、単なるギャンブルにすぎなかった。
Image2「ファイナルイメージ」:「貸したお金が返ってくる」
冒頭で老人に貸していたお金が返ってくる。ナオは騙されたわけではなかった。
【作品コンセプトや魅力】
深夜帯、プライム帯の連続ドラマを経ての完結編。それまでのStageにおける嘘と裏切り、欲望渦巻くゲームを踏襲しつつ、本作では、人を信じることによりフォーカスされ、ラストに相応しいオリジナルゲームが展開される。
シンプルなゲームでありながら、複雑なルールが幾重にも重なり合い、先の読めない展開にハラハラさせられる。デスゲームものと違って、誰ひとり死なないのも、本作ならびに、本シリーズの最大の魅力だ。
【問題点と改善案】(ツイストアイデア)
主催者を突き止める。LIAR GAMEに終止符を打つ。といった軸は必要だったのか。結果としてゲーム終了後にナオとアキヤマは事務局の人間に連れられ主催者のもとに案内されるが、そこは空席で、、、
申し訳程度にゲームの成り立ち等の説明がなされるが、そもそもそこを深掘りしているわけではないので、知りたいと思うこともなく、蛇足であった感は否めない。ファイナルと銘打った以上、何かしらの形で終わりを見せなければならず、そのためだけのシーンであったように感じてしまった。のちに数年後、ー再生ーとして復活しており、無理に決着をつける必要はなかっただろう。
【感想】
「好き」5「作品」4「脚本」4
本作の脚本を黒岩勉氏と岡田道尚氏が手がけている。
今や日本を代表する脚本家といっても過言ではない黒岩勉氏を認識するきっかけとなった作品だ。初見当時、プレイヤーたちの思惑が複雑に入り乱れるゲームを若干120分で描き切る手腕は流石だと感じたことは、今でも覚えている。以降黒岩氏の作品はほぼすべて見ていると言って差し支えないのだが、今回そうした贔屓目を廃し、本作を分析して感じたことは、プロットアークに偏重しており、キャラクターアークがあまり描かれていないということだ。
裏切った。裏切られた。嵌めた。嵌められた。それらにはバリエーションがあり、その点では多分に面白いのだが、それ以外の出来事によって物語が進むわけではないという裏返しでもある。また昨日の敵は今日の友が大量発生し、ラストではカンザキナオのバカ正直さに全プレイヤーが信じることとなるのだが、やや感情移入し辛い。裏切りまくってたのに、信じられる?というクエスチョンが残ることが大団円に素直に喜べない要因なのだろうか。ご都合主義といわれる所以もこのあたりにあるように感じる。
とはいえ私は好きだ。ツッコミどころがあったとしても、楽しめるし、時間を忘れて没入してしまう。何度見ても飽きることのない作品のひとつであることは間違いがない。
(山極瞭一朗、2026/02/10)
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