プロットの項目(ver.1.1)

この記事では、僕がプロットを読むときに書いて欲しい項目について説明します。裏を返せば「こういうことを書いてくれないと、わらかないよ」という意味合いでもあります。創作の参考にどうぞ。

なお、個別のプロットについて意見を返すことは、現在は行っていません。本気で創作に興味のある方は「同時代作家の会」への参加をお待ちしております。

プロットに書いてほしい項目

注意事項は「すべて埋めること」です。プロット段階ですから(仮)なことは承知しています。その上で、作者がどう想定をしているのかが知りたいのです。「帯に短し襷(たすき)に長し」という諺がありますが、帯にしたいのか、襷にしたいのかが分からなければ、長いとも短いとも言えません。「空欄」のまま、意見を求めるのは、作者が考える責任から逃げている可能性もありえます。

1:タイトル

「無題」「未定」にはせず、タイトルを付けてみてください。そこから気付たり、テーマを発展させらたりすることもあります。

2:企画イメージ

●媒体:小説、脚本、マンガなど表現媒体を書いて下さい。「小説か、マンガでもいい」なんて曖昧なのは話になりません。作者なんですから決めて下さい。
●出力先:どこで発表する予定なのか? テレビなのか配信なのかでコンプラなども変わりますし、本であれば自費出版なのかば投稿サイトに上げるのか、コンクール応募なのかなど。具体的に決めてください。
●頁・尺:何ページなのか? 何分ものなのか? シリーズであれば全何話?
●バジェット:興行であれば予算規模。具体的な数字でなくても規模がわかるように。自主映画と商業映画ではできることが違います。
●類似作品:自分の書きたいものに近い雰囲気やテーマ、題材が同じ作品。すぐに浮かばなくても必ずありますので調べてください。1つに限りません。
●オリジナリティ:類似作品と比べてオリジナルとなる要素は何か? これがないなら企画として価値が見出せません。趣味や自分の世界を貫くのであれば、そもそも他人の意見を求める必要はありません。
参考:他人のために書くということ(三幕構成46)

※これらの「企画イメージ」は物語を判断するための大前提です。これらがないと主観的な感想しか言えません。

3:ログライン

物語のラストまでを「誰が、何して、どう変化した」という形式で120文字以内で要約してください。多少、不自然な文章になってもかまいません。
参考:ログラインをつくるコツ(三幕構成45)

4:キャラクター

メインキャラクターの名前、年齢、職業などの基本情報、キャラの性格、want、外見的特徴、経歴などを数行でまとめてください。主人公を含めて3人までとします。物語は3人いればかなり動きます。余計なキャラクターに気を取られるとメインストーリーがブレるので、あえて「3人まで」としました。その他のキャラはあらすじで登場したときに「花子(太郎の妹)」などと書いてくれば充分です。

キャラクターを考えるポイント:
「基本設定」:年齢、職業、もっている能力。家族関係。生活水準(収入、家)。必要であれば過去の経歴。
「want」:ストーリー上での目的。1つでなくても良い。
「コアイベント」:そのキャラクターを形成した過去のイベント。トラウマか幸せな想い出。wantとつながると「キャラクターコア」になっていく。
「シンボル」:キャラクターを象徴する「アイテム」「身体的特徴」「クセ(口癖)」など。「コアイベント」とつながるとスティグマ(聖痕)とも呼べる。

以下は味付け要素。上記を差し置いて考えなくて良いが、あると、ちょっとしたシーンに活用できるし、使わなくも良い。
「夢」:いつか、あんなことしたいという夢。現実性はなくていいし、wantと関連しなくていい。小さい頃の夢でもよい。
「食べ物の好み」:好きなもの、嫌いなもの。シンボルになっていなければ、ただの好みになる。好き嫌いの原因となる想い出とかはいらない。
「苦手なもの」:インディジョーンズの蛇が苦手とか。理由とかはいらない。生理的にムリという感覚でいい。

今後の課題:MBTI
興味関心の方向(Favorite world)
E – 外向型(Extravertion)
I – 内向型(Introvertion)

ものの見方(Information)
S – 感覚型(Sensation)
N – 直観型(Intuition)

判断の仕方(Decisions)
T – 思考型(Thinking)
F – 感情型(Feeling)

外界への接し方(Structure)
J – 判断型(Judging)
P – 知覚型(Perceiving)

5:シノプシス(+ビート)

物語のラストまでを800字~1600字以内でまとめてください。「ログライン」や「キャラクター」にある内容はくり返さなくても構いません。いくつかは具体的なシーンやセリフが入っている方がイメージが掴めます。ビートについて理解があれば文中に(PP1)のようにして、そのシーンがビートであると分かるように入れてください。(PP1)と(PP2)ぐらいで構いません。

6:企画意図

よく企画書では「○○な現代においては~」といった、とってつけたような企画意図がつきます。そもそも、ストーリーが意図通りになっているか疑問なことも多々あります。けれど、ストーリーをある程度まで固めた上で、それを「どういう観客に?」「どういうメッセージとして投げかけていくか?」という「視点」を加えることは、テーマの掘り下げにつながります。

補足

職業上の専門知識、SFやファンタジーの世界観、ルールなど、シノプシスを読む上で必要な知識があるなら補足として書いてください。画像など貼りつけてもらってもかまいません。外部には出ませんので著作権など気にしなくてかまいません。
 

以上の項目を……

A4で2枚以内。ワードのdocファイルか、pdfファイルで。文字のサイズや行数などは読みやすければ、何でも構いません。

緋片イルカ 2022/02/28
2022/03/07微調整
2022.6.6「キャラクターを考えるポイント」と「企画意図」追記

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