はじめての小説⑨「キャラクターの名前を工夫する」

次回の読書会より、分析だけでなくて創作の要素をとりいれていくことにしました。
「作品合評会」と称して参加者から作品の応募を募り、講評したりしてしていきます。それに伴い、書いてみたいけど、どう書いたらわからないという方へ向けたヒントを書いていきます。(第一回はこちら

今回は、キャラクターのネーミングについて考えていきます。

一人称について

「私」「わたし」「ワタシ」「あたし」「ぼく」「僕」「ボク」「俺」「おいら」「オイラ」「わし」「儂」「拙者」「自分」……

適当に挙げてみました。
一人称で小説を書く場合、こういった自称が必要になるでしょう。

どれにするかで、ニュアンスが変わるのは言うまでもありません。

自分の語り手にあった自称を工夫しましょう。

同様に、語尾が「~です」「~ます」の敬体か、「~だ」「~である」の常態か(それ以外もたくさんある)も合わせて考えましょう。

氏名の歴史

日本人の名字には、それぞれ由来があったりするので、それを利用するのはテクニックになります。

たとえば「渡嘉敷」とか「喜屋武」といった名字は沖縄特有なので、読者に出身地が南だと思わてしまうのは避けられません。

そう思わせたいなら使ってもいいし、誤解されたくないなら避けるべきでしょう。

出身はそっちだけど、親の代から東京に出てきているといったバックストーリーが重要であれば、あえて使った上で説明が必要になります。

「近藤」「安藤」「藤谷」……など「藤」がつく名字は藤原家と遠い関係があるなんて言われたりしますが、歴史物でなければ、そこまで考慮する必要は無いでしょう。

現代の都会などを舞台にしているのであれば、移動が激しいので名字にはさほど意味がありません。

現代でも、島や田舎を舞台にしていれば、名字は重要な意味をもってくるかもしれません。

名前にも、時代によって流行り廃りがあります。

戦時中は「勝」という字が好まれたり、人気の俳優の名前が多くつけられたり……

その時代を象徴するキャラクターであれば、こういったものを使うのが効果的ですが、一人の人間としての個性はつぶれがちになる危険もあります。

親の漢字が、子供にも入っているという名付け方をすることもありますが、そこに親の価値観が反映されているとも言えます。自信をもった父親かもしれません。

あるいは、優しく育ってほしいとか、健康で育ってほしいといった思いからつけられる場合もあります。

このように氏名だけで、バックグラウンドを説明できることがあります。

漢字のイメージ

「風」「炎」「水」「土」……

こういった五行にまつわる漢字や、色、花といった言葉は、イメージがそのままキャラクターの印象に重なりがちです。

アニメやマンガのキャラクターでは露骨ですが、現代ものではキラキラネームになりがちなので注意は必要です。

登場人物が多い物語では、読者が混乱しないように、あえてわかりやすいネーミングをするというのもテクニックです。

音の印象について

「阿吽」といいますが、音は「あ」のように開く音と、「う」「ん」のような閉じる音で印象が変わります。

この感じ方は、個人差が大きいと思いますがのように、名前にも作用する可能性はあります。

人間は、快活に笑うときに「あはははは」と口を開きます。

呻ったり悩むときは「ううう」「んんん」と口を閉じます。

あ段で構成された「アヤカ」のような名前と「ジュン」のような名前では、少しだけ想像できる性格が違うように思います。

映像や演劇では、名前が文字よりも音で耳から入ることが多いので重要ですが、小説では漢字などの文字の印象の方が強いかもしれません。

呼称

小説では、文字の印象の方が強いといいましたが、呼称は別です。

呼称は「話し言葉」「セリフ」で使われるため、音の印象がつよくなるからです。

「ジュン」というキャラクターでも、明るい友達から「ジュンジュン」と呼ばれていたら、印象がガラッと変わります。

自分の名前が「好きだから」「嫌いだから」といった理由で、周りの人に呼称を求める人もいます。

女性は名字より下の名前で呼び合うことが多い印象がありますが、あえて名字で呼ばれるキャラはどんな人でしょうか?

もちろん結婚や離で名字が変わる人もいます。変えない人もいます。

男性が下の名前で呼び合うのは、小さい頃からの友達の場合や、ホストや大学生ぐらいだとやや軽薄な印象も与えかねません。

呼びつけ、「~さん」「~くん」「~ちゃん」「~先生」などの付け方でも分かるとおり、呼び方にはそれぞれの関係性が潜んでいます。

恋人や友達になると、呼び方が変わったりもしますし、それに気恥ずかしさを覚えたりといったことも、よくあります。

いろいろ工夫してみてください。

閃いたら、勢いで書く

何かひらめいくものがあったら、考えすぎずに書いてみることをオススメします。

どこかで見たことあるようなアイデアでも恐れる必要はありません。

作品には必ず、作者の視点が入るので、同じアイデアでも全く同じになることはありません。恐れずに書きましょう。

一番、大切なことは書き上げることです。

書き上げなければ、誰かに見せることもできません。

すてきな作品ができましたら、ぜひ「作品合評会」にご参加ください。お待ちしております。

緋片イルカ 2020/07/25

(参考記事:「キャラクターの名前を考える(お役立ちサイト紹介)」(文章#21)

次回は「固有名詞について」を紹介してヒントにしていきます。 → はじめての小説⑩「固有名詞のメリット・デメリット」

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