映画『ザ・インタープリター 』(三幕構成分析#64)

※この分析は「脚本講習」の参加者によるものです。

※あらすじはリンク先でご覧下さい。
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【ログライン】

アフリカのマトボ共和国で民族浄化運動と称し大量虐殺をしていた大統領ズワーニに、過去に両親と妹を殺されたシルヴィアは、アフリカを出て、国連の通訳として働いていた。しかし、ある日、兄までもズワーニによって殺されたと知り、ズワーニが国連で演説する機会に復讐を計画するが、シルヴィアの警護をしていたケラーの説得により、復讐をやめて許すことを選ぶ話。

【ビートシート】

Image1「オープニングイメージ」:「」

CC「主人公のセットアップ」:「国連で通訳をしている」国連で通訳をしているシーン。セットアップにして良いのか分かりませんが、シルヴィアについてはこのあと色々と分かってきます。
「ジャンルのセットアップ」

Catalyst「カタリスト」:「バッグを取りに戻る」フルートの入ったバッグを通訳ブースに取りに戻るシーン。ズワーニの暗殺計画であろう話をここで聞くことによって、シークレットサービスのケラーと出会うことになるので、カタリストだと考えました。

Debate「ディベート」:「」

Death「デス」:「」

PP1「プロットポイント1(PP1)」:「ケラーと出会う」ケラーと出会うシーンです。時間としては少し早いですが、ここ以外に思いつきませんでした。

Battle「バトル」:「」

Pinch1「ピンチ1」:「」

MP「ミッドポイント」:「ケラーに電話」向かいの部屋からシルヴィアを監視しているケラーに電話するシーン。それまでフィリップについてもシルヴィアは隠していましたが、ケラーへ報告、「眠るまで電話してていい?」と甘えた様子も見せます。2人の心の距離が近付いた部分でもあり、クマンクマンへ近付く決意をした様子がシルヴィアに見えたという部分で、時間的にもミッドポイントにしました。(この部分は自信がありません)

Fall start「フォール」:「クマンクマンと接触」元カレゾーラの死について、兄のことについて聞くためにクマンクマンとバス内で接触するシーン。ここからフォールがスタートしていると考えました。結局、バスは爆発し、その後フィリップは自殺、フィリップの遺書から兄も死んでいることを知ります。

Pinch2「ピンチ2」:「」

PP2(AisL)「プロットポイント2」:「死亡確認リストノートに兄の名前、自分の名前を記入」死亡確認リストのノートに兄の名前、死亡理由(射殺)を書いた後で自分の名前も書き入れるシーン。ここでビッグバトルにあたるズワーニへの復讐を決意したと思ったのでPP2にしました。名前を書き入れるショットとしても(トイストーリーにもあったので)プロットポイントだと思いました。

DN「ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル」:「」

BBビッグバトル:「ズワーニの隔離部屋に入り、銃を向ける」ズワーニを追い詰めるシーンです。復讐するかしないかシルヴィアの心の葛藤が見えます。とても緊張感があって良いシーンでした。

image2「ファイナルイメージ」:「」

エピローグ:

【感想】

初めて見ましたが、大好きな映画の1つになりました。
家族や友人、愛する人を殺された時、(復讐出来る機会を与えられたら)自分ならどうするか…と考えさせられました。
シルヴィアの視点で見た時とケラーの視点で見た時、それぞれの視点で見ることが出来るので面白かったです。

(米俵、2022.09.26)

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『映画『ザ・インタープリター 』(三幕構成分析#64)』へのコメント

  1. 名前:川尻佳司 投稿日:2022/10/09(日) 23:17:45 ID:8a3be0a26 返信

    分析のとおり、復讐を巡る葛藤がシルビアとケラーの関係でとても面白いものになっていましたね。
    細かいビートについてはミステリー、謎解きとして見ていくと、こんな見方もできるかと思いました。
    ディベート 13分たったところの尾行 シルビアが暗殺計画について聞いたことをまだ打ち明けずにいたところ
    デス 17分たったところの打ち明ける契機となったズワーニの演説を知ったところ
    PP1 シルビアが上司に打ち明けるところ ここから謎解き開始
    バトル シルビアに対するケラーによる一連の尋問です。手がかりが少しずつ出てくるのが「お楽しみ」です。シルビアの過去についての謎解きも加わり、復讐を乗り越えられるかというBストーリーも入ります
    ピンチ1 45分たったところのお面の脅迫 おとり捜査の結果であり、ここでシルビアは兄の関わりをさらに疑い、MPにつながります。遺留品の髪の毛という後半につながるポイントです
    MP フィリップからゾーラの死、兄の生存を知る ここで犯人はクマンと疑い、兄の生存というまやかしの勝利を得て、クマンの元へ向かってフォール、「暗雲」が立ち込めます
    ピンチ2 バス爆破 犯人はクマンではありませんでした。この後シルビアの過去について明らかにされます。
    PP2 フィリップ・兄の死を知る 
    DN ノートの死亡者リストを読み 「暗雲」が立ち込めます
    BB prepare 自分の名前を書く ズワーニの本を準備 ガンバ来襲 シルビア留守電など ズワーニの演説に至る前まで BBはTPという解釈で復讐の決意をここにしています
    start ズワーニ演説時の銃声
    twist ズワーニの狂言だったと判明 シルビアの復讐に気づく
    solution シルビアが復讐をやめる
    BF シルビアとケラー再会