映画『キングスマン』(三幕構成分析#247)

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※あらすじはリンク先でご覧下さい。

※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。

【ログライン】

犯罪や暴力に囲まれ、選択肢がない中で育ったエグジーは、亡き父の仲間であるハリーに英国スパイ機関キングスマンにスカウトされ、厳しい選抜試験を乗り越えていく。そんな中、ハリーが人類削減計画を実行するヴァレンタインに殺される。ハリーへの恩返しを胸にエージェントとして、仲間と共に戦い、ヴァレンタインの陰謀の阻止に成功する。

【フック/テーマ】英国紳士スパイ/下層出身の若者は本当の紳士になれるか(生まれや階級ではなく、自分の選択と行動で人は変われる)

【ビートシート】

GenreSet「ジャンルのセットアップ」:「中東でのミッション」ハリーとエグジーの父が関わったミッション。ハリーの命を助けるためにエグジーの父が犠牲となる。

Premise/CQ「プレミス」/「セントラル・クエスチョン」:「エグジーは英国スパイ機関のエージェントになれるか?」

want「主人公のセットアップ」:「父親がキングスマンのエージェントだった・家庭環境の悪さ・犯罪や暴力に囲まれる生活・手癖が悪い・IQや身体能力などポテンシャルはある」

Catalyst「カタリスト」:「ハリーからペンダント型メダルをもらう」少し悩みましたが、カタリストは10分以内を意識するとここになるかなと考えました。キングスマンに電話したのが、カタリストでも良いかもしれません。

Debate「ディベート」:「ハリーとの会話」亡き父親の仲間で命を助けてもらった恩返しのために行動するというハリーに自身の痛いところをつつかれるが、ハリーの戦いを見て興味を持つ。

Death「デス」:「テーラーに呼び出され向かう」エグジーが口が固いのを確認したハリーから、テーラーに呼び出され向かう。キングスマンの本部へ一緒に行く。

PP1「プロットポイント1(PP1)」:「キングスマンの選抜試験開始」

Battle「バトル」:「水攻め・犬選択・スカイダイビング・バー&列車」過酷な選抜試験を乗り越えていく。

MP「ミッドポイント」:「ハリーと一緒にスーツの採寸」ミッドポイントは悩んだのですが、最終選考に残り、ハリーと共にスーツの採寸へ行くところかなと考えました。

Reward「リワード」:「ハリーから英国紳士の証(スーツ)をもらう・認めてもらう」

Fall start「フォール」:「最終選考」犬を撃たなければ合格しないテストで撃つことが出来ず、車を盗んで帰宅する。

PP2(AisL)「プロットポイント2」:「ハリーの死」ハリーがヴァレンタインに殺される。

DN「ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル」:「ハリーの言葉を思い出す」「私がやってきたことは全て彼への恩返しだ」「可能性を秘めた若者が見える。命がけで人の役にたとうとする」

BB(TP2)「ビッグバトル(スタート)」:「3人でヴァレンタインの計画を阻止するために動き出す」誰が裏切者か分からない中で、マーリン、ロキシーと共に陰謀の阻止に動き出す。

Twist「ツイスト」:「チャーリー・ヴァレンタインが代わりとなる衛星をGET・再び中へ戻る・頭を吹き飛ばす」細かいツイストが沢山入っており、スピード感のある演出になっている。

Big Finish「ビッグフィニッシュ」:「ヴァレンタインの計画を阻止する」ガゼルとの戦いに勝利し、ヴァレンタインにトドメをさす。

Epilog「エピローグ」:「不良と戦う」英国スパイ組織のエージェントとして帰宅し、ハリーがやったように不良と戦う。

【作品コンセプトや魅力】

スパイ作品・テンポの良い爽快アクション・キャッチーな音楽・スタイリッシュと過激のギャップ・コメディやブラックユーモアのきいた演出・印象に残るセリフ・階級社会への風刺・スーツや傘などの英国紳士の象徴を武器に変えている

【問題点と改善案】(ツイストアイデア)

アクションなどの演出は非常に見応えがありましたが、キャラクターの心情描写にはやや物足りなさを感じました。ただ、作品としてそういう方向を狙っていないからかもしれません。
また、ヴァレンタインがあっさりと敗れる展開には少し拍子抜けしてしまいました。ジゼルとの戦いがボス戦のようになってしまって良かったのかな?と疑問に思いました。原作がコミックということなので、映像化による表現の違いも比べてみたいと思いました。

【感想】

「好き」4「作品」5「脚本」4
アクションの演出やテンポは素晴らしくあっという間に見てしまいました。ただ、後から考えるとアレ?と疑問に思うこともいくつかありました。(逆にそこが個人的に少し残念だった部分かもしれません)続編を観たり、原作のコミックを読んで比べてみると、また違った感想になるかもしれません。セリフは印象に残るものが多く、非常に勉強になりました。

(米俵、2025.10.7)

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