ドラマ『ブラック・ミラー』シーズン2「時の”クマ”、ウォルドー」(三幕構成分析#277)

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※あらすじはリンク先でご覧下さい。

※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。

【ログライン】

テレビ番組内で下品な冗談を言うアニメキャラクターウォルド―の声優を務めているジェイミーは、番組の意向で補欠選挙に出馬し保守党議員モンローを妨害するが、モンローや関係を持った女性ハリスからの批判を受け、アニメキャラの後ろに隠れて批判ばかりを行うことに疑問を覚えウォルド―役を降りるも、中の人を社長が引き継ぎ、ウォルド―は世界的な影響力を持つに至ってしまう。

【フック/テーマ】アニメキャラが選挙に出馬/冷笑主義への批判、人前に出て主張する勇気

【ビートシート】

Image1「オープニングイメージ」:「面接待ちのハリス」ハリスが、イギリス労働党の議員になるための面接待ちをしている。

Premise/CQ「プレミス」/「セントラル・クエスチョン」:「君は存在しない」モンローから「君は存在しない。コメディアンもどきが演じるアニメのキャラだ。アニメと語らうことに意味はない」と言われる。表に出て何かを主張することの怖さやそれをしないことのずるさを説いている。

want「主人公のセットアップ」:「ウォルド―の声優」主人公ジェイミーは、テレビ番組内で下品な冗談を言うアニメキャラクターウォルド―の声優を務めているが、人気になってしまったプレッシャーに圧されている。また、政治家ネタをいじる自信がない。ハリスを積極的に口説き、行為後に「最近幸せじゃなかったから嬉しい」と言っていたことから、寂しさを抱えていることが分かる。

Catalyst「カタリスト」:「補欠選挙へ出馬」ウォルド―のやることのアイデア会議で、社長が、モンロー妨害のためウォルド―を補欠選挙に出馬させるアイデアを出す。

Debate「ディベート」:「俺に政治の話は無理だ」俺に政治の話は無理だ、と反対する。

Death「デス」:「社長に押し切られる」

PP1「プロットポイント1(PP1)」:「モンロー妨害開始(出馬)」補欠選挙に出馬したウォルド―は、市民と交流するモンローを妨害。無視される。

F&G「ファン&ゲーム」:「街宣活動でモンローを馬鹿にする」ハリスと肉体関係を持った翌日、上機嫌で街宣活動中モンローを馬鹿にする。

Battle「バトル」:「モンローにしつこく絡む」別の日にも、モンローにしつこく絡み、討論番組にまで出て(出させられて)モンローを邪魔する。しかしその際、モンローに正体をばらされ、その卑怯さと主張のなさを批判され、激高して喚き散らす。その際、「選挙中は会えない」と自分を拒否していたハリスからも批判され、彼女も攻撃する。

MP「ミッドポイント」:「ウォルド―、バズってニュースになる」社長は上機嫌で、さっそく別の政治家との対談の予定を入れられるも、「政治に興味がない」と一蹴。

Fall start「フォール」:「嫌なら辞めちまえ」社長からの説得に応じずにいるとついに「嫌なら辞めちまえ」と言われる。社長はウォルド―の声真似が上手く、自分がウォルド―役を引き継ぐという。役を取られると焦ったジェイミーは、ウォルド―の操作に苦戦する社長の前に現れ、討論番組にも参加する。その後ハリスに謝罪するも、許しはもらえなかった。

PP2(AisL)「プロットポイント2」:「俺には投票するな」街頭演説の最中、市民たちに「俺には投票するな。有害だ。俺に投票する奴こそ馬鹿だ」と説く。

BB(TP2)「ビッグバトル(スタート)」:「外に出て皆を説得」外に出て、生身の自分を晒し、皆を説得。ウォルド―の映るモニターに物を投げた人を擁護し、自分もモニターを攻撃する。

Twist「ツイスト」:「社長がウォルド―役を引き継ぐ」社長がウォルド―役を引き継いで市民を扇動する。

Big Finish「ビッグフィニッシュ」:「先導された市民に殴られる」

Epilog「エピローグ」:「ウォルド―の影響力がさらに上がる」病室で選挙結果を観ると、当選したのはモンローだが、ウォルド―もかなりの票を得ていた。番組内で、ウォルド―は人々を扇動してモンローに靴を投げさせる。

Image2「ファイナルイメージ」:「街中のモニターにウォルド―が映っている」ホームレスになったジェイミーがウォルド―の映るモニターに物を投げ、警官に殴り倒される。倒れたジェイミーの背景に、街中のモニターに映ったウォルド―。主張をせず、アニメの陰に隠れて批判だけ行う存在の影響力が世界レベルに広がってしまったことが、オープニングイメージと対になっている。

【作品コンセプトや魅力】

アニメキャラが選挙に出馬するという状況を通した冷笑主義への批判。現実でも起こりうるプロパガンダの思考実験。

【感想】

バッドエンド寄りではあるが、ずっとウォルド―の陰に隠れて批判ばかりしていた主人公が批判を素直に受け入れ、惨めでも人前に出て良心に従った行動を取ったことに教訓的な意義を見出すことができた。
「好き」4「作品」4「脚本」4

(脚本太郎、2026.3.29)

『ブラック・ミラー』全作品採点

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