※あらすじはリンク先でご覧下さい。
※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。
【ログライン】
ラースが、ラブドールのビアンカとの交際を経て、他者を受け入れられるようになる。
カリンとガスが、ラブドールのビアンカを彼女だと紹介するラースに話を合わせることで、ラースの妄想を治す。
【フック/テーマ】
ラブドールの恋人/他者を受け入れる優しさ
【ビートシート】
Image1「オープニングイメージ」:「カリンが来るのを待っている」
ラースはカリンが朝食に誘いに来るのをこっそり窓から眺めて待っている。誘われるなり「教会に行かなきゃ」とわざとらしく断る。(3分)
GenreSet「ジャンルのセットアップ」:「ヒューマンドラマ」
Premise/CQ「プレミス」/「セントラル・クエスチョン」:「ラースの恋の行方」
ラースの恋はどうなるのか、ラブドールであるビアンカとの恋から覚めるのか。
want「主人公のセットアップ」:「愛されているが孤独を好む青年」
心優しく町の皆に好かれているラースだが、隣に住む兄夫婦の食事の誘いやマーゴの誘いを断るなど、一人で暮らすことを選んでいる。
Catalyst「カタリスト」:「兄夫婦から同居の提案」
強引に兄の家にディナーに誘われると、「この家で一緒に暮らそう」と兄から提案される。(12分)
Debate「ディベート」:「同居の提案を断る」
同居の提案を断り、一人で自分の家に戻る。(13分)
Death「デス」:「ラブドールを購入」
6週間後、ラースの購入したラブドールが自宅に届く。(14分)
PP1「プロットポイント1(PP1)」:「ビアンカを紹介」
兄夫婦に交際相手としてラブドールのビアンカを紹介。(18分)
Battle「バトル」:「ビアンカとの交際」
カリンの提案で「ビアンカの治療」のため病院へ行ったり(26分)、一緒に教会に行って讃美歌を歌ったり(38分)、想い出の湖に連れて行ったり(43分)する。
Pinch1/Sub1「ピンチ1」/「サブ1」:「マーゴからパーティに誘われる」
マーゴはラースをパーティに誘う。「ガールフレンドと一緒でも?」とかわすも、「私も誰かと一緒に行くし」と返される。(35分)
MP「ミッドポイント」:「ビアンカとパーティへ」
ビアンカを連れてシンディのパーティへ。(54分)
Fall start「フォール」:「ビアンカが病院のボランティアになり、喧嘩」
ビアンカは街の女性の間で人気者になり、病院でのボランティアを始める。(61分)ラースは自分との予定を優先するようビアンカを怒る。(65分)さらに、プロポーズしても振られたとバーマン医師に話す。(72分)
Reward「リワード」:「町の人から愛されていることを知る」
ビアンカと喧嘩したことでカリンから「町の人はラースのことが好きだからビアンカを歓迎するのだ」と叱責される。(68分)
Pinch2/Sub2「ピンチ2」/「サブ2」:「マーゴとボウリングへ」
エリックと別れたマーゴを慰めるため、ボウリングへ。(79分)
PP2(AisL)「プロットポイント2」:「ビアンカが意識不明に」
朝起きると、「ビアンカが意識不明だ」と焦るラース。バーマン医師は重症だと診断。(88分)
DN「ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル」:「ビアンカと二人で眠る」
ビアンカと二人で眠るラース。翌朝、家の前には街の人からの沢山の励ましの手紙や花束が。(92分)
BB(TP2)「ビッグバトル(スタート)」:「湖へ」
ビアンカを連れて兄夫婦と湖へ。ラースはビアンカの最後の時を過ごす。(95分)
Twist「ツイスト」:「なし」
Big Finish「ビッグフィニッシュ」:「ビアンカの葬式」
ラースは教会で葬式を開き、多くの人が集まる。(98分)
Epilog「エピローグ」:「なし」
Image2「ファイナルイメージ」:「マーゴを誘う」
葬式の終わり、「少し歩く?」とマーゴにラースから提案。(103分)
【作品コンセプトや魅力】
ライアン・ゴズリング主演のハートフルなヒューマンドラマ。心優しい青年でありながら他者と親密になることを避けて生きているラースが、ラブドールのビアンカとの恋を経て町の人々の愛の大きさを知り、他者を受け入れる道を選び始める。
【問題点と改善案】(ツイストアイデア)
特になし。
【感想】
「好き」5「作品」5「脚本」5
優しい物語で、とても好きな作品だった。ラースの風変わりな恋愛を温かい目で見守る町の人々の優しさが沁みる。誰もラースの前でビアンカの存在を誰も否定しないという箝口令のようなものが街という単位で成立しているというちょうど良い嘘が心地よい。
ずっと独り身である男性に奇異の視線が向けられるというのは、私たちの社会とも少なからず地続きである要素と思う。そしてこの視線がこんなにも優しいこの町の人々から向けられているというのが、ラースが抱えているジレンマを体現しているようにも映る。
一見するとこの町の人々の態度は現代で言われる「多様性」みたいな心性と通ずるところがあるようでいて、少し違うかもしれない。「ビアンカを否定しない」ことは「ラースが愛されている」ことによって成立している部分もあるが、社会がそれを「いずれ治る病理」として扱ってあげているという側面もある。結局はラースは「治って」しまい、マーゴというパートナーに落ち着くのである。「危うい人間が危うさのままに誰かに受け入れられる」というような最近の人に受け入れられやすい話ではなく、あくまで結婚観や社会規範にまでは踏み込まない。2026年にこの物語を見るとそういう風な整理はできよう。もちろん「早く大人になれよ」という視線は前提にあれど、ビアンカを失うことの悲しみを描いているのがいいし、個人的には病院ボランティアとしてビアンカが思いがけず町に居場所を得ていく様も可笑しかった。(さいの、2026/07/02)
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