カフェ
あなたと
あたし
そこら中に
いるわ
あたしたち
あなたたち
鬱陶しい
人間という
生き物あなたが好きな
アールグレイ
あたしの好きな
モカジャバいま
眼で
見ているものは同じ
だとしても
心で
聞いているものが違うあなたの
記憶に
ひそんでいる
人声と
そよ風の
肌触り
【胸を打つことば】
言葉は論理的なものだと捉えられがちですが、理由なくフレーズが胸を打つことがあります。
街中を歩いていて、ふと聞こえた音楽が耳について離れないように。
ときにそれは胸を「打つ」だけでなく「刺さり」ます。
せせらぎ
言葉が
剥がれない
と
死んだ
あなたが
嘆いている
夢を
見た百合の花も
咲いていたとても
静かだったので
あたしも
死んでいた
のかも遠い
せせらぎの
音で
目が覚めた春の
ある日
【ことばから浮かぶ情景】
小説とはちがって、どんな人物が、どんな状況で、夢から覚めたのかはわかりません。
でも、わからないからこそ、想像力が動き出すのかもしれません。
詩集
読んだ?
と
あたしあと少し
と
あなた詩がからだに
溶けてゆく
漢方薬みたいにあなたの
息子が
駈けてきて
あたしの
膝に
乗った頁の
外にある
弾む
詩
【詩を栄養にする】
高橋源一郎さんの本を読んで詩をたくさん読もうと思い、まずは有名な谷川さんの詩を手にとってみました。
もっともっと、いろんな「ことば」を「からだに溶かして」いきたいと思います。
【書籍紹介】
「メディアに氾濫するコトバの洪水に食傷しているうちに、思いがけず自分にとってはちょっと新鮮な発想の短い詩群が生まれた」(あとがきより)
半世紀以上にわたって第一線で書き続けてきた詩人の最新作は、書き下ろし37篇の詩すべてにさまざまな〈あたし〉と〈あなた〉が登場します。
にび色(渋い茶色)の布貼り上製本の前面に、青・白・金の3色の箔を押した工芸品のようなたたずまいのブックデザインは、気鋭のブックデザイナー・名久井直子によるもの。
「一番大事なのは、目の前の言葉を載せる紙」というコンセプトから、本書の制作は「この本のためだけの特別な紙」を作ることからスタートしました。
伝統の高級越前和紙で知られる石川製紙株式会社の協力を得て、しっとりとした質感の鮮やかなブルーの紙が誕生。
まさに、日本の職人技から生まれた贅沢な1冊です。
谷川俊太郎、名久井直子のエッセイを収録した特製しおり付き。
(Amazon商品紹介より)
緋片イルカ2019/05/01
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