掌編『ジュンク堂へ行く』(400字換算8枚/SoC6)
映画館で映画を見るように喫茶店に行って読み終えるまで帰らないようにすると、よく読めるというのを感じて、ここ数日、巣鴨駅付近まで歩いて、どこかしらの店に行くようにしている。巣鴨まで歩くと十五分はかかるので家で座ってばかりいるよりも良い。はじめのうちは行ったことのない店に入るようにしていたが
映画館で映画を見るように喫茶店に行って読み終えるまで帰らないようにすると、よく読めるというのを感じて、ここ数日、巣鴨駅付近まで歩いて、どこかしらの店に行くようにしている。巣鴨まで歩くと十五分はかかるので家で座ってばかりいるよりも良い。はじめのうちは行ったことのない店に入るようにしていたが
僕が求めるのは「意識の流れに沿って、浮かんだ言葉を並べていく文体」。
鳴る。チャイムが鳴る。スピーカーからプツン、スイッチが入った音がするからわかる。鳴った。四時間目のチャイム。昼休みに入る。一番のチャンス。やらなくてはいけない。誰を?……
ああ、見たことある、このかんじ――デジャブ、デジャヴュ? どっちでもいい――「……ったんだけど、どう?」話しかけないで、消えちゃう――「ね、聞いてる?」……
どこかの旅先にいる。知っている場所ではない。起きてから考えてみても、思いあたる場所はなかった。空がなかった。晴れているのか曇っているのか、雨は降ってなかった。地方の駅というかんじで、降りると踏切があった。駅員さんに話しかけている女性がいた。ヒステリック気味に食べる店がないのかと詰問している……
いかにも日曜の午後という――むかつく。子ども、子ども、犬、子どもは嫌いじゃない。かわいい子どももいる。わがままになる時もしょうがない――俺だって子どもの頃は……
意識の流れの参考のためジョイスに挑戦。
「コスモゴニーは最高次の形式における愛を説明しなければならない。それができなければ、コスモゴニーは虚偽である。」この命題について考えてみる。
偶然は、ほんとうは偶然ではないのだというアークを描ければ、観客はそこに奇跡をみるのかもしれない。
※イルカの近況報告や日記です。