キャラクター概論6「言動決定要素①知能:職業差・経験差について」

前回は、6つにわけた言動決定要素のうち「知能」の年齢差について考えました。
今回は同じく「知能」の職業差・経験差について考えていきます。

これは専門的な知識で考えるとわかりやすいかと思います。

【専門的な知能】
以前にも例にあげたように医者や弁護士であれば、専門的な判断をしますし、専門用語も使います。
テレビドラマなど一般の視聴者を対象とする物語では、専門的になりすぎないよう、説明をしていかなくてはいけない場合もあります。
とはいえ、専門家であれば当然、知っているような「知識」を持っていなければ、うさんくさくみえてしまいます。

作家は実際の専門ではないので完璧にリアルに描くことは不可能ですが、読者・観客におかしいと思われるようでは、作者の勉強不足となります。

たとえば探偵キャラは一般の人が気付きもしないようなことを、指摘することで知能が高いことが伺えます。
しかし、シーンで犯人の証拠を、観客が気付いているのに探偵が気付いていなかったら、どう思うでしょうか?
「この探偵、バカだな」と思います。
あるいは犯人を特定する推理のときに、論理的に説得力がなかったらどうでしょう?
「いや、決めつけすぎるでしょ」と作者のゴリ押しに見ている方は白けてしまいます。

【ド素人の相棒】
やや横道にそれますが、探偵役には大抵、相棒がいます。それは相棒が質問をすることで、探偵役に説明をする=観客に説明するシーンを正当化します。

探偵「なんだね、キミはそんなこともわからないのか」

とでもいいながら、説明をすることで、探偵が「知能」の高さも引き立てます。
探偵だけに限らず「学園に変わった先生がやってきて改革をしていく」といったタイプのストーリーでは、その学園を説明するために新任教師が補佐したりします。
これは「説明役」や「狂言回し」といったキャラクターロール(役割)と呼べるでしょう。

【一般人には一般人の知能】
特別な職業でなくとも、生活に合わせた常識があります。

主婦(主夫)であれば毎日やっているで家事全般の知識があるはずです。
東京に住んでいて、山手線を知らないといったら、引っ越してきたばかりなのかな?と思われます。

設定上、必ず知ってるであろうことを「初めて知ったかのようなリアクション」をとる物語がときどきあります。
これは作者がキャラクターをチェスや将棋の駒ように動かしすぎているともいえますし、キャラクターの方がコアを持たず自ら動きだしていないともいえます。

A「その手にもってるもの何?」
B「大根っていう野菜だよ」
A「どうやって食べるの?」
B「うちでは煮物にするかな。おでんに入れたりね。漬け物にもできるし、大根おろしなんかもあるね」

こんな会話があると、大根も知らないAってどんなヤツなんだろうと思いませんか?
作者がBの大根料理を説明したいがために、質問させているようにもみえます。

もちろん、Aが外国人や宇宙人で大根を初めてみるなら、むしろ自然です。
こういったものは経験による「知能」の差といえます。

緋片イルカ 2019/07/03

次回はキャラクター概論7「言動決定要素①知能:男女差について」考えていきます。

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