キャラクター概論7「言動決定要素①知能:男女差について」

前回は、6つにわけた言動決定要素のうち「知能」の職業差・経験差について考えました。
今回は同じく「知能」の男女差について考えていきます。

男女によって脳の構造には違いがあります。一般的に男は空間認知や論理に長けていて、女は言語や共感能力が高いなどと言われます。
厳密には個人差のが大きいので男性的、女性的と言い替えてもいいし、イメージがつかみやすいなら右脳派、左脳派などでも構わないと思います(どのみち分類で人間の本質はつかめませんから)。

「知能」のうち思考力や論理力、数学力といった能力に着目すると、その対立項は感情や感性、直感などとなります。
知能が高い、低いという捉え方をするのは、知能を重視している人間の価値基準です。
物事を知能で判断しない人は、別の判断基準をもっているのです。

たとえば以下のような会話になります。

A「あの人、何してるのかな? ベンチにずっと座ってる」
B「考え事してるだけでしょ」
A「でも、なんか……怪しい」
B「公園で座ってるだけなんだから、そんな風に言わないの」
A「ぜったい怪しいって」

キャラクターに合わせて言葉使いに色をつければ、はっきりとキャラが立ってきますが、ここでは、どちらも中性的に書いてみました。
Aを女性、Bを男性とみれば一般的なイメージ。
Aを男性、Bを女性にすると、やや女性マンガのワンシーンのように見えるかと思います。女性マンガの作者は女性がほとんどが女性のため、その物語に登場する男性が「女性的」である場合が多いためです。

「知能」という点からいえば「ベンチに座っている人」という状況に対して、Aは「怪しい」という主観的な感情から、Bは「公園のベンチ」という客観的な視点から判断しています。

また悪い例としてあげておきますが、男女差を出すための古臭い語尾があります。
A「あの人、何してるのかしら? ベンチにずっと座ってるわ」
B「考え事してるだけだろう」
A「そうかしら。でも、なんだか怪しいわ」
B「公園で座っているだけなんだぞ。そんな風に言うんじゃない」
A「それでも絶対に怪しいと思うわ」

とたんに明治や大正の物語になります。現代の物語でこんなセリフを書くのは、作者が高齢であるか、書き手が未熟すぎる場合が多いようです。
現代人は、柔らかい喋る男性もいるし、女性もおしとやかな喋りばかりではありません。

書き慣れていない未熟な作者が、語尾でキャラ付けをしていくと、登場人物が増えたときに似たり寄ったりになってしまいます。
どこかのラノベのように語尾に「にゃ」とか「にゅ」をつけることでキャラを出そうとするハメになってしまうのかもしれません。
キャラクター(人間)の本質から、描かないといけません。

緋片イルカ 2019/07/03

文章テクニック11「論理的セリフと感情的セリフ」でも今回と同じ問題を考えてみました。

次回はキャラクター概論8「言動決定要素②価値観:キャラクターコアの有無」

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構成について初心者の方はこちら→初心者向けQ&A①「そもそも三幕構成って何?」

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『キャラクター概論7「言動決定要素①知能:男女差について」』へのコメント

  1. アバター 名前:匿名 投稿日:2019/07/10(水) 10:06:48 ID:70f9f4273 返信

    こんにちは。通りすがりです。突然すみません。もしよろしければ!

    第5回 「男脳」「女脳」のウソはなぜ、どのように拡散するのか
    https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/17/020800002/021400005/

    男性は数学に、女性はマルチ行動に優れているのか?
    https://www.swissinfo.ch/jpn/%E7%94%B7%E6%80%A7%E3%81%AF%E6%95%B0%E5%AD%A6%E3%81%AB-%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%81%AF%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AB%E5%84%AA%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B-/31568310

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    • 緋片 イルカ 名前:緋片 イルカ 投稿日:2019/07/10(水) 16:32:43 ID:e6677c24e 返信

      通りすがりさん、貴重な科学的な記事のリンクありがとうございます。熟読させていただきました。男女の脳梁については、そんなに検証データが少ないとは知りませんでした。勉強になりました。

      僕(イルカ)は、物事を理解するときには、厳密ではなくても、わかりやすい枠組みを利用してしまった方が便利で、また、枠組みを意識することによって、当てはまらない違いにも目をむけやすいと考えています(強引に持論にあてはめようと正当化しようとする考え方には注意が必要)。

      本記事はキャラクターという、空想上の人間を描くためのモデルのようなものとして提示しているので、そのためには「血液型占い」のようなものでも使いようだと思っています。
      通りすがりさんが貼ってくださった後者の記事にあるように「脳の可塑性によって、それに必要な部位が発達する」ように、血液型占いも信じている人には、その性質を強化する役目があるように思います。

      ちなみに僕(イルカ)個人の見解としては本文にも書いた(どのみち分類で人間の本質はつかめませんから)が本音です。
      科学的に検証されようが、されまいが、人間は一人一人違うし、99%の人がそうあっても、そうでない1%を描くことこそが文学の役目だと思ったりしています。
      いろいろな意見を知ることが大事なので、科学的な立場からので貴重な記事を貼っていただいてありがとうございました。

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