映画『プラダを着た悪魔』(三幕構成分析#94)

※この分析は「脚本講習」の参加者によるものです。

※あらすじはリンク先でご覧下さい。
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【ログライン】

ジャーナリストになりたいとNYに出てきたアンドレアは、ファッション雑誌ランウェイの編集長ミランダの下で働き、認められるが、自分の生き方を見つめ直し、再びジャーナリストへの道を歩み始める話。

【ビートシート】

Image1「オープニングイメージ」:「NY・朝の支度・出勤」朝の身支度の様子と出勤の映像が音楽と共に流れる。アンドレアの様子とランウェイで働く女性が対比的に出てくる。リップの付け方でもランウェイで働く女性は鏡を見てつけているのに対して、アンドレアは服を選ぶ前にサッとつけるだけ。ランウェイの人たちの朝食はアーモンドで、完璧な状態でタクシーに乗り込むのに対して、アンドレアはベーグルを食べながら電車に乗る。

CC「主人公のセットアップ」:「エミリーに嫌味を言われる」面接に来たアンドレアを見て、エミリーが嫌味を言うところ。嫌味に対して自分の考えをしっかりと伝えるアンドレア。芯のある女性だということが分かる。
「ジャンルのセットアップ」

Catalyst「カタリスト」:「出版社に採用される」ミランダの面接を受けるも邪険にされ、落ちたと思い帰ろうとしたところで、エミリーに呼び戻される。

Debate「ディベート」:「ランチ~ランスルー」ランチの際に会ったナイジェルにコーンチャウダーの選択を指摘されるが無視して食べ、自分はファッションの仕事を長く続けるつもりはないと宣言する。そして、ランスルーでは2本のベルトに違いはないと笑い、こんなのと発言したことでミランダの怒りを買う。

Death「デス」:「1年は続けると決意」ミランダの逆鱗に触れ、ボロクソに言われたことで、ミランダには負けない、1年続けて次のステップへ進むと決意する。

PP1「プロットポイント1(PP1)」:「ミランダとの戦いスタート」認められようとミランダの要望を出来る限り聞こうとする。

Battle「ターニングポイント」:「服、化粧を変える」(バトルではなく、ターニングポイントとして選びました。映画を見ている時はここがPP1かと思ったのですが、時間的に遅かったので、ターニングポイントとして別で取りました)
ミランダの要望を叶えることが出来ず、頑張っても認められないとナイジェルに泣きつくが、甘えている、努力していないと言われる。どうすれば良いか考えた結果、見た目から変えることを決意する。

Pinch1「ピンチ1」:「アンドレアと初めて呼ばれる」ミランダに指示されたことを全て先回りして、実行しており、ミランダから初めてアンドレアと名前で呼ばれ、本を届けるよう言われる。

MP「ミッドポイント」:「出版前のハリーポッター」本を届ける際にミランダ家でミスをしてしまったアンドレアに出版前のハリーポッターの原稿を手に入れ、双子の娘に届けろというミランダ。出来なければクビ。自分のミスから引き起こしてしまったことだが、理不尽な内容にキレて、辞めることを決意するもトンプソンのおかげでミッションを達成する。

Fall start「フォール」:「パーティーの同行」風邪を引いているエミリーが頼りにならないので、一緒に参加するようミランダから言われる。これにより、彼氏の誕生日会に参加出来ず、エミリーのミスをフォローしたことによってミランダの中での第一アシスタントがアンドレアになってしまう。

Pinch2「ピンチ2」:「パリへの同行」本をミランダの家へ届けた際にミランダに呼び止められ、パリに同行するよう言われる。エミリーがパリ行きを望んでいたことを知っているアンドレアは断ろうとするが、聞いてもらえず、ミランダに「決めるのはあなたよ」と言われる。

PP2(AisL)「プロットポイント2」:「パリに同行する」ネイトと喧嘩して別れ話になった時でもミランダを優先したアンドレア。結局、パリへも同行する。

DN「ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル」:「過去の自分を思い出す」ホテルの部屋でミランダの離婚の話を聞き、それでも仕事をするミランダを見て、マスカラを塗りなおしながら、過去の自分を思い出す。本当にこれで良いのかを考え始めたと感じた。

BBビッグバトル:「ナイジェルからの話」(BBの始まりがどこからかは悩みました)ナイジェルからホルトのパートナーとして働くことになったので、ランウェイを去ると聞かされる。喜んでいたが、結局はミランダが編集長の座に残ることに利用され、ナイジェルの話は無かったことに…そんなミランダを責めるもあなたも同じことをエミリーにしたと言われる。自分がしたい生き方ではないと最終的にミランダから離れていく。

image2「ファイナルイメージ」:「NYを歩くアンドレア」ランウェイで働いていた時のような流行を意識した服ではないが、自信を持って颯爽と歩いていくアンドレア。

エピローグ:

【感想】

10本目なので、昔から大好きな映画を選びました。何十回と見ているので、分析のために見る前からなんとなく考えていたビートがあったのですが、ビートシートに書いてみると少し違うかなと考え直した部分がいくつかありました。
バトルの部分は勝手にターニングポイントに変えてしまいました…m(__)m

(米俵、2022.11.12)

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『映画『プラダを着た悪魔』(三幕構成分析#94)』へのコメント

  1. 名前:緋片 イルカ 投稿日:2022/11/14(月) 17:59:53 ID:f1b6f9ac2 返信

    米俵さん、お疲れ様です。

    カタリスト:出版社採用

    PP1:ミランダとの戦いスタート

    という位置は正しいと思いますが「ミッドポイント」以降に違和感があります。

    ちなみに、デスで「ボロクソに言われて」→「なにくそと決意する」という心の変化が「ターニングポイント1」ですが、いろいろな理由で僕は「ターニングポイント」という用語は使いません(※他の映画に当てはまらないことがあったり、アクト2に入るのに必ずしもターニングポイントが必要とは限らないので)。

    ログラインはとてもスッキリしています。
    この流れを構成で捉えると考えると見つけやすいかと思います。