分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。
上級編の内容を含みますが解説はしません。
作品情報はWikipediaより。
【ビートシート】
“ストライキング・ヴァイパーズ” “Striking Vipers”
監督:Owen Harris
脚本:Charlie Brooker
公開:2019年6月5日
キャスト: アンソニー・マッキー、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、ニコール・ベハーリー、ポム・クレメンティエフ、ルディ・リン
●感想・解説
「好き」4点 「作品」5点 「脚本」5点
テクノロジーの発達による新しい感情というテーマをしっかり描こうとしているところに共感が持てる(過去シリーズのいくつかの作品のような安易なアクションで終わらせないところ)。構成上は時間経過の下手なセットアップや「バトル」をモンタージュで片付けているところなどマイナス要素が目立つが、テーマとして構成を補うものあると思う。格闘ゲームの活かし方が少し弱いのが気になる。他のVRではなく、格闘ゲームではなきゃならないところ(たとえば友情の延長にある友愛など)を描けていれば名作。
“待つ男” ”Smithereens”
監督:James Hawes
脚本:Charlie Brooker
公開:2019年6月5日
キャスト: アンドリュー・スコット、ダムソン・イドリス、アマンダ・ドリュー、トファー・グレイス
●感想・解説
「好き」5点 「作品」5点 「脚本」4点
2018年とわざわざテロップを出していて、SF的なテクノロジーがなくTwitter、Facebookを思わせるSNSを題材としたストレートなドラマ。ありがちではあるが個人的には好き。シーズン1に通じる尖り方が良い。主人公のドラマも、設定こそ真新しくはないが心を打つものがあった。創設者のキャラクターは中途半端なジョブス風で、もう少し魅力が欲しかった。サスペンス感の煽りの弱さ(交渉人などどうでもいい)、むしろエンジンをかけておくべき動機やテーマの掘り下げなどの、マイナス要素が大きいの脚本4点とした。満足感はあるが、まだ勿体なさの残る脚本。
“アシュリー・トゥー” “Rachel, Jack and Ashley Too”
監督:Anne Sewitsky
脚本:Charlie Brooker
公開:2019年6月5日
キャスト:マイリー・サイラス、アンガーリー・ライス、マディソン・ダヴェンポート、スーザン・プルファー
●感想・解説
「好き」4点 「作品」4点 「脚本」3点
これまでのシリーズに比べると、尖った設定ではないが、シンプルにドラマに寄せているので物語としては好感がもてる。シリーズ最後でやりがちなマルチプロットだが、主人公レイチェル側と偶像のアシュリー側がうまく絡みあっていてコントラストプロットとして良く組まれている。編集も工夫されている。原題タイトルには姉の名前があるが、母への気持ちなどの掘り下げが、アシュリーのライブ会場へいくアクションで解決してしまっているのが、もったいない。これまでシリーズ全作みてきたとおり作者のクセでもある。テーマから逃げたアクト3。とはいえ、音楽と相まってエンタメとしては全体としては、悪くない心地よさもある。作品としてはそれほど悪くない。
緋片イルカ 2023.1.3
ドラマ『ブラック・ミラー』シーズン1(三幕構成分析#79)
ドラマ『ブラック・ミラー』シーズン2(三幕構成分析#84)
ドラマ『ブラック・ミラー』シーズン3(三幕構成分析#100)
ドラマ『ブラック・ミラー』シーズン4(三幕構成分析#105)
ドラマ『ブラック・ミラー』シーズン5(三幕構成分析#106)
ドラマ『ブラック・ミラー』シーズン6(三幕構成分析#149)