映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(三幕構成分析#190)

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※あらすじはリンク先でご覧下さい。

※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。

※この分析は「ライターズルーム」メンバーによるものです。

【ログライン】

高寿は、愛美に恋をするが、愛美とは時間の流れが逆で、運命には逆らえず別れる。
【フック/テーマ】
もし恋人と時間の流れが逆だとしたら?

【ビートシート】

Image1「オープニングイメージ」:「電車の中、愛美に見惚れる高寿」
電車の中。主人公・高寿がある女性に見とれているところから始まる。
GenreSet「ジャンルのセットアップ」:「高寿の心の声」
高寿が心の声で愛美に一目惚れしたことを教えてくれる。これはこの2人のラブストーリーである。
Premise/CQ「プレミス」/「セントラル・クエスチョン」:「なし」

want「主人公のセットアップ」:「真面目そうな美大生」
美大に通う、眼鏡で長髪のモサっとした青年・高寿。真面目そうである。同じ美大に通う友人・上山も紹介される。
Catalyst「カタリスト」:「愛美に一目惚れ」
一目惚れした高寿は、愛美に声をかける。別れ際、愛美は泣いている。
Debate「ディベート」:「愛美とデート」
2日目、愛美が会いに来る。電話番号をもらった高寿は上山の勧めで愛美に電話し、デートを申し込む。3日目、愛美とデートすることになる。
Death「デス」:「愛美に告白」
デートのあと高寿は愛美に告白し、成功。
PP1「プロットポイント1(PP1)」:「付き合うことになる」
付き合うことになった2人。高寿は絶好調である。
F&G「ファン&ゲーム」:「恋人との生活」
引っ越しの手伝い、料理、恋人の髪を切るなど楽しいイベントが盛りだくさんだ。呼び方も徐々に変わっていく。親密度は手を繋ぐ→キス→セックスと段階を経て変化している。
Battle「バトル」:「F&Gと同じ」

Pinch1/Sub1「ピンチ1」/「サブ1」:「愛美の手帳」
ある日、部屋に愛美が手帳を置き忘れ、中身を高寿が見てしまう。「1日目(彼の30日目)」という記述。日記のようにその日の出来事が記されている。
MP「ミッドポイント」:「愛美の秘密」
愛美に呼び出された高寿は、愛美から秘密を聞かされる。2人は住む世界が異なり、時間の流れが逆なのだ。「5年ごとに30日間だけ会える。高寿の1日目は愛美の30日目」といった難解な設定が披露される。高寿は5歳と10歳のときに愛美と出会っており、5歳の高寿は愛美に命を救われているらしい。
Reward「リワード」:「なし」

Fall start「フォール」:「受け入れられない高寿」
高寿は愛美の話す事実を受け入れられず、動揺から愛美に冷たく接してしまう。
Pinch2/Sub2「ピンチ2」/「サブ2」:「反省」
上山の何気ない一言で気付く高寿。一番つらいのは愛美なのだと。高寿は愛美に謝り、2人は仲直りする。
PP2(AisL)「プロットポイント2」:「29日目終了」
楽しい思い出の裏では、時間は刻々と過ぎていく。運命の残酷さを嘆く高寿と愛美。29日目終わる。
DN「ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル」:「なし」

BB(TP2)「ビッグバトル(スタート)」:「30日目スタート」
高寿と愛美の最後の日。高寿は愛美の似顔絵を描く。
Twist「ツイスト」:「なし」

Big Finish「ビッグフィニッシュ」:「愛美、消える」
30日目が終わる。0時になり、愛美が消える。
Epilog「エピローグ」:「愛美視点」
視点が愛美に切り替わり、あのときこうだったと高寿との30日間を振り返る。
Image2「ファイナルイメージ」:「愛美が高寿と出会う」
愛美視点の30日目。電車に乗り、1日目の高寿と出会う。

【作品コンセプトや魅力】

恋人との別れは誰もが共感できるところ。そこにお互い時間の流れが逆という新規性を追加した感じか。また2人はお互いに命を救っていることから、この2人の運命性?のようなものを高めているかも。

【問題点と改善案】(ツイストアイデア)

問題
設定が複雑すぎる。時間の流れが逆なのに、2人とも0歳から成長していくので自分としては違和感があった。設定が理解できなかったため話についていけず、最後2人は別れるが喪失感を感じなかった。また、2人はどうせ付き合うしどうせ別れるのはわかっているので、興味を引っ張る展開がほしかった。

改善
愛美には全ての記憶があり、高寿に会えるのを待ちわびていたという描写が作中にあり、自分はこれには共感できた。そのため、高寿ではなく愛美を主人公にした方が感情移入しやすいと思う。また、設定が複雑なので愛美がどんどん若返っていくとした方がわかりやすい。

【感想】

「好き」3「作品」3「脚本」3
結局どういう話なのかわからなかった。設定が矛盾しているような感じがして話に入り込めなかった。

(石川、2024/03/02)

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